IDC　Japan、２０１４年の国内金融IT市場予測を発表

〜金融機関の成長にはIT活用が更に重要に〜
国内金融IT市場予測を発表


　・２０１４年の国内金融IT市場（銀行、保険、証券／その他金融の国内IT支出）は、１兆８，５５５億円、前年比成長率マイナス２．３％と予測
　・業態別では、証券取引所その他（前年比成長率：３．４％）、メガバンク（同：１．２％）で、システム刷新／統合といった大型案件によるプラス成長を予測
　・多くの金融機関で国内ビジネスは伸び悩んでいるが、特に地域金融機関において深刻となっている。今後、IT活用、およびベンダーによる支援が更に重要になるとみている


　IT専門調査会社IDC　Japan株式会社（所在地：東京都千代田区九段北１‐１３‐５、代表取締役：竹内正人、Tel代表：０３−３５５６−４７６０）は、国内金融IT市場（銀行、保険、証券／その他金融の国内におけるIT支出、ATM、営業店端末のIT支出分も含む）の２０１４年〜２０１８年の予測を発表しました。これによると、２０１４年の国内金融IT市場は、国内経済は改善していますが、前年のIT支出拡大の反動もあり、１兆８，５５５億円で、前年比成長率はマイナス２．３％を予測しています。

　２０１４年もメガバンク、証券取引所その他などにおいて大型案件が継続している他、新銀行／ネット銀行、ネット証券では積極的なIT支出を行っています。しかし、その他の金融機関では、２０１３年のシステム刷新、および「Windows　XP」サポート終了に伴うPC更新需要の反動によって、２０１４年のIT支出は抑制傾向となっています。したがって、２０１４年の国内金融IT市場はマイナス成長を予測しています。なお、上記でも触れたようにメガバンク、証券取引所その他、新銀行／ネット銀行、ネット証券などにおいては前年に引き続きプラス成長を予測していますが、その他の業態ではマイナス成長を見込んでいます。特に地域経済低迷の影響をうける地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合といった地域金融機関では低い成長率を見込んでいます。２０１５年もメガバンク、証券取引所その他に加えて、大型案件が開始するその他銀行ではプラス成長を予測していますが、地方銀行／第二地方銀行では低い成長率にとどまるとみています。

　国内金融機関における経営課題として収益拡大が挙げられていますが、今後人口減少、企業流出の加速が見込まれており、国内でいかにして成長戦略を描くかが大きな課題となっています。特に地域経済の停滞が長期化する地域金融機関では喫緊の課題となっています。この成長戦略の策定において、迅速な事業展開、顧客分析、または柔軟な他金融機関、または他の業態の企業との連携を図るためにITの有効な活用が求められています。IDC　Japan　ITスペンディング　リサーチマネージャーの市村　仁は「ITベンダーは、国内金融機関の成長戦略を支援すること求められるが、そのためには各金融機関が迅速な事業展開、他社との連携を可能にするIT基盤の提供、システム部門だけではなく、ユーザー部門と連携してソリューションの提供が重要になる」と分析しています。

　今回の発表はIDCが発行したレポート「２０１４年　国内金融IT市場動向調査：金融機関の成長戦略とITベンダーのビジネス機会」（J１４５７１００１）にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内金融IT市場を１８業態（例：メガバンク、信託銀行、地方銀行、第二地方銀行、生命保険、損害保険、大手証券会社、ネット証券など）に分けて、２０１４年〜２０１８年の予測、および製品別、主要システム別でのIT支出予測（ATM、営業店端末を含む）を行っています。また、国内金融IT市場における主要ITベンダー、専業ベンダーなどの動向についても分析を行っている他、積極的にITを活用し、他の金融機関に先駆けて優れた取り組みを行う金融機関のケーススタディも掲載しています。


【詳細についてはIDC　Japanへお問い合わせください】


＜参考資料＞

　※添付の関連資料を参照


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