イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

ロシュ社、併用療法が白金製剤抵抗性の再発卵巣がんに対する承認をFDAから取得

2014-11-25

ロシュ社のAvastinと化学療法の併用療法が
白金製剤抵抗性の再発卵巣がんに対する承認をFDAより取得
第III相臨床試験の結果よりAvastinと化学療法の併用は化学療法単独に比べ病勢
進行のリスクを62%減少


 2014年11月17日 バーゼル

 ロシュ社は本日、白金製剤に対し抵抗性を示す再発卵巣がん患者さんに対するAvastin(bevacizumab)と化学療法の併用について、米国食品医薬品局(FDA)が承認したことを発表しました(※1)。今回の承認は、化学療法単独に比べAvastinと化学療法を併用することにより病勢進行または死亡リスクを62%減少(無増悪生存期間:PFS)させた第III相臨床試験であるAURELIA試験の成績に基づいています(PFS中央値:6.8カ月対3.4カ月、ハザード比:0.38、p<0.0001)(※1)。有害事象はAvastinですでに承認されたがん腫における臨床試験で認められたものと同様でしたが、第III相臨床試験では高血圧および手足の疼痛、発赤あるいはむくみが含まれていました(※1)。

 最高医学責任者兼国際開発責任者のSandra Horning博士は、「Avastinと化学療法の併用は、卵巣がんという治療困難ながん腫に罹患した女性にとって、ここ15年以上においては新たな治療選択肢となります」と述べるとともに、「本試験では、病勢進行のリスクはAvastinと化学療法の併用により62%減少しました。特にpaclitaxelとの併用が有用であり、これは薬剤選択の際に重要になります」と語っています。

 Avastinの新しい適応症は、2種類以下の化学療法レジメンを受けたことがある白金製剤に抵抗性を示す再発上皮性卵巣がん、原発性腹膜がんまたは卵管がんの患者さんに対してpaclitaxel、topotecanまたはpegylated liposomal doxorubicinとの併用になります。今回の承認により、米国では六つのがん腫に対して承認されたことになります。また、Avastinは白金製剤に対し抵抗性を示す再発卵巣がんの患者さんに対して、欧州で承認されています。

<AURELIA試験について>
 AURELIA試験は企業支援の下で実施された、白金製剤に抵抗性を示す再発の上皮性卵巣がん、原発性腹膜がんまたは卵管がんの患者さん361例を対象とした多施設共同ランダム化オープンラベルの第III相臨床試験です。AURELIA試験に参加した患者さんは、試験登録前に2レジメン以下の抗がん治療を受けていました。患者さんは、ランダムに六つの治療群のうちの一つに割り付けられました(paclitaxel、topotecanまたはliposomal doxorubicinにAvastin併用の有無)。
 試験の主要評価項目は試験参加医師の評価によるPFSです。化学療法の種類別の有効性解析結果は次のとおりです。

 *参考資料は添付の関連資料を参照

卵巣がんについて>
 卵巣がんは他のいかなる婦人科がんよりも、最大の死亡原因となっています(※2)。米国では、約22,000人が卵巣がんと診断され、14,000人以上の女性患者さんが死亡しています(※3)。白金製剤ベースの化学療法完遂後6カ月以内に病勢進行を認めた場合は「白金製剤抵抗性」と呼ばれています4)。一次治療後に再発が認められる患者さんの1/4(4,300人以上の女性)は、最も治療が難しい白金製剤抵抗性のがんとなります(※3,4)。

 世界中で年間、約23万人が卵巣がんと診断され、これは女性のがんとして7番目に多く診断されています。さらに、婦人科がんの中で最も予後不良な卵巣がんにより約15万人が死亡しています(※2)。

■Avastinについて:10年にわたりがん治療を変革
 2004年に米国で進行性結腸・直腸がんに対して最初に承認されたAvastinは、進行がんの患者さんの治療に広く臨床で用いられる初めての血管新生阻害剤となりました。

