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富士経済、国内の外食産業市場8分野66業態の調査結果を発表
ファミリーレストラン、喫茶、西洋料理など
国内の外食産業市場8分野66業態を調査
―2014年市場見込(2013年比)―
■ファミリーレストラン 1兆3,158億円(0.8%増) ―規模の大きい標準型FRが好調、拡大をけん引
●コーヒーショップ 3,666億円(3.6%増) ―低価格型は苦戦するも、高価格型の成長が続く
●ワイン酒場 1,545億円(6.3%増) ―店舗数の増加による拡大の一方で、競争が激化
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、国内14分野131業態の外食市場の調査、外食企業の事例研究、外食産業の都道府県別マーケットポテンシャルの分析などを行い、その結果を4回に亘り報告する。第2回となる今回は、ファミリーレストラン(FR)、喫茶、西洋料理、日本料理、東洋料理、エスニック料理、給食、宿泊宴会場の8分野66業態の外食市場について調査を実施し、その結果を報告書「外食産業マーケティング便覧2014 No.2」にまとめた。
今後、外食産業の総合研究や外食企業の事例研究などを「同 No.3」、外食産業の都道府県別マーケットポテンシャルなどを「同 No.4」にまとめる。
<調査結果の概要>
■今回対象とした8分野の市場動向
※表資料は添付の関連資料「表資料1」を参照
<ファミリーレストラン>
2013年は、店舗の改装やQSC(品質・サービス・清潔さ)の向上などの既存店の強化に加え、客単価の上昇を図り品質を訴求した高価格メニューの投入が各業態でみられたことが功を奏し前年比0.5%増の1兆3,060億円となった。特に標準型FRで高級ステーキメニューやフォアグラ、トリュフなどの高価格メニューが集客にも貢献し、市場をけん引した。2014年は、既存店強化を重視する標準型FRの市場拡大に加え、食べ放題サービスが好評の和風FRやステーキ・ハンバーグFR、また上位チェーンが積極的に出店を進める低価格型FR、イタリアFR、チャンポンFRが好調で、前年比0.8%増の1兆3,158億円が見込まれる。
<喫茶>
2013年は、高価格型コーヒーショップが上位チェーンを中心とした積極的な出店により好調であったのに加え、ロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店の店舗数の大幅な増加、また一部の上位チェーンがけん引したジューススタンドの市場拡大により、前年比0.2%増の1兆4,104億円となった。2014年もそれらの業態がけん引することで、前年比0.4%増の1兆4,164億円が見込まれる。
<西洋料理>
2013年は、景気回復を背景に市場を拡大させた業態が多く、前年比1.3%増の7,484億円となった。特に規模の大きいイタリア料理とフランス料理が、高級業態の法人需要の増加や、イタリアンバール、フレンチバルなどのワイン酒場業態の盛り上がりにより好調であった。また、オイスターバーは出店が加速しており、今後も拡大が期待される。
<日本料理>
2013年は、同じ和風メニューを低価格で提供するファストフードやFR、量販店やCVSの中食惣菜といった他業態との競合激化により、各業態で売上が低迷しており、市場が縮小した。2014年はほとんどの業態が苦戦しているが、すきやき・しゃぶしゃぶは上位チェーンの出店攻勢や食べ放題サービスにより好調である。
<東洋料理>
2013年は、焼肉料理がテーブルオーダーバイキングの導入店舗の好調により拡大したが、韓国料理とホルモン料理がブーム終焉により大幅に縮小したため、前年比0.4%減の1兆2,773億円となった。2014年は、焼肉料理や高級中華料理が好調であるものの、東洋料理全体では苦戦が続くとみられる。
<エスニック料理>
2013年は、参入チェーンがこれまで以上に新規出店を抑制し、不採算店舗の閉鎖を進める動きが強まったことから、市場は縮小した。2014年は、東南アジア料理では上位チェーンに出店攻勢の動きがみられるが、インド料理とメキシコ料理の大幅な落ち込みにより、前年比5.2%減の955億円が見込まれる。
<給食>
2013年は、有料老人ホームをはじめとした高齢者福祉施設の市場拡大がみられたほか、待機児童ゼロを目指す政策による保育所施設の増加から幼稚園・保育所給食が微増となった。2014年は、それら2業態の好調により、他の業態の縮小をカバーし、前年比0.2%増の3兆8,746億円が見込まれる。
