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ミサワホーム、FWSを採用した戸建住宅の試行棟が札幌市内の分譲地に完成
FWSを採用した初の戸建住宅の試行棟を建築
○超高耐力パネルによるラーメン構造と壁式構造を組み合わせたFWS
○幅6m超の大開口と34畳の大空間を実現したスケルトン・インフィル設計
○間仕切り壁や建具を設置する前の大空間を今週末に一般公開
ミサワホーム株式会社(代表取締役社長執行役員 竹中宣雄)が取り組む独自構法FWS(フューチャー・ウッド・システム)を採用した初の戸建住宅として、販売子会社のミサワホーム北海道株式会社(本社 北海道札幌市/代表取締役社長執行役員 小野昌幸)が札幌市内の分譲地「ミサワホームタウン森林公園駅セカンドステージ」に建築中の試行棟が、このほど完成します。
FWSは、低炭素社会実現に向けて循環資源である木材の建築物への積極的な活用が求められていることなどを背景に、当社グループの株式会社ミサワホーム総合研究所(本社 東京都杉並区/代表取締役社長 佐藤春夫)を中心に研究開発を進めている構法で、構造体にはミサワホーム独自の木質接着複合パネルをさらに高強度にした超高耐力パネルを使用しています。
FWSの第1弾は、2方向ラーメン構造を採用した3階建の大規模建築物「ミサワホーム 静岡事務所ビル」、第2弾は壁式構造を採用した耐火構造の4階建店舗兼共同住宅「赤羽の集合住宅プロジェクト」、そして、第3弾となる今回の物件はFWS初となる戸建住宅で、厚さ120mmの超高耐力パネルを組み合わせた門型フレームと耐力壁とで構成される1方向ラーメン・1方向壁式構造を採用しました。空間内部は耐力壁を必要としないため、大開口と大空間が可能となり設計自由度がさらに向上しています。また、幅6mを超える大開口に加え、間仕切り壁を設置する前の状態で34畳の大空間を実現しており、ガラスのファサードを採用したい商業施設や大きな開口部を設けたいデザイン住宅などへの対応も可能となるほか、家族構成の変化に合わせた将来の間取り変更にも対応できます。さらに、1方向が壁式構造なので、2方向ラーメン構造と比べて小断面の部材でフレームを構成できて、空間の有効活用とコストの抑制にも寄与することから、戸建住宅や比較的小規模な建物に適しています。
建物は、約4kWの太陽光発電システムを搭載したファミリータイプの2階建となっており、また、高性能Low−Eガラスや基礎断熱の採用で断熱性能を高め、エネルギー消費を抑制したことなどから、低炭素建築物の認定も受けています。なお、積雪荷重を考慮した構造設計が求められる多雪地域においても実現できる大空間のスケルトン・インフィル設計を体感してもらえるように、間仕切り壁や建具を設置する前の段階で8月23日(土)及び24日(日)の2日間一般公開し、その後、内部を仕上げて分譲住宅として販売します。
ミサワホームグループでは、今後も大規模建築物をはじめ中層建築物や低層住宅など、様々なニーズに対応できるFWSの開発・検証を進めるとともに、FWSの普及に向けた取り組みを積極的に推進していく考えです。
■FWSの特長
通常の木質系工業化住宅で使用する木質接着複合パネルをベースに、その面材である合板をさらに厚くし枠材を強化するなど、より強度を高めた超高耐力パネルを構造体として使用する構法です。大規模建築物や中層建築物の木質化など、木質構造の可能性を広げることを目的に当社グループが研究開発に取り組み、これまでに、2方向ラーメン構造と壁式構造のFWSを開発しています。今回は、ラーメン構造と壁式構造を組み合わせた1方向ラーメン・1方向壁式構造となっています。元々、ミサワホームの木質系工業化住宅は、木質接着複合パネルを使用した壁式構造の住まいとなっており、高分子接着剤やスクリュー釘を使用して建物全体を一体化したモノコック構造を形成することから、地震や突風、積雪などの外部からの荷重を建物全体で分散して吸収することが可能で、優れた耐震性と建物強度を発揮するとともに、フレキシブルな空間設計を実現しています。
今回の1方向ラーメン・1方向壁式構造は、これらの特長のほかに、以下のような特長を備えています。
・厚さ120mmの超高耐力パネルを組み合わせたラーメン構造の門型フレームにより、幅6mを超える大開口を実現。
・2方向ラーメン構造と比べて小断面の部材でフレームを構成できるため、空間の有効活用とコスト抑制に寄与。
・30畳を超える大空間も実現できるスケルトン・インフィル設計により、将来の間取り変更にも柔軟に対応。
※参考画像は添付の関連資料を参照
■物件概要
【建設地】北海道札幌市厚別区「ミサワホームタウン森林公園駅セカンドステージ」内
【敷地面積】255.98m2
【建築面積】80.28m2
【延床面積】145.39m2(約43.98坪)
【階数】地上2階建
【設計監理】株式会社ミサワホーム総合研究所
【販売】ミサワホーム北海道株式会社
【施工】テクノエフアンドシー株式会社
【竣工日】2014年9月末予定
※完成イメージは添付の関連資料を参照