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富士フイルム、細胞培養に必要な細胞外マトリックス「セルネスト」を研究用試薬として発売

2015-01-07

再生医療のための細胞培養に必要な細胞外マトリックス
「cellnest(セルネスト) ヒトI型コラーゲン様リコンビナントペプチド」
〜動物由来成分を含まず、高い安全性・生体適合性と優れた細胞接着性を実現〜
新発売


 富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)は、再生医療のための細胞培養に必要な細胞外マトリックス(*1)「cellnest(セルネスト)ヒトI型コラーゲン(*2)様リコンビナントペプチド(*3)」(以下、「セルネスト」)を、研究用試薬として12月25日より発売いたします。「セルネスト」は、動物由来成分を含まず、高い安全性・生体適合性と優れた細胞接着性を実現しています。

 再生医療は、人工的に培養した細胞や組織などを、損傷した臓器や組織に移植して、それらを再生し、機能を回復させる新しい医療技術です。再生医療のための細胞培養においては、臓器や組織を作るための「細胞」、細胞増殖や分化を誘導する「細胞間シグナル伝達物質(サイトカイン)」、細胞生育・増殖のための足場となる「細胞外マトリックス」の3つが必要不可欠です。
 高品質な細胞を安定的に培養するためには、細胞外マトリックスがキーファクターとなります。しかし、現在使用されている細胞外マトリックスには、ウシなどの動物由来成分のものが多く狂牛病などの感染症のリスクがあることや、動物の個体差によって品質が安定しないことなどといった問題がありました。

 今回発売する「セルネスト」は、長年の写真フィルムの研究で培ってきたコラーゲン技術により開発した細胞外マトリックスで、ヒト型コラーゲンをモデルとして遺伝子工学技術を用いて作製した人工タンパク質です。
 「セルネスト」は、動物由来成分を含まないため高い安全性を確保。さらに生産ロット間のバラつきがない安定した品質を達成しています。
 また、細胞増殖を促す受容体(*4)であるインテグリン(*5)との接着性が高いRGD(アルギニングリシンアスパラギン酸)配列(*6)を多く含んでいるため、細胞接着性に優れています。さらに、酵素で分解されやすい構造で、高い生体吸収性を実現しています。このほか、産生されたタンパク質は全て均一な分子サイズのため、さまざまな形状に加工できます。
 今回、研究用途向けに、すぐにご使用いただける溶液と、使用の際に溶液の濃度調整が可能な凍結乾燥体の2種類をラインアップしました。
 今後富士フイルムは、細胞培養に最適な性能を持つ「セルネスト」を、再生医療の基盤材料として研究機関や企業などに販売していきます。

 富士フイルムは、長年の写真フィルムの研究で培ってきた高機能素材技術やエンジニアリング技術を駆使して、再生医療に必要な細胞外マトリックスの研究開発を加速させます。また、グループ会社化となる株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの研究・開発・生産・販売などの多面にわたる技術力やノウハウを融合していくことで、再生医療関連製品の開発・販売を進め、再生医療の産業化に貢献していきます。

 *1 細胞の外側にあるコラーゲンなどのタンパク質。細胞と細胞の間を満たし、生体組織を支持するだけでなく、細胞の増殖、分化などの調整にも重要な役割を果たしている。
 *2 コラーゲンは動物の結合組織を構成する主要タンパク質。型コラーゲンは骨や皮膚などに存在し、ヒトの全コラーゲンの95%を占める。
 *3 遺伝子工学技術を用いて酵母細胞に産生させた人工タンパク質
 *4 細胞膜上や細胞内に存在し、体内や体外からの刺激を受け取り、細胞内に変化を生じさせる器官。
 *5 細胞外にあるコラーゲンやRGD配列に対する受容体。細胞の表面に存在し、細胞増殖を促す。
 *6 アルギニン(R)、グリシン(G)、アスパラギン酸(D)はそれぞれ、タンパク質を構成するアミノ酸の一種。RGDの配列を形成することで、細胞表面のインテグリンと結合し、細胞接着活性を示す。

     記

 1.製品名:
   「cellnest ヒトI型コラーゲン様リコンビナントペプチド」

 2.発売日:
   平成26年12月25日

 3.希望小売価格:
   0.1%溶液 20ml 10,000円(税別)
   凍結乾燥体 100mg 40,000円(税別)

 ※製品画像は添付の関連資料「製品画像1・2」を参照

 4.主な特長:
  「セルネスト」は、細胞生育・増殖のための足場となる細胞外マトリックスです。以下の特長を持ち、高品質な細胞を安定的に培養するために最適な性能を有しています。
  1.高い細胞接着性
   細胞表面に存在し、細胞増殖を促す受容体であるインテグリンとの接着性に優れるRGD配列のアミノ酸を多く含んでいるため、高い細胞接着性を実現しています。

  2.高い安全性・生体適合性、品質安定性
   ヒトI型コラーゲンα1鎖をモデルとした遺伝子工学技術を用いて作製した人工タンパク質です。動物由来成分を含まず、高い安全性・生体適合性を実現しています。また、安定した品質を達成しています。

  3.高い生体吸収性
   酵素で分解されやすい構造で、高い生体吸収性を実現しています。

  4.高い加工性
   産生されたタンパク質が極めて均一なサイズをしているため、取り扱いが容易で、さまざまな形状への加工が可能です。


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