IDC　Japan、２０１４年第３四半期　国内サーバー市場動向を発表

２０１４年第３四半期　国内サーバー市場動向を発表


　・２０１４年第３四半期の市場規模は、前年同期比１１．８％減の１，１６２億円
　・出荷額でNECが首位に。スーパーコンピューターの出荷が寄与
　・ODM　Directの出荷台数がx８６サーバー全体の１割に

　IT専門調査会社　IDC　Japan　株式会社（所在地：東京都千代田区九段北１‐１３‐５、代表取締役：竹内正人、Tel代表：０３−３５５６−４７６０）は、２０１４年第３四半期（７月〜９月）の国内サーバー市場動向を発表しました。これによると、２０１４年第３四半期の国内サーバー市場規模は１，１６２億円で、前年同期にあたる２０１３年第３四半期から１１．８％減少しました。一方、出荷台数は、１４万９，０００台で前年同期から４．８％の減少でした。

　製品別では、x８６サーバーの出荷額は前年同期比で２．１％増加し、出荷台数は同４．５％減少しました。出荷額の増加は、平均単価が上昇しているためです。円安による部材コストの上昇を販売価格へ転嫁したことに加え、仮想化の導入によるメモリーなどオプション類の増加が要因であるとみています。一方、メインフレームとビジネスサーバーの出荷額は、前年同期から５０％を超す減少となりました。メインフレームは、大型の更新案件が２０１２年〜２０１３年にかけて集中したため、２０１４年は更新需要の谷間にあるとみています。また、RISC＆IA６４サーバー（UNIXサーバー）は、１１四半期連続してマイナス成長でした。スーパーコンピューターは、大学向けに大型案件がありました。

　ベンダー別出荷額では、NECが前期に続き首位でした（参考資料）。スーパーコンピューターの新機種である「SX−ACE」の大型案件に加え、x８６サーバーもプラス成長を確保しました。一方、メインフレームとIA６４サーバーは大幅なマイナス成長でした。２位は、富士通でした。今期は、x８６サーバーの出荷額が前年同期から２桁のプラス成長であったものの、メインフレーム、ビジネスサーバー、RISCサーバーが２桁のマイナス成長でした。３位はHPでした。x８６サーバーとIA６４サーバーの出荷額が２桁のプラス成長となりました。４位は日立製作所でした。HPC専用機が出荷されたRISCサーバーを除いてマイナス成長でした。５位はIBMでした。すべての製品分野でマイナス成長でした。６位のデルは情報サービス向けの大口出荷はあったものの、マイナス成長でした。

　x８６サーバー市場は、出荷額が８４７億円、出荷台数が１４万７，０００台でした。今期は、１，０００台規模の大口案件が数件あったほかは、案件の規模が小さく、出荷台数はマイナス成長となりました。一方、ユーザー企業が直接ODMメーカーからサーバーを調達するODM　Directの出荷台数は、前年同期比で８０．２％増加し、x８６サーバーの出荷台数の１０％を占めるまでになりました。２０１４年は、複数のサービスプロバイダーがクラウドサービスの新規立ち上げや増強を行う発表を行っており、ODM　Directの増加はこの動きを反映しているものとみています。

　IDC　Japanサーバー　リサーチマネージャーの林　一彦は「今期の国内サーバー市場においては、x８６サーバーの出荷額はプラス成長を確保したものの、その出荷台数は２期連続してマイナス成長であった。一方、ODM　Directは、大幅に出荷台数を増やすなどの動きがあった。今後ユーザー企業におけるIT投資が、クラウドサービスへシフトしていく中で、ベンダーは、各業種に特化したワークロードの最適化やオンプレミスでサーバーを利用するユーザーニーズをくみ上げていくことがますます重要になってくるだろう」と述べています。

　今回の発表はIDCが発行する「国内サーバー市場　２０１４年第３四半期の分析」（J１４２３０３０４）にその詳細が報告されます。本データは、２０００年以降の国内サーバー市場の出荷実績を、製品分野別、ベンダー別、価格帯別、オペレーティングシステム別、ソケットケイパビリティ別など、多種のセグメントで提供しています。

【詳細についてはIDC　Japanへお問い合わせください】

　※参考資料は添付の関連資料を参照

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