 今日でも、Avastinはいくつかのがん腫で証明された生存期間(全生存期間および/または無増悪生存期間)の延長を通じ、引き続きがん治療に変革をもたらしています。Avastinは、欧州では進行期の乳がん、大腸がん、非小細胞肺がん、腎がんおよび卵巣がん、米国では大腸がん、非小細胞肺がん、腎がん、子宮頸がん、および卵巣がんの治療薬として承認されています。加えて、米国および60カ国以上で、初期治療の後に病勢が進行した悪性神経膠腫の治療薬としてAvastinは承認されています。日本におけるAvastinの効能・効果は進行期の大腸がん、非小細胞肺がん、乳がん、卵巣がん、および新たに診断された膠芽腫を含む悪性神経膠腫です。

 Avastinは、血管新生阻害剤を今日のがん治療の基本的な柱に位置付けさせ、これまでに150万人以上の患者さんがAvastinによる治療を受けてきました。現在、500を上回る臨床試験による広範な臨床プログラムにより、50以上のがん腫でAvastinの有用性を検討しています。

■Avastinについて:作用機序
 腫瘍が一定の大きさ(2mm)以上に成長したり、身体の他の部分に拡散(転移)するためには、その腫瘍に対する個別の血液供給が必要です。腫瘍は、自らの増大に重要な役割を果たしている血管内皮増殖因子(VEGF)を放出することにより、血管新生と呼ばれる血液の供給経路を生成しています。Avastinは、継続的な腫瘍コントロールを目的として、VEGFを特異的に標的とし阻害するための抗体医薬品です。Avastinは、VEGFを特異的に阻害するという作用を有することから副作用への影響は限定的であり、広範な化学療法および他のがん治療との効果的な併用が可能となります。

<ロシュ社について>
 ロシュ社は、スイスのバーゼルに本社を置く医薬品ならびに診断薬事業の双方に強みを持つ研究開発型の世界的ヘルスケア企業です。ロシュ社は、がん、感染症、免疫疾患、眼科ならびに中枢神経系領域において他社と一線を画した薬剤を保有する世界最大のバイオテクノロジー企業です。さらにロシュ社は、体外診断薬とがんの組織学的診断における世界的リーダーであり、また、糖尿病管理の先駆者です。ロシュ社では、パーソナライズド・ヘルスケア(PHC)戦略を駆使し、患者さんの健康、QOL、延命を明確に改善する薬剤や診断薬の提供を目指しています。1896年の創立以来、1世紀以上にわたって世界の医療に多大な貢献を果たしてきており、世界保健機関が策定した必須医薬品リストには、人の生命を救うための抗生物質、抗マラリア薬および化学療法剤など、ロシュ社が創製した24の薬剤が記載されています。

 2013年、ロシュ社は世界各国に約85,000人の社員を擁し、研究開発費に87億スイスフランの投資をしています。ロシュ・グループの2013年の売上げは468億スイスフランでした。ジェネンテック社(米国)は、100%子会社としてロシュ・グループのメンバーとなっています。また、ロシュ社は中外製薬(日本)の株式の過半数を保有する株主です。さらに詳しい情報はhttp://www.roche.comをご覧下さい。

 本プレスリリースに使用された商標等はすべて法律で保護されています。


<参考文献>
 ※1.Roche data on file
 ※2.GLOBOCAN 2012:Estimated Cancer Incidence,Mortality and Prevalence Worldwide in
     2012 Last accessed October 2014 at
     http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_population.aspx
 ※3.American Cancer Society.What are the key statistics about ovarian cancer?Last accessed
     October 2014 at http://www.cancer.org/cancer/ovariancancer/detailedguide/ovariancancer-key-statistics
 ※4.Pujade−Lauraine E et al.J Clin Oncol 2014;51:4489


<追加情報>
 Roche in Oncology:http://www.roche.com/media/media_backgrounder/media_oncology.htm



Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版