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NTTデータ、スマートグラスで文字入力を実現するAR入力技術を開発

2014-10-20

スマートグラスを業務で利活用するためのキーボードレス環境での文字入力を実現
ジェスチャーによるAR入力技術を開発、セキュアな利用者認証に活用〜


 株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、「メガネ」型のコンピューターであるスマートグラスの企業活用で必要となる、「キーボードを必要とせず」にスマートグラスで文字入力を実現するAR(Augmented Reality:拡張現実(注1))入力技術を開発しました。(本技術は特許出願中です。)

 昨今、スマートグラスをはじめとするウェアラブルデバイスの業務活用が期待されています。スマートグラスはキーボードやタッチパネルを持たないため、作業結果や認証における暗証番号等の入力ができないという課題がありました。

 このたび開発した入力技術は、スマートグラスのディスプレイに表示された情報を、利用者のジェスチャーによって選択し、カメラで取り込むことで暗証番号等の文字を入力可能とするものです。キーボードやタッチパネル等による入力とは異なり「物理的な入力の痕跡を残さず」、「他者からの覗き見も防止」でき、従来よりも高いセキュリティーでの入力を実現します。

 NTTデータでは、今後、本技術を含むウェアラブルデバイスを活用した実証実験を進め、2015年度早期のソリューション提供を目指します。また、ウェアラブルデバイスを活用したシステム提供により3年間で50億円の売り上げを目指します。


<背景>
 スマートデバイスやM2Mなどに用いられる組み込みデバイスで利用される各種センサー、マシンの進化によりコンピューティングデバイスを構成する部品の小型化が進み、身に付けるタイプのコンピューティングデバイスであるウェアラブルデバイスが市場に登場してきています。また、これら「ウェアラブルデバイス」のビジネス活用の検討が各所で開始されてきており、今後さまざまな業界での活用が期待されています。

 ウェアラブルデバイスの中でも、特にスマートグラスについては、製造業界等においてハンズフリーでのマニュアル閲覧、作業指示の確認、作業証跡保存および、遠隔地とのリアルタイムコミュニケーションといった活用が期待されています。さらには、スマートグラスを通して認識した物体に関する操作方法や指示動画などを現実世界と重ね合わせて表示させることができる「AR技術」と組み合わせることで、さらなる業務の効率化を実現することも期待されています。

 このように、ウェアラブルデバイスを用いた業務効率化が注目を集める一方で、小型で持ち出しが容易であるがゆえに、企業での導入においてはセキュリティーの確保等や、既存の入力機器を前提に作られたITシステムとどう連携するのか、情報をどのように入力するのかが課題となってきます。

 そこでNTTデータでは、このような課題を解決すべく、ウェアラブルデバイスを業務利用する際に必要になるキーボードレスでの文字入力を実現するAR入力技術を開発しました。

 ※図は添付の関連資料を参照


<技術の概要>
 ウェアラブルデバイスを業務活用するにあたり、ウェアラブルデバイスを身に付けた利用者が業務の効率化・高度化を実現するためには、既存の各種業務システムとの連携が必要となってきます。既存の業務システムではキーボードやタッチパネル等の入力機器が前提とされているため、例えば作業で目視確認した数値を入力する場合や、ユーザーを認証する場合ではID/パスワード等の入力が必須となります。

 本入力技術では、利用者の指の動きをスマートグラスが備える前面のカメラで補足し、その動きを検知することで利用者にID/パスワード等の文字入力を可能とさせます。具体的にはスマートグラスの眼前のディスプレイの中に表示されるソフトウエアキーボードの必要なキーを現実の指でなぞることにより当該キーを入力とすることができます。これにより、入力している利用者本人だけが入力しているパスワードや暗証番号等の秘密情報を把握でき、他者から覗き見をされる心配もありません。本技術を用いることで既存の入力機器を利用した文字入力を前提とする業務システムをウェアラブルデバイスから連携し、利用することが可能になります。


