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大日本印刷、高性能な「静電容量式タッチパネル用電極フィルム」を提供開始

2015-01-27

高性能な静電容量式タッチパネル用電極フィルムの量産を専用ラインで開始
業界最細線の銅メッシュ線幅2μm品の開発も完了

 ※参考画像は添付の関連資料を参照

 大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、高性能な静電容量式タッチパネル用電極フィルムに関して、2014年10月ノートパソコンなど中小型ディスプレー向け製品専用ラインでの量産を開始しました。2015年春にはデジタルサイネージ(電子看板)、電子黒板など需要が拡大している大型製品向けに最大85インチまでの量産に対応した供給体制が完了します。

 また、視認性の点から市場で強い要望のあったメッシュ線幅2μm(マイクロメートル:10のマイナス6乗メートル)の製品の供給体制を業界に先駆けて完了させました。今後も視認性に優れたタッチパネル用電極フィルムを、ディスプレー用途からウェアラブルデバイスなどの新規用途まで、多様な形態で提供していきます。

 ※製品画像は添付の関連資料を参照

【量産開始の背景】
 タッチパネルは、スマートフォンタブレット端末に搭載されるほか、ノートパソコンやモニター、デジタルサイネージ、電子黒板などの用途で大型化が進んでいます。一方、最近ではウェアラブルデバイスのような小型・薄型・軽量、或いはフレキシブル(柔軟)性が求められる新規市場でもタッチパネルの搭載が見込まれています。これまで、タッチパネル用電極フィルムの多くにはITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)が導電材料として使用されており、抵抗値を下げられないことや折り曲げに弱いことが課題となっていました。また、銀やアルミなどの抵抗値の低い金属を導電材料としてメッシュ状に形成した電極フィルムもありますが、金属反射によって視認性が低下することが課題でした。

 DNPはこれらの課題に対して、従来から開発を進めてきた銅メッシュ方式のタッチパネル用電極フィルムにおいて、専用ラインを立ち上げて、今後の用途拡大が見込まれる高性能な静電容量式タッチパネル用電極フィルムの量産を可能としました。


【製品の概要】
 今回量産を開始する製品は、銅を成膜したPETフィルムにエッチング加工を施すことで、メッシュ状のセンサーを形成した、折り曲げ可能な静電容量式タッチパネル用電極フィルムです。11億円を投資し、中小型向け専用ラインを立ち上げて2014年10月より量産を開始し、現在は40インチサイズまで対応しており、2015年春からは85インチの大型サイズまで対応します。シート抵抗は0.02Ω/□(オーム毎スクエア:単位面積あたりの抵抗)以下と非常に低く、良好な操作性を実現します。また、新たに開発した線幅2μmの製品は、従来にはないより高い視認性を確保できます。


【量産製品の特長】
 ・生産コストを低減
  ITOを用いたフィルムセンサーは、外周の取り出し配線部分を金属で形成するため2つの製造プロセスが必要となりますが、銅メッシュ方式では配線部分まで含めた銅による一括形成が可能です。そのため生産性が向上し、ITO方式のセンサーと比べて約60%までコストダウンを実現しました。

 ・多様なフィルムセンサーにも対応
  フィルムセンサーとして一般的なGFFタイプ(カバーガラス+片面ITOフィルム2枚)だけでなく、GF2(カバーガラス+両面ITOフィルム1枚)、GF1(カバーガラス+片面ITOフィルム1枚)などの多様な構成にも対応できます。GF2およびGF1は電極フィルムが1枚となるためタッチパネルの薄型化に貢献できます。また、GF2では形成するX電極、Y電極のパターンをフィルム表裏に高精度で位置合わせできるため、モアレ(光の干渉縞)も発生しません。このX電極、Y電極を片面に形成するGF1タイプは、ITO方式では抵抗値が高いために採用が困難な中型用途にも対応できます。2015年春に量産予定の大型向けラインでは85インチまでのGFFタイプに対応する予定です。

 ・フレキシブルディスプレーやさまざまなニーズに対応
  ITOなどの硬い導電性材料と異なり、割れやキズが発生しにくく折り曲げに強いため、フレキシブル性能が求められるウェアラブルデバイスにも最適です。また、本製品はロール状、シート状、チップ状など、顧客のニーズに合わせて多様な形態で提供することができます。
  DNPが手掛けているカラーフィルターや反射防止フィルム、ガラスなど、各種光学部材と組み合せることで、より高性能な部材として提供できます。

 ・0.02Ω/□以下のシート抵抗で操作性の向上と大画面化を実現
 シート抵抗値は0.02Ω/□以下まで下げることができます。これはITOや他の金属を用いた電極フィルムと比べて極めて低い値のため、ペン入力の際にも応答性が良く操作性に優れるほか、大画面への対応が可能です。また、センサー電極との配線を少なくし、ベゼル(額縁)を狭くできるため、デザイン性の向上にも寄与します。


【線幅2μm製品の特長】
 ・2μmの最細線により、視認性が高く美しい画像表示が可能に
  DNPが長年培ってきたメッシュパターン設計技術、成膜およびエッチング技術により、銅メッシュでは世界で最も細い線幅2μmの電極形成を可能としました。また、銅表面に黒化処理を施すことで、フィルムの光の反射率を4分の1以下に減少させました。タブレット端末など、目と近い距離で使用する機器に組み込んだ際にも電極パターンが気にならない、視覚的にも優れた電極フィルムです。


【今後の展開】
 DNPは、この高性能な静電容量式タッチパネル用電極フィルムをタブレット端末のほか、ノートパソコンなどの中小型ディスプレー、デジタルサイネージ、電子黒板、アミューズメント用などの大型品、さらには市場ニーズの強いウェアラブルデバイスなど多様な用途で販売し、2015年度で60億円の売上を見込んでいます。




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