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エーザイ、抗がん剤「レンバチニブ」の新薬承認申請でFDAが優先審査品目に指定
抗がん剤「レンバチニブ」の新薬承認申請が米国FDAより優先審査品目に指定
エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫)は、このたび、自社創製の新規抗がん剤「レンバチニブメシル酸塩」(一般名、以下 レンバチニブ)について、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんの適応で米国子会社エーザイインクが提出していた申請資料を、米国食品医薬品局(以下「FDA」)が受理し、あわせて優先審査品目に指定したことをお知らせします。
FDAの優先審査指定は、重篤な疾患の治療、予防、診断において、有効性あるいは安全性に顕著な改善をもたらす可能性のある薬剤の新薬承認審査を迅速に進める制度です。本指定により、本剤に関するPDUFA(Prescription Drug User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)は本申請提出日から8カ月後の2015年4月14日に指定されました。
当社は、レンバチニブについて日本では、本年6月に甲状腺がんに係る適応で、米国・欧州では、8月に放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんの適応で新薬の承認申請を行っていました。また、本剤は、日本、米国、欧州の各当局より甲状腺がんに関わる希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けており、欧州当局からは、治療上の革新性の観点からの貢献が期待される薬剤として迅速審査の指定を受領しています。
レンバチニブは、血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、PDGFRα、KIT、RETなどの受容体チロシンキナーゼ(RTK)に対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な新規結合型選択的チロシンキナーゼ阻害剤です。特に、VEGF受容体に加えてFGF受容体のRTK活性を同時に阻害するという点で、ファーストインクラスの資質を有する甲状腺がんの薬剤と期待しています。
2012年の甲状腺がんの新規診断患者数は米国で約52,000人と推定されています。甲状腺がんの多くは治療可能ですが、進行した甲状腺がんの治療選択肢が非常に限られているため、未だアンメット・メディカル・ニーズが高い疾病の一つです。当社は、レンバチニブによるがん治療の可能性を引き続き追求し、がん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。
以上
<参考資料>
※添付の関連資料を参照