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味の素など、血中アミノ酸濃度バランスを指標とした膵臓がんの早期発見技術を開発

2014-10-11

血中アミノ酸濃度バランスを指標とした
膵臓がんの早期発見技術を開発
2014年9月25日(木)第73回日本癌学会学術総会にて発表


 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、大阪府立成人病センター(大阪府大阪市)片山和宏副院長を中心としたグループと共同で、膵臓(すいぞう)がんにおける血液中のアミノ酸濃度バランスの変動に関する研究を推進してきました。このたび、片山副院長らは、膵臓がん患者において、健康な人と比較して血中アミノ酸濃度バランスの有意な変化を認め、複数の血中アミノ酸濃度を用いた多変量解析により、膵臓がんの発見に応用可能であることを、多施設試験で明らかにしました。この研究成果は、2014年9月25日(木)に第73回日本癌学会学術総会(神奈川県横浜市)で発表されました。今後、当社は本成果による事業化を検討していきます。

 膵臓がんの患者数はここ30年間で大幅に増加しています。膵臓がんは早期では自覚症状が少なく、約6割の患者が手術不能な進行がんの段階で発見されます。膵臓がんは5年生存率が7%で難治がんと言われていますが、手術が可能な早期がんの段階で見つかることで、進行がんの段階で発見される場合と比べ長い延命や治癒が期待できます。
 当社は、血中アミノ酸濃度のバランスの変動を統計学的に解析・指標化し、健康状態や疾病リスクを明らかにする「アミノインデックス技術」の研究開発を行っており、これまで6種類のがん(胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん、乳がん、子宮・卵巣がん)において、5mlの血液(採血1回分)で簡便に早期発見できる可能性を発表してきました(※1、2、3)。今回、新たに膵臓がんにおいて、「アミノインデックス技術」の有用性を検証しました。


【研究概要】
 複数の病院や人間ドックから360名の膵臓がん患者と、対照として8,372名の健康な人の臨床症例を集め、血中アミノ酸濃度バランスを測定することにより、膵臓がん患者と健康な人とを判別する可能性を検証するための臨床研究を実施しました。
 その結果、健康な人に比べ膵臓がん患者では、血中アミノ酸濃度バランスが有意に変化していることが示されました。(図1)

 *図1は添付の関連資料を参照

 今回の研究では、膵臓がん患者と健康な人を判別する判別能はROC曲線下面積(※4)で0.86であり、「アミノインデックス技術」を用いることで、膵臓がんに罹患しているリスクをスクリーニングできる可能性が示されました。さらに、手術の可能性のある比較的ステージの早い(UICCステージIIBまでの(※5))患者でも進行がん患者と同様のアミノ酸パターンを示し、ROC曲線下面積で0.81と優れた研究結果が得られました。

 今回の研究で得られた知見を応用することで、血液だけで簡便に検査を行えることから、膵臓がんの早期発見の可能性が期待されます。当社は、2011年から「アミノインデックス技術」により「アミノインデックスRがんリスクスクリーニング(AICS)(※6)」として複数のがんで事業化しており、来年に今回開発された膵臓がんの早期発見技術についても事業化を目指します。
 今後、当社は「アミノインデックス技術」を応用し、がんを含めた様々な疾患の可能性の早期段階での発見を目指して、研究開発を継続していきます。

 *図2・参考資料は添付の関連資料を参照






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