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三菱マテリアル、低摩擦性の自動車コネクター端子用めっき「PICめっき」を開発

2014-11-04

低摩擦性の自動車コネクター端子用めっき「PICめっき(R)」を開発


 三菱マテリアル株式会社(取締役社長:矢尾 宏、資本金:1,194億円、以下「三菱マテリアル」)は、連結子会社である三菱伸銅株式会社(取締役社長:堀 和雅、資本金87億円、以下「三菱伸銅」)と共同で、電気的な接続信頼性を維持しながら端子挿入時の摩擦抵抗を低減した、自動車コネクター端子用めっき「PICめっき(R)」(PIC:Precise Interface Control)を、このたび開発しましたので、お知らせいたします。

 近年、自動車電装化の進展にともない、電装部品におけるコネクター類も小型化・多極化が進んでいます。このように小型化・多極化した電装部品のコネクターでは、コネクター端子の接触面積が増大することで、コネクター端子挿入時の摩擦抵抗が増大します。一方、コネクター端子の挿入作業が主に手作業であることから、端子挿入時の摩擦抵抗が増大すると接続作業性が低下してしまうため、低摩擦性のコネクター端子が求められています。

 コネクター端子用の銅合金では、電気的な接続信頼性を高めるためにリフロー錫めっきの表面処理を施すことが一般的です。しかし、表面の錫めっき層が軟らかいことから、端子挿入時の摩擦抵抗が増大してしまうという課題があります。
 この課題に対して、低摩擦性の錫めっきがあります。低摩擦性の錫めっきは、銅合金層と錫めっき層の界面に生じる銅錫合金を、表面に露出させることで摩擦抵抗を低減していますが、表面の純錫成分が少ないため電気的な接続信頼性が低下するという欠点があります。
このように、摩擦抵抗を低減しながら電気的な接続信頼性を維持することに、従来は一定の限界がありました。

 このたび三菱マテリアルと三菱伸銅は、当社グループ独自の技術を応用し、銅合金層と錫めっき層の界面に生じる銅錫合金の形状を制御することで、摩擦抵抗の低減と電気的な接続信頼性を両立した「PICめっき(R)」の開発に成功しました。
 「PICめっき(R)」は、純錫より硬度が高い銅錫合金を柱状(図1)にし、錫めっき表面に銅錫合金を数μm間隔で形成(図2)するものです。めっき表面の動摩擦係数は、従来比の約70%と大幅に低減しています。また、低摩擦性の錫めっきでは十分でなかった電気的な接続信頼性については、柱状で点在する銅錫合金の隙間に多くの純錫成分を残存させることで確保しています。
 摩擦抵抗は、おす端子材とめす端子材の両方に「PICめっき(R)」を使用すると最大の低減効果を発揮(図3)しますが、めす端子材のみに使用するだけでも低減効果を実現できます。
 さらに、この「PICめっき(R)」は、当社グループの開発品である耐応力緩和特性に優れた銅−亜鉛系合金MNEXRをはじめ、各種銅合金にも適用可能です。

 当社グループは、「人と社会と地球のために」という企業理念を確実に実現していくため、2020年代初頭に向け、「ユニークな技術により、地球に新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するNo.1企業集団」となることを目指しておりますが、今後も当社グループ独自の技術を応用することで、お客様のニーズに応える「新たなマテリアル」の開発、製造を進めてまいります。


 ※図1〜図3は添付の関連資料を参照


以上





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