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エーザイ、肥満症治療剤lorcaserinとphentermineの併用投与で安全性と忍容性を確認

2014-11-01

肥満症治療剤lorcaserinとphentermineの併用投与の臨床試験結果について
―12週間投与による安全性と忍容性を確認―


 エーザイ株式会社(本社:東京、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、このたび、当社の米国子会社であるエーザイ・インクと米国Arena Pharmaceuticals,Inc.(本社:米国カリフォルニア州、社長:Jack Lief、以下 アリーナ社)が共同で実施している肥満症治療剤lorcaserin(米国製品名:BELVIQ(R))のphentermineとの併用投与の検討試験において、安全性と忍容性に関する所期の目的を達成したことをお知らせします。本試験において、lorcaserinとphentermineの併用投与群は、lorcaserin単剤投与群に比較して、事前に規定した有害事象の発現率を増加させないことを確認しました。なお、本試験結果の詳細は、2014年11月2日から7日に米国ボストンで開催される「ObesityWeek2014(米国肥満学会・米国肥満外科学会共催)」で公表する予定です。

 新規の肥満症治療剤lorcaserinと、米国で既に広く処方されているphentermineとの併用投与における安全性と有効性は確立しておらず、本試験は、その検討を目的として実施されました。本試験は、過体重および肥満の成人238人を対象とした、12週間投与におけるlorcaserin単剤投与に対するlorcaserinとphentermine併用投与の安全性と忍容性を比較する二重盲検、無作為化臨床試験です。lorcaserin単剤(1回10mg1日2回)投与群、lorcaserin(単剤群と同量)にphentermineを1回15mg1日1回併用投与する群とphentermineを1回15mg1日2回併用投与する群の3群が設定され、無作為に1:1:1の割合で割り付けられました。また試験中には、体重管理のカウンセリングが実施されました。

 本試験では、試験開始から終了までに、セロトニン作動性の有害事象として一般的に予想される9つの症状(頭痛、めまい、悪心、疲労、口内乾燥、下痢、嘔吐、不眠、不安)のうち少なくともひとつの症状が発現した患者様の割合が評価されました。なお、本臨床試験において報告された主な有害事象は、頭痛、疲労、不眠、めまい、口内乾燥、便秘でした。

 当社は、本剤により、同疾患の内科的治療分野におけるアンメット・メディカル・ニーズの充足に、より一層の貢献をしてまいります。


以上


<参考資料>

1.BELVIQ(一般名lorcaserin hydrochloride)について
 BELVIQはアリーナ社創製の新規化合物であり、選択的に脳内のセロトニン2C受容体を刺激することにより摂食を抑制し、満腹感を促進すると考えられています。2C受容体を活性化することにより、患者様はより少ない食事量により満腹感を得られることが期待されます。本剤は、米国において、ボディ・マス・インデックス(BMI)が30kg/m2以上、あるいは少なくとも1つ以上の合併症を患うBMIが27kg/m2以上の成人患者様の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として、2012年6月に米国食品医薬品局(FDA)より承認され、米国麻薬取締局によるスケジューリング指定を経て、2013年6月に発売されました。また、2013年11月には、lorcaserinのライセンス対象地域をこれまでの米州21カ国から欧州、日本、中国を含む全世界(韓国、台湾、オーストラリアニュージーランド、イスラエルを除く)に拡大することで合意しています。
 本剤の複数の臨床第III相試験における主な有害事象は、糖尿病を合併しない肥満症では、頭痛、めまい、疲労、嘔吐、口内乾燥、便秘であり、糖尿病を有する肥満症では、低血糖症、頭痛、背部痛、咳嗽、疲労でした。重要な安全性情報(ISI)を含む本剤に関する詳細はBELVIQウェブサイトをご参照ください。http://www.belviq.com(英語のみ)

2.世界の過体重または肥満に関する状況について
 世界の成人の14億人以上が過体重、うち約5億人が肥満であるといわれ、近年、肥満症は世界において大きな健康問題の一つとなっています。地域別には、米国で約1.7億人、欧州では約1.5億人が過体重または肥満と考えられています。アジアでは、中国で約1億人、日本では約2,500万人の人が過体重または肥満と推計されます。(社内推計)

3.Phentermineについて
 Phentermine(一般名)は米国FDAによって1959年に承認された抗肥満薬です。脳内でノルアドレナリンやドパミンの放出を促進して食欲を抑える薬剤として、肥満症に対する短期治療の適応を有し、米国では抗肥満薬で最も広く使用されている薬剤です。



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