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NTT、写真や絵に動きを与える不思議な照明「変幻灯」を開発
世界で初めて、写真や絵に動きを与える不思議な照明『変幻灯』を開発
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下NTT)は、光のパタンを投影することで、止まった画像にリアルな動きの印象を与えることのできるまったく新しい発想に基づく光投影技術「変幻灯」を開発しました。
人間の錯覚を巧みに利用した「変幻灯」は、止まっているはずのものが動いて見えるという、かつてなかった視覚体験を生み出します。印刷物、写真、絵画などの伝統的な映像表現に多様かつ斬新な表情を加えることのできる「変幻灯」は、今後、サイネージ、インテリア、エンターテインメントなど幅広い分野での応用が期待されます。
*参考画像は添付の関連資料を参照
【動画】https://www.youtube.com/watch?v=wIHzWJm5398
※リンク先は外部サイトとなります。
<研究の背景>
「壁に掛かった風景画が風にそよぎ、肖像画が喋り出す。そんなはずは・・・。」
我々研究者は、そのような非現実的な状況を作り出すことはできないか、考えてまいりました。
身近な事物に新しい印象を与える手法としては、プロジェクタを使って対象に映像を投影する、いわゆる「プロジェクションマッピング」が有効です。プロジェクションマッピングでは、対象の表面をキャンバスとして美しい映像を映し出すことでさまざまな視覚効果を生み出すことができますが、従来技術では止まった対象自体が動いているという印象を与えることはできませんでした。というのは、対象が本来持っている風合いや色合いを打ち消してその上に動画を表示する技術だからです。また、従来法は物理的に正しい映像を表示することをめざしたものであり、止まった対象に動きだけを与えることは理論的に困難でした。
今回、NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、長年取り組んできた人間の感覚情報処理の研究にもとづき、人間が自然な動きを知覚する際に働く視覚メカニズムの科学的知見を応用して、印刷物などの止まった対象に様々な動きの印象を与えることのできる技術「変幻灯」を開発しました。
「変幻灯」では、人間の錯覚を利用して、静止画に動画のような動き印象を与えることができます。炎のゆらめきや、風の印象、人物が生きているような動きなどを絵画や写真に加えることができます。また、視点の制限はあるものの、3次元物体に対して動き印象を与えることにも成功しました。
<今後の展開>
静止対象へ変幻灯を適用することで、情報表現の幅が広がるとともに、静止対象の注目度が向上します。
このように変幻灯は新しい情報表現のかたちを提供し、多くの分野で活用できると考えています。
(1)広告への応用
光投影によって紙媒体に動き印象を加えることで、広告が伝えたいメッセージを強調することができます。
(2)インテリアへの応用
床、壁などのインテリアの模様を変幻灯で錯覚的に変形させることによって、そこに液体が流れているように見せたり、熱気を演出したりすることができます。
(3)芸術・エンターテインメント分野への応用
例えば、キャラクタのイラストに変幻灯を適用することで、キャラクタに動きを与え、愛らしさや驚きを付け加えることができます。さらには、止まった対象に動きを与えることには長けている変幻灯と、対象の色や肌理の見え方を変えることを得意とする従来のプロジェクションマッピング技術との融合を融合させることで、より豊かな映像表現が可能になります。
<変幻灯によって実現できる世界>
変幻灯は、写真、絵画、壁紙などの静止対象にリアルな動きを与えることができます。その視覚体験は、これまで人間が経験したことのない新奇なものです。止まっていると思っていた絵画や写真が、変幻灯に照らされることで突然ゆれたり、しゃべったりします。
以下のURLにて、本技術を撮影した動画をご覧頂けます。※リンク先は外部サイトとなります。
【動画】https://www.youtube.com/watch?v=wIHzWJm5398
*具体的な事例などリリース詳細は添付の関連資料を参照