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富士経済、「エネルギーマネジメントシステム(EMS)の国内市場を調査」結果を発表

2014-08-22

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の国内市場を調査
―システム市場 2020年予測:1,553億円(13年比70.8%増)―
東京オリンピック開催にともなう再開発でBEMS大規模案件が増加


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、2014年4月から6月にかけて、電力改革や再生可能エネルギーの大量導入などによって様々なビジネスチャンスが生まれるエネルギーマネジメントシステム(EMS)の国内市場を調査した。
 その結果を報告書「2014 エネルギーマネジメントシステム関連市場実態総調査」にまとめた。


<調査結果の概要>
 エネルギーマネジメント関連市場

 ※表資料は添付の関連資料「表資料1」を参照

 システム市場は2013年に各品目が拡大し、前年より補助金が支給されているHEMSが特に伸びた。しかし、2014年はHEMS補助金の支給要件が厳しくなったことや、BEMS補助金終了による簡易型BEMSの需要減少により、市場は縮小が見込まれる。長期的にはHEMSを筆頭に拡大を続け、簡易型BEMSも回復するほか、更新需要が中心であるBEMSでも2020年の東京オリンピック開催にともなう再開発で大規模案件が期待されることから、市場は2017年に1,000億円を突破し、2020年には2013年比70.8%増の1,553億円が予測される。
 機器市場は、2013年に前年から施行されたFITの影響でパワーコンディショナ(太陽光発電向け)が大きく伸び、全体としても拡大した。2014年はパワーコンディショナの伸びがやや鈍化するものの二桁増を維持し、スマートメーターは本格導入が進むことで前年比3.0倍が見込まれることから、市場は引き続き拡大するとみられる。長期的にもパワーコンディショナとスマートメーターがけん引し、2020年には2013年比74.4%増の4,452億円が予測される。
 サービス市場は、オンサイト型エネルギーサービスが2013年に1,000億円に達した。省エネサービスは規模が小さいながらも業務・産業向け、家庭向け共に拡大を続け、全体としても市場は2020年には2013年比44.0%増の1,477億円が予測される。


<EMS市場拡大のカギを握るポイント>

 ※表資料は添付の関連資料「表資料2」を参照

 今後のEMS市場を左右する社会的な大きな流れとして「電力改革」「エネルギー安全保障」「少子高齢化などによるライフスタイルの変化」「ビッグデータの活用」が挙げられる。これを細分化した9つのポイント(上表右)の中で、特に重要なのが以下の4点である。
 
 1)電力小売完全自由化
 2)再生可能エネルギーの増加
 3)分散型電源市場の拡大
 4)家庭向けサービスの充実


1)電力小売完全自由化提供サービスの差別化メニューとして小売事業者によるHEMSの提供にも期待
<関連市場:HEMS、MEMS、マンション高圧一括受電サービス、新電力>
 2016年からの電力小売完全自由化が決まり、通信事業者、石油関連会社、商社、小売業、ハウスメーカーなど多様な企業が家庭向け電力小売事業への参入を表明している。単に電力を販売するだけでなく、既存事業とのシナジー効果や電力とのセット売り、顧客との接点を活用した関連サービスの提供など、新たなビジネス展開が期待される。
 電力小売自由化と新たなサービスの登場がEMS市場に具体的にどのような影響を与えるかは、自由化の詳細な制度設計が固まっていない現状では不透明である。しかし、新規参入事業者の急増によって価格競争に陥る可能性もあり、これを避けるため各事業者は様々なサービスを付加し差別化を図るとみられる。そしてその差別化メニューの一つとして、HEMSの提供が想定される。
将来的には、時間単位・分単位で電力会社の切り替えが可能になる状況も想定され、需要家データの収集機器としてHEMSの役割が一層重要になる可能性もある。


2)再生可能エネルギーの増加アンシラリーサービス向け電力確保で、自動デマンドレスポンス
<関連市場:見える化ツール、パワーコンディショナ、デマンドレスポンスサービス(業務・産業向け)>
 再生可能エネルギーの大量導入に伴い、発電量や周波数の変動を調整し系統を安定化させるアンシラリーサービス市場もいずれ立ち上がると思われる。海外では、供給側での火力や水力発電電力による調整や需要側での蓄電池による調整が行われているが、火力発電での調整は定格出力以下での運転が基本となり非効率である。また蓄電池はコスト面での課題もあることから、デマンドレスポンス(以下DR)によるアンシラリーサービスが期待される。アンシラリーサービス向けの電力は即時応答性が求められ、自動DR(ADR)が必須となる。現在経済産業省が主体で行っている実証実験や標準化に向けた動きが実を結べば、新たな市場が形成される。
 なお直近の動きとしては、メガソーラーやウィンドファームなどの稼働状況の監視は遠隔地から行うことが多く、見える化ツールの中でもネットワーク対応が可能なマルチ指示計器の需要が高まっている。


3)分散型電源市場の拡大 改正省エネ法により自己消費目的で導入増、制御システムとしてEMS
<関連市場:HEMS、MEMS、BEMS、簡易型BEMS、FEMS、店舗向けEMS、CEMS>
 分散型電源の市場は、FITや東日本大震災以降のBCPニーズの高まりにより拡大している。また、改正省エネ法によって業務・産業分野でのピークカット・ピークシフトニーズが増加し、これまで売電がメインであった再生可能エネルギーや、蓄電池に加え、コージェネレーションなどの分散型電源を自己消費目的で導入する動きもみられつつある。
 EMSは電力の需給状況に応じて分散型電源を最適制御するためのシステムとして、節電要請時のDRや時間帯別電力料金への対応(電気料金の高い時間帯の電力購入削減)を自動で行うための採用が想定される。なお、将来的には施設単体ではなく地域単位での需給管理が進むことも考えられる。


4)家庭向けサービスの充実HEMSをどのように活用するかが焦点、関連サービスもようやく本格化
<関連市場:HEMS、家庭向け省エネサービス>
 HEMSは家庭向けサービス提供時のプラットフォームとしての役割を担う。大手ハウスメーカーではHEMSが標準搭載となっており、今後どのように活用していくかがベンダーとしての注力ポイントになる。
 現状提供されるサービスは見える化などの省エネサービスが中心でサービス料金も月額数百円であるため市場規模が小さい。しかし、今後はセキュリティやヘルスケアなどの分野でビッグデータ活用による多様なサービス展開が期待され、HEMSを中心とした関連サービスの取り込みもようやく本格化するとみられる。


 この他、発送電分離が予定され、発電所の容量を金銭価値化し取引する容量市場が動きだす2018年以降にDRの動きが本格化すると予想される。現状では需要逼迫時の緊急用として業務・産業向けのDRサービスがあるが、発送電分離後は電力系統の安定的な運用のためのシステムとして日常的に使用されるとみられる。なお、家庭向けは1件あたりの電力量が小さいためボリュームの確保が必要となり、市場として動きがみられるのは2020年以降である。


<調査対象品目>

 ※表資料は添付の関連資料「表資料3」を参照


<調査方法>富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用


<調査期間>2014年4月〜6月


以上


 資料タイトル:2014 エネルギーマネジメントシステム関連市場実態総調査
 体裁:A4判 265頁
 価格:書籍版 120,000円+税
     PDF版 120,000円+税
     書籍版・PDF版セット 140,000円+税
 調査・編集:株式会社富士経済 大阪マーケティング本部 第二事業部
         TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030
 発行所:株式会社富士経済
      〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
      TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165
      e‐mail:info@fuji−keizai.co.jp
      この情報はホームページでもご覧いただけます。
      URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ https://www.fuji-keizai.co.jp/




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