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東京エレクトロン、英国に幹細胞テクノロジーセンターを開設

2014-10-07

英国にオープンイノベーションを目指した幹細胞テクノロジーセンター(STC)を開設、
スマート・セル・プロセシング技術の開発を始動


 東京エレクトロン株式会社(東京都港区、社長:東哲郎)は、ヨーロッパ子会社Tokyo Electron Europe Limited(TEE)を通じて、英国のスティーヴネッジ・バイオサイエンス・カタリスト(SBC)の一角に、オープンイノベーションの拠点となる幹細胞テクノロジーセンター(STC)を設立しました。STCは、半導体製造で培ったオープンイノベーションの手法を通じて他の産官学パートナーと協力し、臨床レベルの細胞品質を実現する幹細胞の自動培養・検査プロセス技術(スマート・セル・プロセシング)の確立と標準化を目指します。半導体業界で数十年にわたって自動化・品質管理システムを手がけてきた実績を持つ東京エレクトロンは、その技術力を生命科学に応用する取り組みを進めています。

 スマート・セル・プロセシングは、細胞培養・検査装置といったハードウェア・ソリューション、ソフトウェア・アルゴリズム、細胞品質解析手法などで構成されています。東京エレクトロンはSTCに全自動細胞培養・検査装置を設置し、技術パートナー企業15社(テクノロジー・エコシステム)と共に開発を進めます。英国での産官学連携の共同開発により、細胞品質を確保する品質管理の枠組み(フレームワーク)と品質の判定のための共有データベースを備えた体制の構築を目指します。

 このほか、国立生物学的製剤品質標準化研究所(NIBSC)や英国学術界の幹細胞研究者らと共に、細胞の品質を数値化・標準化する技術の開発も進めます。

 東京エレクトロンは国立細胞治療実用化研究所(セル・セラピー・カタパルト)やロスリン・セルズ社などのパートナー企業との共同研究を通じ、最終的には英国の幹細胞治療の実用化に向けた基幹プラットフォームを開発することを目指しています。このプラットフォーム化により、複数の細胞製造施設で自動化による臨床応用の評価が可能となることを期待しています。

 東京エレクトロンのコーポレート次世代戦略企画室長 木下 喜夫のコメント:「長期的にはこのスマート・セル・プロセシングを完全自動化された細胞工場(スマート・セル・ファクトリー)へと発展させ、臨床レベルの装置で、標準化されたiPS/ES細胞や分化細胞の安全かつ経済的な生産を実現することを目指しています。オープンイノベーションによって発展してきた半導体業界での経験を活かすには、英国バイオ業界においてオープンイノベーションを提唱するSBCに研究所を設けることは最適であると考えました」

 STCおよびTEEのディレクター 本田信彦のコメント:「STCの設立にあたって、さまざまな英国の団体ならびに研究者の皆さまからご支援とご指導を賜り、深く感銘を受けております。英国は質の高い生命科学の研究で知られ、細胞治療の事業化もいち早く推し進めているので、当社の取り組みにはまさに最適な場です。細胞治療の実用化研究で世界をリードする国立細胞治療実用化研究所(セル・セラピー・カタパルト)をはじめとする英国精鋭機関の後押しも追い風となりました」

 セル・セラピー・カタパルトCEO キース・トンプソン氏のコメント:「東京エレクトロンがSTCを英国に設置する決定をしたことは、この国の細胞療法研究が世界水準にあることを証明しています。東京エレクトロンの自動培養・検査プロセシングシステムをはじめとする画期的な各種技術は、細胞治療の実用化に役立つことでしょう。今後、このテクノロジー・エコシステム各社との協業に期待します」

 NIBSC 先進細胞治療部門のセルバイオロジー統括 兼 UKステムセルバンク ディレクター グリン・ステイシー博士のコメント:「東京エレクトロンの新たな自動化技術は、より高い再現性と安全性の担保を必要とする未来の細胞治療の実現を可能とするものであると考えます。東京エレクトロンの新しい英国拠点はNIBSCからも近く、新たな細胞品質規格を可能とする解析手法に関する共同研究を行う場所として最適であると思います」

 ロスリン・セルズ社 CEO アイダン・コートニー氏のコメント:「当社は、細胞治療に向けた細胞の量産には、オープンイノベーションをベースにしたスマート・セル・プロセシング技術が不可欠と考えます。STCが英国に設置されたことで、東京エレクトロンと当社の共同開発が加速されるでしょう」

 SBC CEO マルーティノ・ピカード博士のコメント:「東京エレクトロンのSTCは非常に興味深い取り組みであり、それがSBC内に設置されたことは私たちの掲げるオープンイノベーションの理念が受け入れられたことを示しています。SBCの他のテナント企業やその関連組織と共にこの分野に強い関心を抱いており、新たな細胞プロセス技術の開発に参画できることを楽しみにしています」


<東京エレクトロンについて>
 東京エレクトロンは、半導体およびフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置のリーディングサプライヤーとして幅広い製品の開発・製造・販売を行っています。東京エレクトロンの半導体製造装置およびFPD製造装置は、世界市場で高いシェアを獲得しており、また研究開発、製造、販売、サービス拠点を世界各地に設けています。http://www.tel.co.jp

<ロスリン・セルズ社について>
 ロスリン・セルズ社は、研究用途向け幹細胞の開発・製造と細胞治療向け幹細胞の製造をリードする企業です。同社は英国のエディンバラ・バイオクオーターに拠点を構え、最先端のクリーンルームを利用して新しい細胞治療向け幹細胞の生産を行っています。同社は研究用および臨床用のiPS細胞を生産し、当分野で画期的な研究や創薬を進める業界、学術界、臨床関連の研究者にこれを提供しています。

<スティーヴネッジ・バイオサイエンス・カタリスト(SBC)について>
 スティーヴネッジ・バイオサイエンス・カタリストは、英国初のオープンイノベーション型バイオサイエンス・キャンパスとして、初期のバイオサイエンス技術開発、起業、そして活力あふれるコミュニティの創出を推進します。インキュベーターアクセラレーター、ハブの3部門からなり、オフィスや交流用のスペースを備えたこの施設には、中小規模のスタートアップ企業から伝統ある企業まで、幅広い組織が入居しています。

<セル・セラピー・カタパルト(CTC)について>
 セル・セラピー・カタパルトは、細胞治療と再生医療の実用化を目指す中心的研究機関です。英国を細胞治療の開発、実践、商業化におけるグローバル・リーダーに押し上げ、新たな市場形成と事業発展の拠点になることを目標としています。ロンドンのガイズ病院に拠点を置く同センターは、製品を初期の臨床治験に投入し、臨床、技術、製造、規制の各側面から、国営の医療制度(National Health Service)に知見とアクセスを提供しています。

<国立生物学的製剤品質標準化研究所(NIBSC)について>
 国立生物学的製剤品質標準化研究所は、バイオ医薬品の標準化と管理で世界をリードする英国機関です。NIBSCは、英国保健省の執行機関である英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)に所属する3センターの1つです。英国保健省は英国におけるすべての医薬品や医療機器の規制に携わり、MHRAを通じてその効用と安全性の確保に努めています。



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