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ルネサスエレクトロニクス、生産性を向上させるFAソリューションのサンプル出荷開始

2014-11-21

産業分野の生産性を飛躍的に向上させるFAソリューション「RZ/T1」を発売
〜最大600MHz動作のリアルタイムCPUと「R−INエンジン」の搭載により、産業機器のリアルタイム制御とネットワーク化を同時に実現〜

 ※製品画像は添付の関連資料を参照

 ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)は、このたび、ACサーボドライブや産業用制御装置など、高いリアルタイム性を必要とするハイエンド制御機器向けに、高速・高応答性を実現し、更に産業ネットワーク機能を内蔵した新しいFAソリューション「RZ/T1グループ」の10品種を製品化し、来年1月31日からサンプル出荷を開始します。

 近年の生産性向上への要求の高まりの中で、生産工場の中で使われる様々な制御機器においても今まで以上の高性能化とネットワーク化への対応が求められています。特にACサーボなどのモータ制御では単にCPU性能が高いだけではなく、どの様な場合にも処理時間が変化しない高いリアルタイム性を持つソリューションが求められています。しかしながら動作周波数の高いマイクロプロセッサ(MPU)はキャッシュメモリの特性により処理時間が変化するためリアルタイム制御に不向きです。一方、リアルタイム制御を得意とするフラッシュメモリ内蔵マイクロコントローラ(MCU)はマイクロプロセッサのような高い動作周波数の実現は困難でした。
 また、工場内で使われるネットワークについても産業機器メーカ各社の独自による通信規格から、イーサネット技術をベースにしたEtherCAT(R)や、EthterNet/IP(TM)、PROFINETなどのオープン規格が普及しつつあります。このオープン規格に対応するためには通信専用の半導体デバイスをプロトコル別に用意する必要があり、システムコストや実装面積の増大を招いていました。

 そこでルネサスは市場ニーズに応えるべく、高性能リアルタイム制御とマルチプロトコル産業イーサネット通信を1チップで実現可能な新製品を市場投入することにいたしました。新製品は、最大600MHz動作のARM(R) Cortex(R)−R4F コアの搭載と、キャッシュメモリを介さずCPUコアに直結する密結合メモリ(TCM:Tightly Coupled Memory)(注1)の搭載により、従来のようなキャッシュメモリベースのマイクロプロセッサでは実現できなかった高いリアルタイム応答性と、従来のフラッシュメモリ内蔵マイクロコントローラを超える高速動作を両立しました。また、ネットワーク化へのニーズについては、ルネサスのR−INシリーズで実績のあるマルチプロトコル対応の産業イーサネット通信向けアクセラレータ「R−INエンジン」を内蔵した製品をラインナップし、EtherCATをはじめとする複数の産業イーサネット通信規格への対応をしてまいります。さらに、新製品はルネサスが提供し実績のある「RXファミリ」や「SHファミリ」の周辺機能の多くを継承しており、ユーザは制御機器のローエンドからハイエンドまでスケーラブルなシステムの設計が容易です。

 新製品は産業機器に求められる高速リアルタイム制御と産業ネットワーク処理を1チップで実現し、産業分野の飛躍的な生産性の向上に貢献いたします。

 新製品の特長の詳細は以下の通りです。

 (1)最大600MHz動作のCortex−R4F コア及び、CPUコア直結の高速・大容量の密結合メモリ搭載により、高速処理と高応答性を両立

  新製品は、リアルタイム処理に向けて設計された、ARM社のCortex−R4F コアを搭載し、最大600MHzでの高速動作が可能。さらに、キャッシュメモリ経由でのアクセスを不要とし確定的な高リアルタイム応答処理を実現できる密結合メモリを544KB搭載し、CPUから実質的にノーウェイトでのアクセス(注2)を可能とする。加えて、迅速な割り込み応答性を実現するベクタ割り込み方式のコントローラ(VIC:Vectored Interrupt Controller)を搭載し、リアルタイム性の向上を図っている。これらの機構により、従来のフラッシュメモリ内蔵マイクロコントローラやキャッシュメモリを使ったマイクロプロセッサでは実現できなかった、高速処理と高リアルタイム応答性を両立させたシステムの構築を可能とする。

 (2)産業イーサネット通信用アクセラレータ「R−INエンジン」を搭載

  新製品では、汎用のイーサネット通信機能を搭載した製品の他に、当社「R−IN」シリーズで実績のある産業イーサネット通信用アクセラレータ「R−INエンジン」を搭載した製品を同時にリリース。リアルタイム性の必要な制御処理と産業イーサネット通信処理を1チップで同時に実現可能とする。「R−INエンジン」には、リアルタイムOSアクセラレータ(HW−RTOS)及びイーサネット・アクセラレータを内蔵し、リアルタイムOSが持つ基本機能の一部をハードウェア化することで、産業イーサネット通信に対して特に求められる、高速リアルタイム応答や高精度通信制御を実現可能とする。なお、対応する産業イーサネット通信規格は、EtherCATをはじめ、EthterNet/IP、PROFINET等の複数の規格に対応予定。また、先日設立を発表した「R−INコンソーシアム」にて、パートナ企業様と共に、産業機器の開発期間短縮に貢献する様々なソリューションを提供予定。

 (3)実績のあるルネサスマイコンの周辺機能を継承しスケーラビリティを実現すると共に、新たに産業機器向けの周辺機能、安全機能も強化

  産業機器でも多くの実績を持つルネサス製マイコン、SHファミリやRXファミリから、定評のあるタイマ機能や通信機能など多くの周辺機能を継承・拡張して新製品に搭載。これにより、ユーザはシステム開発をする際にも、ルネサスの従来製品で培った技術資産を活かすことが可能。また、高信頼性を求められる産業機器に向けて、密結合メモリをはじめとする内蔵メモリのECC機能の搭載に加え、プログラムが暴走したとき等に備え重要なレジスタの書き換えを保護するレジスタライトプロテクション機能や入力クロック発振停止検出機能、独立ウォッチドックタイマ機能等の安全機能も搭載。
  また、ルネサスの製品としては初めて、EnDat 2.2などのモーター・フィードバック用プロトコルや、BiSSなどのセンサやアクチュエータ用のプロトコルなど複数のプロトコルをサポートするエンコーダ・インタフェースを搭載した製品の提供を予定しており、産業制御機器において部品点数やシステムコストの削減が図れる。

 ルネサスはRZファミリに今回の新シリーズを追加する事で、スマート社会の実現に必要なソリューションを提供いたします。今後もハイエンドからローエンドまで新製品の開発を進め、市場ニーズにタイムリーに対応してまいります。

 新製品の主な仕様は別紙をご参照ください。

 ※別紙は添付の関連資料を参照

 >製品情報はこちら
  http://japan.renesas.com/promotion/201411_rzt1/index.jsp


以上


 (注1)CPUコアからキャッシュメモリを経由せずに、専用のメモリインタフェースで直接アクセスできる高速な内蔵メモリ。
 (注2)密結合メモリの内、BTCMはノーウェイトでのアクセスが可能。ATCMは、プリフェッチにより、分岐が発生しない限り、命令フェッチをノーウェイトで行う事が可能。


 *ARMおよびCortexは、ARM Limited(またはその子会社)のEUまたはその他の国における登録商標です。All rights reserved.
 *EtherCATは、ドイツBeckhoff Automation GmbHによりライセンスされた特許取得済み技術であり登録商標です。EtherNet/IPはODVAの商標です。
 *BiSSはiC−Haus GmbHの登録商標です。
 *その他、本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。



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