富士経済、１４分野１３０の外食市場を多角的に分析した調査結果を発表

１４分野１３０の外食市場を多角的に分析
２０１０年の外食市場は前年比０．６％減の３２兆３，５４２億円の見込



　総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済（東京都中央区日本橋小伝馬町　社長　阿部　界）は、４月〜７月にかけて調査した１４分野１３０の外食市場の調査結果から日本の外食市場全体を分析した。その結果を報告書「外食産業マーケティング便覧　２０１０（総括編）」にまとめた。

　この調査では１４分野１３０の外食市場の調査結果を多角的に分析するとともに外食市場全体を俯瞰した。併せて景気低迷下でも成長を続ける好調な企業の事例研究を行った。また、外食産業エリアマップとして、エリア別の外食市場規模、エリア別企業シェア、エリア別業態構成比などについても検証した。この報告書で捉えた外食市場は、料理品小売業も対象とし、また、宿泊宴会場、レジャー施設、交通機関などの対象範囲も広く捉え、広義の外食市場となっている。


＜調査結果の概要＞
　●２０１０年（見込）／２００９年　市場成長率トップ１０

　　順位　　業態名　　　　　　　　　　　　　　　　成長率
　　１　　　　均一価格型居酒屋　　　　　　　　 ４９．６％
　　２　　　　クイックパスタ店　　　　　　　　　　 ３６．７％
　　３　　　　たい焼き専門店　　　　　　　　　　 ２１．５％
　　４　　　　とんかつ・かつ丼店　　　　　　　　 １７．９％
　　５　　　　サンドイッチ店　　　　　　　　　　　 １６．５％
　　６　　　　立ち食い・セルフ式そばうどん店　１４．１％
　　７　　　　有料老人ホーム給食　　　　　　　 １４．０％
　　８　　　　宅配釜飯　　　　　　　　　　　　　　 １０．８％
　　９　　　　ホルモン料理店　　　　　　　　　　　 ９．５％
　　１０　　　ギョーザ店　　　　　　　　　　　　　　 ９．２％

　　※表形式の「順位／業態名／成長率」は、添付の関連資料を参照

　　１３０市場のうち市場規模が２００９年より増加すると見込まれるのは、全体の４割にも満たない５０市場である。売上高成長率トップは、４９．６％が見込まれる均一価格型居酒屋である。この市場は２ケタ成長を続けており、２０１０年も鳥貴族をはじめとする上位企業が店舗数を拡大させており、高成長が見込まれる。２位は、３６．７％でクイックパスタ店となっている。２０１０年は、「スバーロ」が店舗数を拡大しているほか、「パスタフローラ」が店舗展開を加速していることから大きく拡大する見通しである。３位は２１．５％のたい焼き専門店である。２００９年の"たい焼きブーム"により出店数が急激に増加しており、２０１０年も大手チェーンを中心に新規出店が積極的に行われている。

　●外食市場全体
　　２００９年　　　　３２兆５，６０２億円
　　前年比　　　　　９８．２％

　　２０１０年見込　３２兆３，５４２億円
　　前年比　　　　　９９．４％

　　※表形式の「２００９年／前年比／２０１０年見込／前年比」は、添付の関連資料を参照

　　２００９年の外食市場規模は、景気低迷の影響を受け前年比１．８％減の３２兆５，６０２億円となった。全１４分野のうち市場が拡大したのはファストフードのみで、他の１３の分野はすべて減少した。２０１０年は前年比０．６％減の３２兆３，５４２億円と引き続き縮小する見込みである。市場が拡大するのは、ファストフードとテイクアウト、給食の３分野であるが、テイクアウト、給食については僅かに前年を上回るに過ぎない。テイクアウトは不況を要因とした低価格なテイクアウト弁当などの増加によるもの、給食は高齢者福祉施設などの増加によるもので、いずれも全般的には伸び悩んでいる。
　　２０１０年も消費者の節約志向は続き、料飲店や専門料理店など高客単価の店は軒並み打撃を受け、業種を問わず多くのチェーンで客単価が下落する傾向が見られる。このような環境のなかで、客単価を低く抑え消費者のニーズを取り込んでいるチェーンや、食べ放題スタイルの導入で顧客の支持を獲得し高成長しているチェーンも出てきている。
　　２００９年に前年比３．３％増と唯一プラスになったファストフードを見ると、ギョーザ店が同１６．７％増と最も伸び率が高かった。消費者の生活防衛意識が強まる中で、「餃子の王将」が手作りの日常食を値頃感のある価格で提供する点が支持され大きく成長したほか、上位企業の多くが店舗数を増やしたことが主な要因である。また、立ち食い・セルフ式そばうどん店も、同１６．４％増と大きく成長した。「丸亀製麺」（トリドール）が１２０店以上の大量出店をしたことが大きな要因である。ファストフードは２０１０年も拡大する見込である。



※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照