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資生堂など、顔の赤みの新たな発生要因を解明し赤み対応スキンケア製品の開発に応用

2014-09-11

資生堂、顔の赤みの新たな発生要因を解明
赤み対応スキンケア製品の開発に応用


 資生堂は、学芸大西口クリニック(東京都目黒区、院長医学博士佐藤克二郎医師)との共同研究で、色ムラ悩みの一つである赤み部位において、肌内部では表皮における血管内皮細胞増殖因子“VEGF(※1)−A”の増加によって真皮の毛細血管が増加・拡張し、慢性的な炎症状態となっていること、肌表面ではバリア機能が低下し肌あれ状態となっていることを新たに解明しました。

 ※1 vascular endothelial growth factor
 血管内皮細胞の増殖および血管の透過性亢進等に関与する一群の糖タンパク

 毛細血管の異常や炎症、肌あれに対応する成分(緑茶抽出液、グリチルリチン酸ジカリウムキシリトール)を配合したプロトタイプ美容液(試作品)を調製し、赤みを持つ健常な白人女性を対象に8週間継続使用する試験を行った結果、優れた改善効果が認められました。この新たな知見と技術は、赤み対応スキンケア化粧品の開発に向けて応用していきます。
 また、この研究成果の一部については、本年9月10日からデンマークコペンハーゲンで開催される「第44回ヨーロッパ研究皮膚科学会(44th Annual Meeting of the European Society for Dermatological Research)」で発表する予定です。


<研究の背景>
 資生堂は、世界89の国と地域で化粧品ビジネスを展開し、グローバル商品の研究開発を一層強化するため、世界のお客さまの肌状態や、美容意識、美容行動、生活環境などについて研究する「グローバルお客さま研究」を2008年より行っています(※2)。
 各国での調査を進めていくと、“赤み”や“シミ”などによって生じる「肌の色ムラ」は年代、人種を問わず、女性の肌悩みの上位に挙がってきました。特に欧米の白人女性においては“赤みの色ムラ”が顕著であることが明らかになりました。
資生堂では、色ムラの大きな原因のひとつであるシミ部位の研究を積み重ね、医薬部外品の美白有効成分を数多く開発してきました。さらに、もう一つの色ムラの大きな原因である“赤み”についても、その発生要因を解明し新たなスキンケア・ソリューションを開発すべく研究に着手しました。

 ※2 概要は末尾の「参考情報」を参照ください


<赤みの肌に関する研究と成果>

【赤みの分類】
 赤みを持つ白人女性を外観観察(N=60)した結果、A:肌全体に赤みが広がっているタイプ(70%)、B:毛細血管が浮き出たタイプ(18%)、C:ニキビが存在するタイプ(12%)の大きく3つのタイプに分けることができました(図1)。

 以後、最も多かった“A:肌全体に赤みが広がっているタイプ”に着目し研究を進めました。

 *図1は添付の関連資料を参照

【赤み部位の特性と発生要因の解明】
 赤み部位では血管状態に変化があると考えられたため、赤血球中の赤色タンパク質であるヘモグロビン量と血流量について機器計測を行った結果、赤み部位では赤みがない部位に比べ、それぞれ約30%増加していました。
 また、赤み部位では経皮水分蒸散量が約20%多く、肌表面のバリア機能が低下し肌あれ状態となっていることがわかりました(図2)。

 *図2は添付の関連資料を参照

 赤み部位の毛細血管の状態を詳細に調べるため、ビデオマイクロスコープで拡大観察しました。赤み部位では毛細血管がより多く認められ(II)、毛細血管の増加や拡張が示唆されました。また、赤みは毛穴周りで顕著に観察され(IV)、赤みの程度がより大きい部位では毛穴周りに加えて毛穴間にも赤みが広がっていることがわかりました(図3)。

 *図3は添付の関連資料を参照

 さらにミクロな解析を行うため、赤み部位の皮膚断面を染色して観察したところ、毛細血管の増加(約1.6倍)と拡張(約2.3倍)が確認できました。そこで、毛細血管の増加と拡張に関与する血管内皮細胞増殖因子“VEGF−A”について調べたところ、表皮で顕著に増加していることが認められました(図4)。

 *図4は添付の関連資料を参照

<赤みを改善するスキンケア・ソリューションの開発>
 赤み部位で、毛細血管の増加・拡張に関与しているVEGF−Aの産生を抑制する成分である“緑茶抽出液”、炎症を抑える有効成分である“グリチルリチン酸ジカリウム”、さらに肌あれを防ぐ成分である“キシリトール”を配合したプロトタイプ美容液(試作品)を調製し、赤みが肌全体に広がっているタイプの白人女性を対象として、8週間継続使用する試験を行いました。その結果、赤み抑制指標となる角層中のVEGF−A量、血流量(約13%減)、および肌あれ指標となる経皮水分蒸散量(約12%減)が良好になるとともに、外観も優れた赤み改善が認められました(図5)。

 *図5は添付の関連資料を参照


<参考情報>

 *添付の関連資料を参照





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