<技術の特長>
■キーボードを用いずに文字情報を入力することが可能
 従来の入力装置であるキーボードやマウス、タッチパッドなどを用いずに、ID/パスワードや収集データ等の文字情報を入力することが可能です。スマートグラスの前面に備えられるカメラによりユーザーのジェスチャーを検知し、キーボード等の入力の代わりにすることができます。

■入力情報の「痕跡を残さず」、「覗き見も防止」
 キーボードやタッチパネルを利用しない入力方式であるため、入力時の覗き見およびその入力の痕跡からもパスワード等の秘密情報を推測することが不可能となります。パスワード取得を試みる攻撃者からはユーザーのジェスチャーしか読み取ることができず、それが何を指すのか推測させることはできません。また、パスワードを入力するためのソフトウエアキーボードの配列をランダムで変更することにより、攻撃者が利用者のパスワードを推測することを、より一層困難にすることも可能です。

■高速に入力可能
 従来の入力方式と異なり、入力したい文字列を構成する文字に対応するキーをなぞることで文字情報を入力させることにより一字一字入力する方式と比較して高速に文字情報を入力することが可能です。


ウェアラブルバイスに関する今後の取り組みについて>
 NTTデータは、現在特許出願中である本AR入力技術を応用した認証技術をはじめとし、ウェアラブルデバイスの業務活用の際に解決すべきセキュリティーの課題についても取り組んでいきます。これまで、大規模システムおよびスマートデバイス向けのシステム構築で培ったセキュリティーのノウハウをウェアラブルデバイスに活用し、NTTデータグループ全体として、認証をキーとする各種セキュリティーソリューションを連携させていきます。


<既存セキュリティーソリューションのウェアラブルデバイス導入時における活用例(カッコ内はソリューション名)>
 ・認証されたウェアラブルデバイスの利用者に応じた既存システムへのアクセス制御の自動適用(VANADIS(R)Identity Manager)
 ・ウェアラブルデバイスから利用する複数の業務システムの認証連携(SecureJoin(R))
 ・ウェアラブルデバイス上での業務領域の聖域化および盗難・紛失対策(MERMaides(R))

 また、NTTデータグループでは、セキュリティー対策のみならず、ウェアラブルデバイスを利用した業務システムの効率的な開発手法や業務で利用する各種アプリケーション開発などの取り組みを加速させていきます。

 まず、本技術と製造業界での利用を想定したプロトタイプシステムをベースにウェアラブルデバイスを用いた実証実験を進め、2015年度早期のソリューション提供を目指します。製造業界については、ものやサービスと工場がつながり新たな価値を創出する「インダストリー4.0(注2)」に向けてウェアラブルデバイスを活用したさまざまな取り組みを進めるとともに、今後は製造業以外の業界(例えば、物流、保守メンテナンス、救急医療、食品加工等)への対応も随時実施していきます。

 NTTデータではスマートグラスを含むウェアラブルデバイスを活用したシステム構築・システム連携・インテグレーション、および技術・サービス提供を通じて、今後3年間で50億円以上の関連ビジネスの創出を目指します。


<関連情報>
■各種展示会、シンポジウムカンファレンスへの出展について
 NTTデータは、ITpro EXPO 2014の他に、ガートナーシンポジウムITxpo 2014、NTTデータイノベーションカンファレンスなどに出展し、実機を用いた体験ブースにおいて、AR入力技術およびウェアラブルデバイスを用いた業務に関するコンセプトのデモンストレーションを実施する予定です。


<注釈>
注1 AR(Augmented Reality:拡張現実)
 人間が知覚している現実環境をコンピューターで拡張する技術、および情報を付加提示された環境そのもの。
注2 インダストリー4.0
 工業のデジタル化によって21世紀の製造業の様相を根本的に変え、製造コストを大幅に削減するためにドイツ連邦政府、州政府、産業界、学界が総力を挙げて取り組んでいるプロジェクト。工場を核にインターネットを通じてあらゆるモノやサービスが連携することで、新たな価値やビジネスモデルの創出を目指している。


 ・「VANADIS Identity Manager」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
 ・「SecureJoin」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
 ・「MERMaides」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
 ・その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。




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