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日立化成、蓄電システム向けに高率放電が可能な新型鉛蓄電池を開発

2014-09-05

従来比1.5倍の高率放電が可能な新型鉛蓄電池「LL1500−WS」を開発
―出力変動緩和用途、電力貯蔵用途向け蓄電池の導入コストの低減が可能―


 日立化成株式会社(本社:東京、代表執行役社長:田中 一行、以下、日立化成)は、このたび、再生可能エネルギー用蓄電システム向けの鉛蓄電池として、当社従来品に比べ放電電流を1.5倍高めた「LL1500−WS」を開発しました。2014年9月3日より販売を開始します。

 日立化成グループでは電力貯蔵用鉛蓄電池の技術をベースに、2009年に期待寿命(※1)17年という業界で最も長寿命(※2)な風力発電の出力変動緩和用サイクル長寿命鉛蓄電池「LL1500−W」を開発し、これまでに日本国内では風力発電所や事業所向けに8件の納入実績があります。
 風力発電など再生可能エネルギーの出力変動緩和用途の場合、蓄電池の放電容量のほか、瞬間的な大きな変動にも対応することが求められます。より高い放電電流を実現するためには、蓄電池容量を大きくする必要があり、導入コストが高くなる課題がありました。

 従来品LL1500−Wは、単電池の最大放電電流が600Aでした。このたび、その導電部を改良し端子本数を3倍に増やすことで、期待寿命17年を保持しながら単電池の最大放電電流を従来比1.5倍の900Aに高めた新製品LL1500−WSを開発しました。再生可能エネルギーの出力変動緩和や、負荷平準化(ピークカット等)と非常時バックアップ併用など、瞬間的に出力が変動する用途において少ない単電池数で高い放電電流を得ることができ、従来の単電池数を増やして高い放電電流を得る方法に比べ、導入コストの低減が可能となりました。また、蓄電池設置スペース・質量においても従来比で低減することができます。


【LL1500−WSの開発ポイント】

 (1)端子本数を正極3本/負極3本の構造(従来は各1本)にすることで、端子部の断面積を約25%増加させました。
 (2)蓄電池内部の極板を並列接続している鉛溶接部の電流密度を1/3としました。
 (3)端子部の断面積増加と鉛溶接部の電流密度の減少により、放電時の当該部分の発熱や電圧降下を抑制し、従来比1.5倍の電流での放電が可能となりました。


【新製品の効果(LL1500−WSの導入比較例)(※3)】

 ・1MWで1時間放電するシステムの場合、従来品(LL1500−W)比で蓄電池価格(※4)は約12%、蓄電池の設置スペースは約16%、蓄電池質量は約15%の低減が可能。
 ・1MWで0.5時間放電するシステムの場合、従来品(LL1500−W)比で蓄電池価格(※4)は約28%、蓄電池の設置スペースは約28%、蓄電池質量は約31%の低減が可能。

 ※1 期待寿命とは一定環境下、日立化成の指定充放電でのベンチ試験における寿命
 ※2 2014年8月末時点 自社調べ
 ※3 仕様や導入の条件等により、効果が異なる場合があります
 ※4 蓄電池のみの販売価格であり、設置工事費用は含んでおりません
L
■L1500−WS(新製品)とLL1500−W(従来品)の比較

 *添付の関連資料「参考資料」を参照


 日立化成グループは今後も、性能・品質・価格面でより魅力的な新製品の開発を続け、風力発電・太陽光発電といった再生可能エネルギーの導入促進を進めることで、持続可能な社会作りに貢献してまいります。


以上


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