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リニアテクノロジー、バッテリ・システム向けに第2世代の高電圧バッテリ・モニタ「LTC6803」を販売
リニアテクノロジー、新製品「LTC6803」を販売開始
ハイブリッド/電気自動車のバッテリ・マネージメント・システムの性能を高める
第2世代高電圧バッテリ・スタック・モニタ
2011年2月22日−高性能アナログICのリーディングカンパニーであるリニアテクノロジーは、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)をはじめ、高電圧かつ高性能のバッテリ・システム向けに第2世代の高電圧バッテリ・モニタ「LTC6803」の販売を開始しました。LTC6803は量産中で、小型8mmx12mm 表面実装44ピンSSOPパッケージで供給されます。1,000個時の参考単価は995円(税込み)からで、リニアテクノロジー国内販売代理店各社経由で販売されます。サンプルリクエスト、評価用ボード及びデータシートなど製品の詳細情報はhttp://www.linear-tech.co.jpをご覧ください。
LTC6803は12ビットADC、高精度の電圧リファレンス、高電圧入力マルチプレクサ、シリアル・インタフェースを内蔵したバッテリ測定ICです。1個のLTC6803で、直列に接続された最多12個のバッテリ・セルを個別に測定できます。独自の設計により、オプトカプラやアイソレータなしで複数のLTC6803を直列にスタックできるので、直列接続されたバッテリ・セルから構成される長いストリングのセルごとに、高精度の電圧モニタが可能です。LTC6803は、2008年9月に発売されたLTC6802の後継デバイスです。同じ機能を備え、ピン配置も同じですが、LTC6802と比較して多くの性能向上が図られています。
全測定誤差の最大値は、−40℃〜125℃で0.25%未満であることが保証されています。セル測定範囲が−300mV〜5Vと広いので、さまざまな種類のバッテリやスーパーキャパシタをモニタできます。セルごとに低電圧状態と過電圧状態をモニタし、付属のMOSFETを使用して過充電されたセルを放電することができます。この他に、内蔵の5Vレギュレータ、温度センサ、GPIO ライン、サーミスタ入力などを備えています。
リニアテクノロジーのシグナルコンディショニング製品担当バイス・プレジデントを務めるErik Souleは、「リニアテクノロジーのバッテリ・スタック・モニタ製品ファミリの市場での実績が2年を超えた今、さらに性能を向上させたLTC6803を提供できることを嬉しく思います。自動車メーカーをはじめとする世界中のお客様が、当社の堅牢なバッテリ・スタック・モニタを採用しています。このファミリの最新デバイスであるLTC6803が、次世代のHEVやEVに対応する優れた性能を発揮することを確信しています」と述べています。
また、デザインマネージャであるMike Kultgenは、「LTC6803は高精度の高性能バッテリ・スタックの最新の要求に応えるデバイスです。LTC6803は、厳しい車載環境において高精度かつ安全で信頼できる動作を実現します」とコメントしています。
長期間バッテリ・パックを保存する場合、内蔵のバッテリ・マネージメント・システムが消費する電流によって、セル間の電圧が不均一になる可能性があります。LTC6803はこの問題に対処するため、消費電流が12μA未満のスタンバイ・モードを備えています。また、LTC6803の電源入力はスタックから絶縁されるので、独立した電力源から電流を得ることができます。この入力から電力を供給するときは、バッテリ・パックの消費電流は1μA未満に減少します。
LTC6803は、車載アプリケーションや産業用アプリケーションの環境、信頼性、安全面での要求を充分満たすように設計されており、−40℃〜125℃で動作することが規定されています。ISO 26262(ASIL)準拠システム向けに開発されており、フルセットの自己テストにより、潜在的なフォールト状態がないことを確認します。この規格を満たすため、LTC6803は冗長電圧リファレンス、広範なロジックテスト回路、オープンワイヤ検出機能、フェイルセーフ設計用のウォッチドッグ・タイマを内蔵しています。LTC6803は最大75Vを許容するので、12セルから構成されるストリング全体に対して20%を超える過電圧マージンを備えています。1MHzのシリアル・インタフェースはパケット・エラー・チェック機能を備え、大きなノイズや過渡電圧が生じても動作するように設計されています。
LTC6803の主な特長:
・直列接続された最多12個のバッテリ・セルを測定
・スタック可能なアーキテクチャにより、高電圧バッテリをモニタ可能
・−0.3V〜5Vのセル測定範囲により、種々のバッテリやスーパーキャパシタに対応
・全測定誤差:0.25%(最大)
・ノイズ・フィルタを内蔵したデルタシグマ・コンバータ
・受動セル・バランシング:
セル・バランシングMOSFETを内蔵
外付けバランシングMOSFETをドライブ
・内部温度センサとサーミスタ入力
・パケット・エラー・チェック付きの1MHz シリアル・インタフェース
・スタンバイ・モードでの消費電流:12μA
・独立した電源により、バッテリ・スタックの消費電流を1μAに低減可能
・ISO 26262準拠システム向けに開発
・安全のためのセルのランダム接続
・自己テスト機能を搭載
・オープンワイヤ接続フォールトの検出
・優れたEMI耐性
・AEC−Q100認証
・−40℃〜125℃での動作が規定
・44ピンSSOPパッケージ
フォトキャプション:第2世代の高精度、高電圧マルチセル・バッテリ・スタック・モニタ
※製品画像は添付の関連資料を参照
Copyright:2011 Linear Technology Corporation
<リニアテクノロジーについて>
S&P 500の一員であるリニアテクノロジーは、過去30年にわたり広範囲に渡る高性能アナログICの設計・製造及びマーケティング活動を行い、世界中の多くの企業に提供しています。リニアテクノロジーの半導体は、私たちのアナログ世界と「通信」、「ネットワーキング」、「産業」、「自動車」、「コンピュータ」、「医療」、「精密機器」、「民生」さらには「軍需航空宇宙」システムで幅広く使用されている、デジタル・エレクトロニクスとの架け橋の役目を担っています。リニアテクノロジーは、パワーマネージメント、データ変換、信号調整、RF、インタフェース、μModuleサブシステムを設計・製造しています。
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