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太陽誘電、4532サイズで静電容量470μFの積層セラミックコンデンサを商品化
太陽誘電:世界初、積層セラミックコンデンサ470μFを商品化
−各種技術を高度化、1200層以上の多積層で大容量化を実現−
太陽誘電株式会社(代表取締役社長:綿貫 英治、本社:東京都台東区)は、4532サイズで静電容量(注1)470μFの「PMK432AC6477MM」、「AMK432ABJ477MM」(いずれも4.5x3.2x2.7mm、高さは最大値)を商品化します。
当社の持つ材料技術、シート薄膜技術、積層技術を高度化し、1200層以上の多積層を可能とすることで、積層セラミックコンデンサでは世界で初めてとなる470μFもの大容量化を実現しました。
この商品は、パソコンや4Kなどの高画素な薄型TV、複合プリンタといった情報関連機器などの電源平滑用途(注2)に使用されます。
2014年10月よりサンプル出荷を開始し、2014年度内に玉村工場(群馬県佐波郡玉村町)にて月産100万個の量産体制を構築します。当社サンプル価格は300円です。
多くのデジタル機器は、電源の高効率化のためスイッチング方式の電源回路の搭載が進んでいます。そのような電源回路では、機器を安定的に動作させるため、出力側に平滑用途の大容量コンデンサが複数搭載されています。また一般的に積層セラミックコンデンサは、タンタル電解コンデンサやアルミ電解コンデンサと比較して低ESR(注3)で周波数特性に優れているため、高周波化が進んでいる電源回路の平滑コンデンサとして、リップル電流(注4)の抑制に効果的です。さらに、これらの電解コンデンサより小型であるため、実装面積の削減にも寄与します。
太陽誘電では、材料技術から一貫した高精度化を図り、このたび積層セラミックコンデンサとしては世界初となる470μFもの静電容量を実現しました。今回の商品化によって、平滑用途のコンデンサの員数削減や電解コンデンサからの置き換えを通じて、機器の小型化に貢献します。
今後もスーパーハイエンド商品である100μFを超える大容量積層セラミックコンデンサのラインアップ追加を図り、1000μFに向けた更なる大容量化の展開を進めていきます。
この商品は、10月7日から幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催される「CEATEC JAPAN 2014」の太陽誘電ブースにて展示します。
■主な用途
パソコンや4Kなどの高画素な薄型TV、複合プリンタといった情報関連機器などの電源平滑用途。
■今回商品化した積層セラミックコンデンサの特性は以下の通りです。
※参考資料は添付の関連資料を参照
■用語解説
(注1)静電容量、μF(マイクロファラッド)
コンデンサの代表的な電気特性。コンデンサなどがどれだけ電気を蓄えられるかを表す値。F(ファラッド)は静電容量の単位を表す。μ(マイクロ)は100万分の1。
(注2)平滑
電源電圧に含まれる交流成分を取り除き、より安定した直流電圧にすること。平滑用途のコンデンサには、大電流に対応するため、静電容量の大きなものが求められる。
(注3)ESR(イーエスアール、Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)
コンデンサに含まれる微小な電気抵抗成分のこと。この値が小さいほど回路に流れるノイズをより効果的に低減させる。
(注4)リップル電流
脈流とも呼ばれる、直流電流に含まれる交流成分の一種。スイッチング方式の電源回路は、チョークコイルによる整流だけでは安定した電圧を得られないため、平滑用途の大容量コンデンサを電源回路の出力側に設置する。十分な対策を取らず、リップル電流がそのまま回路に流れてしまうと、機器の動作を不安定化させ、場合によってはICなどの電子部品が壊れてしまうこともある。
※製品画像は添付の関連資料を参照