イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

エーザイ、抗がん剤「レンバチニブ」が腎細胞がんを対象とする試験において主要評価項目を達成

2015-02-04

抗がん剤「レンバチニブ」が腎細胞がんを対象とする臨床第II相試験において主要評価項目を達成


 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、自社創製の新規抗がん剤「レンバチニブメシル酸塩(一般名、以下 レンバチニブ)」が、切除不能または転移性腎細胞がんを対象とした臨床第I/II相試験(205試験)の第II相パートにおいて、主要評価項目を達成したことをお知らせします。

 第II相試験は、VEGFおよびその受容体を標的とする薬物による治療歴を有する切除不能または転移性腎細胞がんの患者様を対象とした、レンバチニブ/抗がん剤エベロリムス併用投与、レンバチニブ単剤投与、エベロリムス単剤投与の3群の有効性と安全性を比較する、多施設共同、無作為化、非盲検試験です。153人の患者様が、レンバチニブ(18mg)とエベロリムス(5mg)の併用投与群(以下、併用投与群)、レンバチニブ単剤(24mg)投与群、エベロリムス単剤(10mg)投与群の3群に1:1:1の割合で無作為に割り付けられました。

 本試験の速報結果では、併用投与群およびレンバチニブ単剤投与群は、エベロリムス単剤投与群に比較して主要評価項目である無増悪生存期間(progression free survival:PFS)を延長し、特に併用投与群は、エベロリムス単剤投与群に比較して統計学的に顕著な有意差をもってPFSを延長しました。本試験において確認された主な有害事象(関連あり)は、併用投与群では、下痢、食欲減退、疲労、悪心、高血圧であり、レンバチニブ単剤投与群では、下痢、悪心、食欲減退、高血圧、疲労、嘔吐でした。なお、詳細な試験結果は、今後、学会にて発表する予定です。

 腎細胞がんは、腎臓における最も発生頻度の高いがんです。手術が難しい進行性や転移性の腎細胞がんでは、分子標的薬による治療が標準ですが、5年生存率が低く、依然としてアンメット・メディカル・ニーズの高い疾病です。今回の試験結果は、根治切除不能または転移性腎細胞がんの二次治療として全米総合がん情報ネットワーク(The National Comprehensive Cancer Network:NCCN)の診療ガイドラインで推奨されている薬剤のひとつであるエベロリムス単剤に対して、レンバチニブ/エベロリムス併用の優位性を示唆するものです。なお、現在、世界の主要国で、根治切除不能または転移性腎細胞がんの二次治療の適応で承認されている併用療法はありません。当社は、本試験結果を審査当局と共有し、今後の開発計画を協議する予定です。

 レンバチニブは、血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFRなどに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的治療薬です。特に、VEGFR2とのX線結晶構造解析から新たな結合様式(タイプV)を有することが確認された初めての薬剤であり、速度論的解析からは、素早く強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されています(1)。

 現在、レンバチニブは、甲状腺がんに係る適応で、日本、米国、欧州をはじめ世界各国で順次承認申請を行っています。また、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第III相試験やそれ以外のがん腫を対象にした複数の臨床第II相試験が進行中です。

 当社は、レンバチニブによるがん治療の可能性を引き続き追求し、がん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。


以上


■参考資料

 ※添付の関連資料を参照




Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版