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クボタ、欧米の排出ガス最終4次規制に対応するディーゼルエンジンの適合認証を取得
欧米の排出ガス最終4次規制に対応するディーゼルエンジンの適合認証を取得
当社はこのたび、欧州で2014年10月、米国で2015年1月より実施される排出ガス最終4次規制に対応するディーゼルエンジンの開発を完了し、米国のEPA(米国環境保護庁(※1))規制、CARB(米国カリフォルニア州大気資源局(※2))規制、および欧州の最終4次規制(ステージ4)の適合認証を取得いたしました。CARBについては国内メーカーで初めての取得となります。
今回認証を取得したディーゼルエンジンは、本年10月から順次量産を開始し、当社のトラクタ・建設機械に搭載されるほか、世界の大手建設機械・産業機械メーカーにOEM供給します。
I.認証の概要
1)認証取得時期
米国EPA規制:2014年7月17日
米国CARB規制:2014年7月30日
欧州規制 :2014年6月19日
2)認証取得製品
56〜130kWの産業用ディーゼルエンジン
(1)3.8L V3800型:ターボインタークーラー仕様(過給機付+給気冷却)
(2)6.1L V6108型:ターボインタークーラー仕様(過給機付+給気冷却)
II.クボタの排出ガス規制対応技術と規制対応状況
・米国において2015年1月より実施されるノンロードエンジン(56〜130kW)に対する排出ガス最終4次規制は、排出ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)排出量を現行規制(第4次排出ガス規制)に対し約90%低減しなければならない厳しい規制です。
・当社では、NOx低減対応のため、新たなデバイスとして「尿素選択還元型触媒(尿素SCR)(※3)」マフラーを採用。現行規制より採用している「ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)(※4)」および「ディーゼル酸化触媒(DOC)(※5)」とあわせた排気ガスの後処理装置システムを開発しました。
・また、今回の規制対応においても、搭載しやすいコンパクトな設計という現行機種の特徴を維持し、一部製品においては高出力化も実現しました。
・日本では2015年10月より特殊自動車および特定特殊自動車の規制が改訂され、今回認証取得した米国・欧州と同等の規制となります。日本市場においても、今回開発を行ったエンジンを投入していく予定です。
※1 EPA(Environmental Protection Agency)
米国環境保護庁。市民の健康保護と自然環境の保護を目的とするアメリカ合衆国連邦政府の行政機関。
※2 CARB(California Air Resources Board)
米国カリフォルニア州大気資源局。カリフォルニア州の大気汚染を防止するカリフォルニア州政府の行政機関。
※3 尿素選択還元型触媒(尿素SCR)
排出ガス浄化技術の一つで、添加した尿素によって生成させたアンモニアを還元剤として、窒素酸化物(NOx)を無害な窒素(N2)と水(H2O)に分解する触媒。
※4 DPF (Diesel Particulate Filter)
ディーゼルエンジンの排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集する排ガス後処理装置(フィルター)。
※5 DOC (Diesel Oxidation Catalyst)
酸化触媒機能を使って、PM(すすなどの浮遊粒子状物質)中に含まれるSOF(Soluble Organic Fraction:有機溶媒に溶ける成分)を低減させる排ガス後処理装置。
*製品画像は添付の関連資料を参照
以上