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日立化成、ディスプレーの薄型化と高精細化に対応する異方導電フィルムを開発

2014-12-19

ディスプレイの薄型化と高精細化に対応する新たな異方導電フィルムを開発
−紫外線照射型と粒子超分散配置型の2タイプを2015年1月より順次販売開始−


 日立化成株式会社(本社:東京、執行役社長:田中 一行、以下、日立化成)は、このたび、フラット・パネル・ディスプレイ(以下、FPD)のさらなる薄型化と高精細化に対応する新たな回路接続用異方導電フィルム(以下、ACF)として、「紫外線照射型異方導電フィルム(以下、UVB−ACF)」と「粒子超分散配置型異方導電フィルム(以下、PAL−ACF)」を開発しました。スーパーハイビジョン(8K4K)などの次世代FPDへの対応が期待されます。
 UVB−ACF(UV−Boost Anisotropic Conductive Film)は、紫外線(以下、UV)照射により、90℃/5秒(従来比44%低温)という世界最高レベル(2014年11月末現在 自社調べ)の低温短時間接続が特長で、FPDガラス基板のさらなる薄型化に対応します。
 PAL−ACF(Particle−Aligned Anisotropic Conductive Film)は、電極の最小接続回路面積:400μm2、最小隣接回路間距離:5μm(従来比50%面積縮小、29%距離縮小)という世界最高レベル(2014年11月末現在 自社調べ)の微細な回路接続が可能な点が特長で、FPDのさらなる高精細化に対応します。
 UVB−ACFは2015年1月より、PAL−ACFは2015年4月より順次販売開始します。

 ACF(製品名:「ANISOLM」)は、FPDのドライバICチップ、フレキシブル配線基板等の回路接続に使用される製品で、熱硬化性樹脂の接着剤に導電粒子を分散した接着フィルムです。基板回路とICチップの電極間にACFを挟み、加熱・加圧して実装することによって、上下の電極間に粒子が捉えられ、導電性を確保しながら、隣接する電極同士の絶縁性を両立し(異方導電性)、多数の微細電極を一括して接続することを可能にした画期的な製品です。日立化成は1984年に世界に先駆けてACFを開発・上市し、現在は世界トップシェアを有しています。また、「全国発明表彰特別賞(内閣総理大臣発明賞)(2003年)」をはじめとする数々の賞を受賞するなど、高い評価も受けています。

 現在ではスマートフォン、タブレットPC等のモバイルデバイスにFPDが搭載されていますが、さらなる携帯性とデザイン性向上のため、FPDの薄型化が求められています。また、モバイルデバイスのみならず8K4K、4K2Kテレビなどの登場で、より美しい映像を表現するための高精細化(ファインピッチ化)も要求されています。特にモバイルデバイスにおいては、ドライバICチップとFPDガラス基板の薄型化、回路のファインピッチ化が同時に進んでおり、これらに使われるChip On Glass(以下COG)用ACFには、パネルの歪みを防止するとともに、高精細接続を可能とする技術的対応が求められていました。

 日立化成では2012年より、基盤技術である機能性樹脂・硬化剤設計技術と、粒子分散プロセス技術を応用した新型ACFの開発に着手し、このたび2種類の新製品開発に成功しました。開発した製品の概要は以下の通りです。


1.ガラス基板の薄型化に対応するUVB−ACF(UV照射型異方導電フィルム)
 基板が薄型化すると、ドライバICチップとFPDガラス基板との間で温度差が発生しやすくなり、従来のACFで実装に必要な加熱温度では、FPDガラス基板に反り(歪み)を発生させてしまい、FPDの色調を不均一にしていました。
 そこで日立化成は、UV照射によって硬化剤の熱硬化性が高活性化することに着目し、超低温での熱硬化性が発現できる接着剤と、UV照射・加圧・加熱を併用する実装システムを開発しました。UVB−ACFはCOG用に90℃/5秒(従来は160℃/5秒)という世界最高レベルの低温実装が可能になることから、FPDガラス基板の反りが従来比で50%低減でき、基板のさらなる薄型化に貢献できます。

◆製品外観(UV保護の防湿袋を採用)

 ※添付の関連資料「製品外観」を参照

◆性能(FPDガラス基板の反り低減効果)

 ※添付の関連資料「グラフ資料」を参照


2.高精細化に対応するPAL−ACF(粒子超分散配置型異方導電フィルム)
 高精細化、いわゆる回路のファインピッチ化に対しては、隣接する回路間の幅がこれまで以上に狭く、従来のACFでは回路間の横方向の絶縁性確保に限界がありました。また、対向する回路面積も微小になっており、回路間の上下方向に捕捉される粒子数にもばらつきが発生しており、接続信頼性の低下が問題となっていました。
 そこで、流動性を制御した接着剤中に導電粒子を均等・均一に分散配置させ、粒子密度も従来比54%低減(*)したCOG用新型ACFを開発しました。実装後も分散配置した粒子が動きにくく、対向する回路間に効率的に粒子を捕捉させることができることから、接続の信頼性と隣接する回路間の絶縁性を両立できます。(最小接続回路面積:400μm2、最小隣接回路間距離:5μmでの実装可能)。なお、PAL−ACFは、従来ACF用の設備で使用できます。
 (*)粒子密度:垂直方向から光を照射し投影される、単位面積当たりの粒子の数

◆製品構造比較

 ※添付の関連資料「参考資料」を参照

 UVB−ACF、PAL−ACFは、日立化成独自の技術・製法を用いることで、コスト面において従来品と同等価格での提供が可能です。今後は、開発した超低温接続技術と超高精細接続技術を融合した新たなACFを2015年度中に開発・上市する計画です。

 日立化成は今後も高度な技術と新製品の開発を通じて、FPDのさらなる発展に貢献してまいります。


以上



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