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NEC、上水道管の漏水を早期発見する「漏水監視サービス」を発売

2014-09-10

世界初、高精度センサとクラウドを組み合わせ、上水道管の漏水を早期発見する「漏水監視サービス」を発売
〜ビッグデータ技術を活用、新潟県柏崎市で効果を検証〜


 NECは、ビッグデータ収集・分析の最先端技術を用いて上水道の漏水状況を迅速・精緻に検知する世界初(注1)の「漏水監視サービス」を、本日から販売開始します。

 本サービスは、上水道管に漏水の微細な振動を把握できる通信機能付センサを多数接続し、センサから得られた大量のデータ(ビッグデータ)をクラウドシステムで解析するものです。これにより、水道事業者は、漏水発生とその地点を素早く正確に分かりやすい画面上で把握することが出来ます。

 なお、本サービスは、先行的に新潟県柏崎市(注2)などで実証を行っており、効果を確認しています。

 NECは2012年10月に、漏水検知分野の専業メーカとして世界トップクラスの技術を有するスイスのGutermann社(注3)とスマートウォーターマネジメント分野で協業しました(注4)。今回の新ソリューションは、本協業に基づき、両社の技術とノウハウを融合させたものです。

 NECは、社会ソリューション事業に注力する中、ビッグデータをはじめとする最新のICT技術を用いた社会インフラの劣化診断や老朽対策・防災力強化を推進しています。新ソリューションを活用し、安全・安心な街づくり、スマートシティの実現に貢献していきます。


<背景>
 現在、日本の上水道の漏水率は全国平均約5.0%(注5)と、世界的にも優れた水準にありますが、10%を大きく超える地域や自治体は今でも数多く存在し、今後は管老朽化進行や熟練保守員の減少などで、一層、深刻化するとみられています。
 また、現在の漏水調査は、埋設された管路の漏水音を専門保守員が器具を使って耳で確認する方法が主流であり、広大な管路の状態変化をタイムリーに把握するのが困難となっています。漏水検知専用器も販売されていますが、事故発生時に現地へ運び、漏水地点を特定するために使われるのが一般的で、漏水発見のスピードアップが課題となっています。漏水は貴重な資源・エネルギー・コストをかけて製造した上水を損失するという点で深刻な問題であり、人や周辺設備への被害も懸念されます。水道事業者にとっても、突発的に生じる漏水事故対応は大きな負担になっています。

 一方、世界の人口は2050年には90億人に到達すると予測されていますが、人間が利用しやすい水は地球上のわずか0.01%と言われており、水資源のマネジメントに対する需要が急増しています。世界から見た漏水問題は、日本よりさらに深刻で、貴重な水資源を有効活用するために、漏水をICTで効率的にモニタリングすることが重要になります。


<NECとGutermann社との協業>
 NECは2012年10月、Gutermann社とスマートウォーターマネジメント分野で協業契約を締結しました。Gutermann社は、グローバルに事業を展開している漏水検知分野の専業メーカとしてはトップクラスの技術と実績を有する企業です。このたび、両社の技術・ノウハウを融合した「漏水監視サービス」を開発し、NECが国内外で販売します。


<漏水監視サービスの特長>
 本サービスの利用により、従来、数か月以上にわたって放置されることが多かった漏水を、発生から1週間以内に検知・処置することが可能となり、漏水被害を初期段階で留め、水資源の有効活用に貢献します。

 ※イメージ画像は添付の関連資料を参照


1.世界初(注1)、高精度センサとクラウドを組み合わせ、低コスト・高品質に漏水監視を実現
 1.振動データを元にわずかな水の漏れを高精度に感知できるとともに、通信機能も搭載したセンサを上水道管路に設置。大量のセンサが捉えた振動データ(ビッグデータ)を、モバイル型受信機を搭載した自動車や野外に常設する固定受信機で収集。受信機からインターネットを介してNECのデータセンタ内のクラウドシステムで分析可能。

 2.漏水分析を行うシステムは、上水道管路に設置した複数のセンサの情報(漏水特有の振動)を相関分析し、漏水箇所を精緻(約1メートル範囲)に特定可能。これまで住民からの通報や専門保守員が現場で発見していた漏水を、システム画面上で常時監視できることで、早期に発見して初期段階でくい止めたり、ガス管への影響や道路陥没など二次被害を防ぐことが可能。


2.上水管への脱着が簡単なセンサの利用により、柔軟な漏水調査を実現
 1.今回用いるセンサユニットは、マンホール内の消火栓や分岐栓など金属露出部分に、センサに内蔵する強力磁石で装着するため、脱着が容易。上水道管への設置に特別な工事が不要(注6)で、数か月毎に測定位置を変更するなど、柔軟な調査が可能。

 2.センサユニットのバッテリは連続5年間(注7)の使用が可能で、交換の手間をかけずに長期運用が可能。


3.利用者が使いやすい画面、漏水対応作業など関連情報を一元管理
 1.汎用的な地図システムや水道局が有する水道マッピングシステムと連携して漏水場所や漏水確度を表示するなど、利用者が直感的に解りやすい操作画面(日本語)を用意。

 2.漏水対策工事などの情報も同システムに登録でき、漏水に関連する情報を一元管理した運用が可能。


<漏水監視サービスの価格、事業目標>
 漏水監視サービスの提供価格は、月額50万円(税別、注8)からです。
NECは本サービスを本日から販売開始し、今後3年間で、国内外の水事業者を中心に100団体への販売を目指しています。

 NECは、今回のスマートウォーターマネジメント、ビッグデータ、クラウドサービス基盤、エネルギー、セキュリティなど当社の技術やノウハウを活用し、水資源の有効活用に貢献することで、スマートシティ事業のグローバル推進を加速していきます。

 NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICT技術や知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。


以上


 (注1)常設型の振動センサとクラウドを組み合わせた上水漏水監視サービスの提供は世界初。

 (注2)柏崎市ガス水道局の協力のもと、(株)カシックス社と共同で、2013年8月〜2014年2月に、実際の水道管を使った実証実験を実施。約1mの精度(誤差)でほぼ正確に漏水を検知できることを確認。本実証で得たノウハウは、今回の新ソリューションの開発に反映。

 (注3)本社:スイス Baar、代表者:Lucas Grolimund

 (注4)詳細 http://jpn.nec.com/press/201210/20121023_02.html

 (注5)出典:(財)水道技術研究センター 平成23年度水道統計

 (注6)設置環境により、特別な工事が必要な場合もあります。

 (注7)センサの使用条件や設置環境により、連続使用時間は変動します。

 (注8)センサ50本、各種機器、ソフトウェアの利用料、標準保守費用が含まれています(通信方式や購入条件により異なります)


<本件に関する製品情報>
 「漏水監視サービス」紹介サイト
 http://jpn.nec.com/solution/waterloss-management/


<本件に関するお客様からのお問い合わせ先>
 NEC 交通・都市基盤事業部
 E−mail:waterloss_mgt@jpn.jp.nec.com




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