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富士フイルム、米英のバイオ医薬品受託製造2社の発行済全株式を取得

2011-03-03

富士フイルム バイオ医薬品分野に参入し医薬品事業を拡大
バイオ医薬品受託製造のリーディングカンパニー2社の全株式を
米国メルク社から取得



 富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、このたび、米国Merck&Co.,Inc.(本社:米国 ニュージャージー州、社長:Kenneth C.Frazier、以下メルク社)の100%子会社で、バイオ医薬品の受託製造会社(Contract Manufacturing Organization、CMO)であるMSD Biologics (UK) Limited社(本社:英国ビリンガム、以下MSDバイオロジクス社)、およびDiosynth RTP Inc.社(本社:米国ノースカロライナ州、以下ダイオシンス社)の発行済全株式を取得することを決定し、平成23年2月25日、株式譲渡契約を締結いたしました。富士フイルムは、MSDバイオロジクス社とダイオシンス社の二社を100%子会社として新たにスタートさせます。

 がんやリウマチなど、未だに有効な治療方法が確立されていないアンメット・メディカル・ニーズが高い一部の疾患領域では、有効な治療薬として、バイオ医薬品に期待が高まっています。バイオ医薬品は、化学合成では達成できない薬理作用がある複雑な構造を持ったタンパク質などの生体分子(※1)を活用した医薬品です。副作用が非常に少なく、高い効能が期待できることから、医薬品市場におけるバイオ医薬品の割合は今後ますます拡大すると予想されます。
 一方、バイオ医薬品の製造には、タンパク質などの培養・抽出・精製といった高度な技術やノウハウが必要で、生産コストが高く、安定性・抗原性の確認も難しいといった課題が挙げられています。

 MSDバイオロジクス社とダイオシンス社は、バイオ医薬品の開発・製造に必要なタンパク質を、効率的に細胞や微生物を使って発現させる高度なバイオテクノロジーや、培養から抽出、精製にいたるプロセスの管理ノウハウ、経験豊かな人材、製造設備を持つバイオ医薬品受託製造のリーディングカンパニーです。これまで、メルク社は両社を生産プロセスの開発から製造までを行う「Merck Biomanufacturing Network」として一体運営してきました。今回、富士フイルムがこれらの二社を買収するのは、メルク社が、シェリング・プラウ社との合併を機にバイオ医薬品の受託製造事業を見直し、生産設備を最適化することに伴うものです。
 バイオ医薬品の受託製造市場は年率15%以上の成長が見込まれており、生産能力の確保がきわめて重要な課題です。富士フイルムは、これらの二社を買収することで、今後市場が拡大するバイオ医薬品事業に本格的に参入し、受託製造事業を強力に展開します。長年、写真フィルム事業で培った生産や品質管理、そしてコラーゲンなどの高分子材料に関する知見を両社の今後の事業運営に活かしていきます。

 富士フイルムは、メディカル・ライフサイエンス事業を重要な成長分野と位置付け、設備投資や研究開発を大幅に強化、積極的なM&A展開による事業の拡大を進めています。その一環として、「医薬品・ヘルスケア研究所」や、開発から製造・販売までを担う「富士フイルムファーマ」を設立しました。また、抗感染症などの領域を中心とした医薬品に取り組む「富山化学工業」や、放射性医薬品などに取り組む「富士フイルムRI ファーマ」、独自の抗体開発技術を持つ「ペルセウスプロテオミクス」などの富士フイルムグループの医薬品関連企業と、細胞再生医療材料事業を展開する「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」等と連携し、独自技術を活かした医薬品、再生医療材料の研究・開発を推進しています。
 富士フイルムグループは今後も、先進独自の技術で、人々のクォリティ オブ ライフのさらなる向上に努めます。

 ※1 生体分子:生物の生命活動に係わっている分子レベルの物質。代表的なものにタンパク質、ペプチド、核酸などがある。
          医薬品としては、例えば成長ホルモンやインスリン、抗体などタンパク質が主に使われている。


<MSD バイオロジクス社およびダイオシンス社の事業概要>
 MSDバイオロジクス社
  ・会社名:MSD Biologics (UK) Limited
  ・所在地:英国 Billingham
  ・事業内容:
   微生物を用いたバイオ医薬品の開発・製造受託事業者。バイオベンチャーや製薬企業からの業務を請け負う。
   英国化学メーカーICI社の特殊化学部門を起源とし、1996年、英国Zeneca社としてCMO事業を開始。微生物培養の研究開発・製造に優れ、独自の開発技術とバイオ医薬品の治験から商用生産まで一貫して対応が可能なGMP製造設備を有する。FDA(Food and Drug Administration 米国食品医薬品局)による商用生産の許認可実績を持つ。

 ダイオシンス社
  ・会社名:Diosynth RTP Inc.
  ・所在地:米国ノースカロライナ州Morrisville
  ・事業内容:
   細胞や微生物を用いたバイオ医薬品の開発・製造受託事業者。バイオベンチャーや製薬企業からの業務を請け負う。
   バイオ医薬品の開発からラージスケールの量産製造まで豊富な経験とバイオ医薬品の治験から商用生産まで一貫して対応が可能なGMP承認を得た製造設備を有する。FDAによる商用生産の許認可実績を持つ。
   1923年創業。


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