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富士経済、エネルギーソリューションの国内市場を調査結果を発表
BAS、BEMS、FEMS、ESP
エネルギーソリューションの国内市場を調査
―2020年度予測(2013年度比)―
●BEMS 165億円(7.1%増)―BEMSの低価格化&多拠点管理ニーズの顕在化で伸長
●ESP 2,545億円(47.4%増)―首都圏を中心に市場が拡大
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、エネルギーソリューションの国内市場の動向について調査した。
その結果を「電力・ガス・エネルギーサービス市場戦略総調査2015 エネルギーソリューション編」にまとめた。
この報告書では、BAS、BEMS、FEMS、ESP(エネルギーサービスプロバイダ)などのエネルギーソリューション市場を整理・分析して市場の全貌を把握し、デマンドレスポンス(DR)などの新たなエネルギーサービスの実用性や実現可能性を展望した。加えて、主要事業者を対象として各社の事業戦略やシステムサービスの動向を明らかにした。
今後のEMS市場はシステムやサービスの単独提案から、多様な需要家ニーズに対応するトータルソリューションへと変化するとみられる。また、ESP市場の拡大が予想される。
※BAS、BEMS、FEMSの市場はエンジニアリング費を除くシステム費を算出した。
<調査結果の概要>
●BAS(ビルディングオートメーションシステム)
2014年度見込:445億円
2013年度比:101.4%
2020年度予測:467億円
2013年度比:106.4%
建物内の受変電設備/防災設備/熱源設備/空調設備/電気設備/衛生設備/給配水設備/セキュリティ設備などに関して、運転状況の監視や制御、エネルギー使用量の計測や管理などを統合的に行うシステムである。ローカル型とクラウド型に分けられる。
2014年度の市場は、2013年度比1.4%増の445億円が見込まれる。ローカルサーバで構築し建物内で完結するローカル型が市場の大半を占める。バブル期に建設された施設のシステム更新や建替え需要が追い風となり、2013年度から2014年度にかけては官公庁や自治体、自衛隊など公共施設の更新案件が増加している。また、中小規模ビル向けで、エレベータやファシリティ設備監視のネットワークを活用した、外部サーバを利用するクラウド型も2013年度比58.8%増と伸長している。
2020年の東京五輪に向けた地域の再開発事業、駅や空港などのインフラ関係、宿泊レジャー施設などの建築需要が拡大するものの、建材価格や人工代の上昇により定期的に実施されるリプレース需要が先送りとなると想定される。そのため、大幅な拡大には至らず2020年度の市場は2013年度比6.4%増の467億円が予測される。
●BEMS(ビルディングエネルギーマネジメントシステム)
2014年度見込:138億円
2013年度比:89.6%
2020年度予測:165億円
2013年度比:107.1%
建物に設置された設備・機器の運転データ/エネルギー使用量データを蓄積・解析することでエネルギー消費量削減を図るビルや店舗向けのシステムである。自動制御型と手動制御型に分けられる。
東日本大震災を契機にデマンドコントローラを中心に市場は拡大し、2012年度はBEMSアグリゲータ事業により自動制御型の需要が増加した。2013年度は2012年度比18.5%増の154億円となった。6割が手動制御型である。多店舗チェーンなどの物販小売店や飲食店、中小規模事務所ビルなどをターゲットとしたBEMSアグリゲータが多かったことから、システムのイニシャルコストの低価格化が進んだ。
2014年度はBEMSアグリゲータ事業の終了に伴い2013年度比10.4%減の138億円が見込まれるものの、中長期的には拡大が予測される。2016年以降の電力自由化を契機に、ESPが提供する総合エネルギーサービスにおいて高効率空調とのセット導入による最適運用サービスの提供や、2018年以降DRサービスやダイナミックプライシングなどにおける新たな付加価値の創出による導入件数の増加も期待される。2020年度の市場は2013年度比7.1%増の165億円が予測される。
●FEMS(ファクトリーエネルギーマネジメントシステム)
2014年度見込:31億円
2013年度比:103.3%
2020年度予測:39億円
2013年度比:130.0%
FEMSは、工場内の生産プロセスで用いられるユーティリティ設備や生産用機械設備(工業炉/クリーンルーム/成形機械など)の運転データ、エネルギー使用量データを蓄積、解析することでエネルギー消費量削減を図るシステムである。
東日本大震災の影響による全国的な電力需給不安や電力使用制限で導入が進んだ。エネルギー価格の上昇に伴い、運用改善による節電対策や、補助事業を活用した照明や空調熱源機器の更新、省エネルギーに関する包括的なサービスを提供するESCO、電力調達先の変更や部分供給の活用などを進める中で主要ラインの見える化ニーズなど底堅い需要がみられる。
大手自動車メーカーや機械メーカーなどでは、「企業全体におけるエネルギーの見える化」から「生産プロセスの改善」「エネルギー調達の多様化」までを実行し、継続的なシステム投資、段階的なコンサルティングとシステム拡張が進んでいる。一方、システムのイニシャルコストの低下により、中小工場向けに簡易システムの提案を行うSIベンダや地場の中小ソフトウェアハウスなども台頭しており、小規模な設備改修や運用改善に合わせた見える化システム構築の需要も増加している。2014年度の市場は、2013年度比3.3%増の31億円が見込まれる。
今後はライン単位の見える化に加え、事業所単位や企業単位でのエネルギーコスト削減とユーティリティ設備の最適運用に対するトータルソリューションが増加するとみられる。2020年度は2013年度比30.0%増の39億円が予測される。
●ESP
2014年度見込:1,908億円
2013年度比:110.5%
2020年度予測:2,545億円
2013年度比:147.4%
ESPは、エネルギー供給設備を最適に運用し、電気、ガス、熱などのエネルギーを総合的に顧客へ供給する事業者である。ESPの負担で顧客の敷地内にエネルギー供給設備を設置、運営管理を行い、顧客はエネルギー使用量に応じたサービス料金を支払う。顧客側ではエネルギー供給設備の運営管理に関わる人件費が不要で、またエネルギーの専門家による設備の省エネや高効率運転が実現できる。2013年度時点では、ESPの8割以上をオンサイトエネルギーサービス事業者が占める。
ESPの事業は、現状排熱を利用して電力と熱を供給するコジェネによるサービスが中心である。東日本大震災以降、BCP目的による自家発電ニーズや、コジェネの普及促進を図る補助金政策を受けて、首都圏を中心に案件が増加している。2014年度の市場は2013年度比10.5%増の1,908億円が予測される。
2015年度以降も拡大が予測されるが、電気や熱の消費量が多い需要家の導入率は高く、需要は一巡したとの見方もある。今後コジェネは更新需要が中心となるため、各ESPはコジェネを軸にPPS+ガスのセット提案など提案領域を広げている。また、従来は自社管内での顧客開拓が中心であったが、エネルギー自由化が各事業者の管外需要開拓への追い風になるとみられ、今後は首都圏を中心に競争が進む。市場の拡大により、2020年度は2013年度比47.4%増の2,545億円が予測される。
<調査対象>
*表資料は添付の関連資料を参照
<調査方法>
富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用
<調査期間>
2014年8月〜11月
以上
資料タイトル:「電力・ガス・エネルギーサービス市場戦略総調査2015 エネルギーソリューション編」
体裁:A4判 238頁
価格:
書籍版 100,000円+税
PDF/データ版 110,000円+税
書籍版・PDF/データ版セット 120,000円+税
調査・編集:
株式会社 富士経済 東京マーケティング本部 第三部
TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
発行所:
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