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テルモ、輸血関連事業分野の大手CaridianBCT社を2625百万米ドルで買収
CaridianBCT社(米国)の買収について
テルモ株式会社(以下、テルモ/本社:東京都渋谷区、社長:新宅 祐太郎)は、本日、輸血関連事業分野の世界的大手企業であるCaridianBCT Holding Corp.(本社:米国コロラド州、以下、CaridianBCT)の100%の株式を取得(以下、本件買収)するための株式購入契約を締結いたしましたので、以下の通りお知らせいたします。
記
1.本件買収の背景
テルモは1960年代に輸血関連事業に参入して以来、血液バッグを中心に国内ばかりでなく海外市場にまで事業を拡大し、今ではグローバルで業界第5位の地位を獲得するに至っています。これまで比較的緩やかに成長してきたこの業界は、現在、グローバルに力強い成長が期待される有望事業分野に変貌しつつあります。先進国では高齢化に伴うがん患者の増加、新興国では経済発展による医療水準の向上が、世界的な輸血需要の増加を促進する要因となっています。
こうした中で、テルモは世界で存在感のある企業を目指し、「10年以内に売上高1兆円」の実現に向けた重点成長戦略のひとつとして、輸血関連事業の拡大を掲げています。現在、海外市場で展開を進めている血液自動製剤システムはこうした戦略的な取り組みの一環ですが、更なる事業拡大を狙って様々な検討を進めてまいりました。
CaridianBCTは、採血から治療システムに至る幅広い領域での高い技術力とグローバルな販売網を生かして、安定的に成長し続けてきた実績があり、今後とも高成長が期待される企業です。
テルモは、本件買収により売上高1兆円へ向けた成長戦略を大きく前進させることが可能となります。
2.本件買収の意義
(1)世界でトップの地位を確立
本件買収により、輸血関連事業分野におけるテルモの連結売上高は約700億円となり、業界ナンバーワンの地位を獲得する見込みです。また、従来のテルモ輸血関連製品にCaridianBCTの持つ高付加価値の成分採血システムなどが加わり、世界中の広範な輸血需要に対応できるようになります。さらに、地域的には米国・欧州・中南米での事業基盤が一層強化されます。
(2)持続的な高成長事業の獲得
CaridianBCTは、2000年以降、年平均成長率12%を達成し、今後とも持続的に高い成長が期待される企業であります。特に、主力事業である成分採血システムによる血小板採取の技術は、世界で高い評価を得ております。血小板は、主に抗がん剤投与や放射線照射などのがん治療によって起こる血小板減少の際に輸血されます。今後先進国を中心とした高齢化などを背景にがん患者の増加が予測されることから、血小板需要の拡大が見込まれています。また、CaridianBCTは伝統的にイノベーション重視の企業で、自動製剤システムや病原体低減システムのような新しい課題に対応した医療技術を有しており、中長期的な成長が期待できます。
(3)グローバル成長エンジンの新たな柱
本件買収により、輸血関連事業の売上構成比は現在の8%から18%になり、テルモの成長を支える新たな柱として存在感を増すことになります。テルモが10年以内に売上高1兆円を達成するためには、グローバルに2桁成長を狙える事業を拡大していくことが不可欠です。1990年代以降の成長を牽引してきた心臓血管事業に加えて、2桁成長を見込める新たなグローバル成長エンジンが誕生することになります。
※「本件買収の概要」など詳細は、添付の関連資料を参照