<宿泊宴会場>
2013年は、ホテルがビジネスホテルを中心に好調だったものの、2012年に震災の反動で拡大した結婚式場・宴会場が落ち込み、前年比0.6%減の3兆7,780億円となった。2014年は、ホテルは外資系企業の活性化や訪日外国人の増加により拡大が期待されるが、結婚式場・宴会場や旅館は縮小するとみられる。
<注目市場>
●コーヒーショップ
※表資料は添付の関連資料「表資料2」を参照
コーヒーを主要メニューとして展開するセルフサービス型の喫茶業態を対象とする。2013年の市場は前年比4.2%増の3,540億円となった。低価格型は上位チェーンの多くが伸び悩み前年比0.1%の縮小となったものの、高価格型は上位チェーンによる首都圏の大型商業施設や高速道路SAなどへの出店により前年比5.9%増と好調であった。
2014年も、高価格型の大幅な出店増加により市場を拡大するとみられ、前年比3.6%増の3,666億円が見込まれる。今後は、高付加価値メニューの投入などで差別化を図りやすい高価格型チェーンが好調を維持し、低価格型チェーンが伸び悩む構図が続くとみられる。
コーヒーショップを取り巻く動きとしては、主に屋内での飲用が想定されるCVSカウンターコーヒーや市販用簡易抽出型レギュラーコーヒーの拡大が目立つ。加えて、駐車場を有して郊外ロードサイドを中心にフルサービスを展開するロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店が団塊世代を主要ターゲットとして急速に成長している。今後は、コーヒーショップとそれらの業態との競合激化が予想される。
●ワイン酒場
2013年 前年比 2014年見込 前年比
1,453億円 107.6% 1,545億円 106.3%
ワイン酒場は、ワインが主体のアルコール類や、西洋料理を中心としたフードメニューを揃える業態を対象とする。日常におけるワイン飲用頻度の拡大や手頃なメニュー価格が受け入れられ、一時期のブームから定着を果たし、市場は拡大を続けている。
2013年は、多店舗化を進める上位チェーンが好調であったのに加え、個人店舗による新規参入も多くみられたため、二桁伸長した前年の勢いはやや収まったものの、前年比7.6%増の1,453億円に拡大した。2014年は、上位チェーンの店舗増加による需要の取り込みが続いており、前年比6.3%増の1,545億円が見込まれる。今後も市場拡大が期待されるが、店舗の増加により競合が激化しており、メニューや品質による差別化が必要となっている。
●すきやき・しゃぶしゃぶ
2013年 前年比 2014年見込 前年比
1,068億円 102.7% 1,107億円 103.7%
低脂肪かつ低カロリーで、湯通しすることで野菜も多く摂取できるため、近年人気を博しており、女性層を取り込んでいる。2013年の市場は、食べ放題サービスを展開する上位チェーンが好調で、前年比2.7%増の1,068億円となった。2014年は、一部の上位チェーンでは積極的な出店により前年比10%以上の伸長が期待されるなど、全体的に好調を維持しており、前年比3.7%増の1,107億円が見込まれる。
食べ放題サービスを導入している上位チェーンの成長にけん引され、当面市場は拡大するとみられる。ただし、ステーキやハンバーグに食べ放題のサラダバーを組み込んだステーキ・ハンバーグFR、テーブルオーダーバイキングサービスを実施している焼肉料理、またしゃぶしゃぶ食べ放題サービスを実施している和風FRなどとの、特に郊外ロードサイドでの競合激化が懸念される。
<調査対象>
※添付の関連資料を参照
<調査方法>
富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用
<調査期間>
2014年5〜7月
以上
資料タイトル:「外食産業マーケティング便覧2014 No.2」
体裁:A4判 293頁
価格:書籍版 90,000円+税
PDF/データ版 100,000円+税
書籍版・PDF/データ版セット 110,000円+税
調査・編集:株式会社富士経済 東京マーケティング本部 第一統括部 第一部
TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
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