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リース事業協会、「リース会計に関する調査結果報告」を公表
「リース会計に関する調査結果報告」の公表 及び
「リース会計に関する論点の整理」に対するコメントの提出
本日、社団法人リース事業協会(会長 小幡尚孝、三菱UFJ リース株式会社代表取締役会長)は、リース会計に関する調査結果について公表するとともに、ASBJ(企業会計基準委員会)に対し、「リース会計に関する論点の整理(2010年12月27日公表)」に関するコメントを提出しましたので、お知らせします。
≪リース会計を巡る動向≫
1.IFRS 新リース会計基準(公開草案)について
IASB(国際会計基準審議会)とFASB(米国財務会計基準審議会)は、2010年8月17日、新しいリース会計(以下「IFRS 新リース会計基準」といいます。)に関する公開草案を公表しました。
IFRS 新リース会計基準(公開草案)の内容は非常に複雑で、算定が困難な見積もりを多く含み、極めて煩雑な処理を強いるものとなっています。この公開草案に対するコメントは昨年12月15日に締め切られ、当協会も、こうした問題点を指摘し改善を要求する意見書を提出しました。これまでの間、リース関連業界だけでなく、各国の経済団体や監査法人等、様々な立場から800通近くの意見が寄せられ、公開草案の提案に関する懸念事項や、修正の要請等について多くの指摘がされています。
両審議会は、2011年6月に基準化するとのスケジュールで検討を進めているところですが、世界中から多くの反対意見が寄せられている中、現在行われている会議においても、問題を含む各論点につき、それらの反対意見を取り入れる形で修正の暫定決定が行われており、基準化に向けて紆余曲折は避けられないものと思われます。
こうした状況の中、当協会はIFRS 新リース会計基準(公開草案)の提案する会計処理の問題点等について、リースを利用されている企業の皆様のご意見を幅広く確認するために、「リース会計に関する調査」を実施することとし、今般、その結果をとり纏めました(資料1「リース会計に関する調査結果報告」)。
2.「リース会計に関する論点の整理」(論点整理)について
ASBJ(企業会計基準委員会)は、IFRS 新リース会計基準(公開草案)の公表を受け、今後、IFRS 新リース会計基準(公開草案)とわが国リース会計基準のコンバージェンスを検討するとして、広く関係者の意見を募るべく、2010年12月27日、「リース会計に関する論点の整理」(論点整理)を公表しました。
当協会は、ASBJに対して、IFRS 新リース会計基準(公開草案)は多くの問題が指摘され、内容自体が変更される可能性がある中、これを基礎とする論点整理を行えば大きな混乱を招くこと、および論点整理を公表することで、国内の関係者に対して短期間に二度の改正が実現する可能性が高いと受け止められる懸念があることを理由に、この時期に論点整理を公表することは適切でないことを、繰り返し強く主張してきました。
このような状況の中、ASBJが論点整理を公表したことに対して、当協会としては強い遺憾の思いがあります。
IFRS 新リース会計基準(公開草案)を実務に則した分かりやすい会計基準に修正していくことこそ、一義的に行うべきことであり、現状のIFRS 新リース会計基準(公開草案)をそのまま受ける形で、わが国リース会計に関する論点整理をすることは、今後国内で議論を進めて行くにあたっても、大きな禍根を残すことになると考え、今般の「リース会計に関する調査結果報告」も踏まえ、ASBJ 論点整理に対する意見をとり纏め提出しました(資料2「リース会計に関する論点の整理」に対するコメント)。
※「リース会計に関する調査概要」など詳細は、添付の関連資料を参照