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ヨコオ、心房中隔穿刺法の際に使用する「心房中隔穿刺針」を製品化
医療機器事業拡大を目指し、
新製品「心房中隔穿刺針」を製品化
■要旨
(株)ヨコオは、医療機器事業の本格化に向けて取り組んでいるカテーテルOEM事業の新製品としてこのほど、「心房中隔穿刺針」を製品化しました。
今回開発した「心房中隔穿刺針」は、販売はOEM供給先のセンチュリーメディカル株式会社で行い、10月より市場投入される計画です。
■市場動向と当社の取り組み
今回、当社が開発した本製品は、心房中隔穿刺法を行う際に使用する穿刺針です。心房中隔穿刺法とは、経皮的僧帽弁拡張術(※1)や、左心系カテーテルアブレーション心筋焼灼術(※2)の際に、心房中隔を機械的に開孔して、大腿部の静脈系から挿入したカテーテルを右心房から左心房に送達する方法です。
近年では、肺静脈に発生する異常な電気が心房に伝わることなどに起因する心房細動に対して行われるカテーテルアブレーション治療が広く普及しており、経皮的に左心系にカテーテルを挿入するための穿刺針の需要はますます高まっています。こうした状況に対して、当社では心房中隔穿刺用の穿刺針の開発に取り組み、製品化しました。
■新製品「心房中隔穿刺針」の製品概要
当社製の「心房中隔穿刺針」は、「穿刺針」と「スタイレット(穿刺針管内に挿入する位置決めおよび保護用の金属製棒)」から構成されており、組み合わせて使用されるカテーテルシース(医療用チューブ)の内腔を傷つけない針形状が特長です。
「穿刺針」の遠位端の形状については、心房中隔穿刺法はすでに確立した処置であるため、市場既存品と同等のカーブ形状品と、プッシャビリティを向上した形状品の2種類のプレシェイプ型製品を用意しました。また、患者様の体格に合わせて、有効長(下図A部)は710mm・890mmの2種類から選択できます。
*参考資料は添付の関連資料を参照
■今後の計画
今回開発した「心房中隔穿刺針」は、当社で製造から最終梱包工程までを行い、国内での販売は、OEM供給先のセンチュリーメディカル株式会社が、ブランド名「C−MAPNeedle」として、10月から販売します。
《販売について》
・製造販売承認 :センチュリーメディカル株式会社
・医療機器承認番号 :22500BZX00264000
・一般的名称 :経中隔用針
・ブランド名 :C−MAP Needle
【用語説明】
※1 経皮的僧帽弁拡張術
:僧帽弁狭窄症に対して、僧帽弁までバルーンカテーテルを通し、拡張する手技
※2 左心系カテーテルアブレーション心筋焼灼術
:WPW症候群や、心房細動等、左心房および/または左心室に起因する頻拍性不整脈治療
≪当社のOEMカテーテル事業への取り組み≫
当社では、2006年6月の医療用微細精密加工部品事業への参入決定以来、医療用カテーテル等の構成部品であって微細な金属加工が要求される各種切削品、コイル等を中心に事業化を推進してきました。その後、部品加工だけでなく、アッセンブリおよび評価技術を導入し、2010年12月より、ガイドワイヤアッセンブリ、2011年1月からは、カテーテルアッセンブリを国内外の医療機器メーカーに供給しています。