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ダイキン、スギ花粉を分解し花粉症を引き起こすアレルゲンの消失を可視化
スギ花粉を分解し、花粉症を引き起こすアレルゲンの消失を可視化
山形大学との共同実証
ダイキン工業株式会社は、山形大学 医学部の白澤信行 准教授との共同研究により、強力な酸化分解力を持つ当社独自のストリーマ放電がスギ花粉を分解し、花粉症の原因となるアレルゲンを消失させる様子を可視化することに成功しました。
今回、スギ花粉が物理的に分解・除去される形態の変化だけでなく、花粉症の症状を引き起こすアレルゲンが消失していく様子まで同時に可視化する実験法を確立しました。本実験は、あらかじめスギ花粉から抽出したアレルゲンに対してではなく、スギ花粉そのものに対してストリーマ放電を照射して効果を実証したものであり、花粉に対する効果実証としては過去に例を見ないものです。
スギ花粉に含まれる2種類のアレルゲン(クリジェー1(ワン)、クリジェー2(ツー))は、春の花粉症の代表的な原因物質であるとされており、スギ花粉症患者の92.4%はクリジェー1、クリジェー2の両方に対してアレルギー反応を起こすことが報告されています(※1)。クリジェー1はスギ花粉の表面に含まれる一方で、クリジェー2は花粉内部の細胞質内に含まれており(※2)、スギ花粉症を予防するためにはこれら2種類のアレルゲンを分解・除去する必要があります。
今回の実証では、強力な酸化分解力を持つストリーマ放電によってスギ花粉が分解・除去される形態の変化を調べるために、対象物を立体的に観察することが可能な走査型電子顕微鏡を用い、ストリーマ放電を照射したスギ花粉を撮影しました。また、花粉症の症状を引き起こす抗原性の変化についても調べるため、ストリーマ放電を照射した花粉を、クリジェー1およびクリジェー2に反応して蛍光を発する抗体と結合させ、花粉症を引き起こすアレルゲンの有無について蛍光顕微鏡を用いて撮影しました。その結果、ストリーマ放電がスギ花粉を分解・除去し、また花粉症を引き起こす抗原性を消失させることが確認できました。
なお、今回の研究成果は、2011年11月10日〜12日にグランドプリンスホテル新高輪で開催される、第61回日本アレルギー学会秋季学術大会にて山形大学と共同で発表する予定です。
※1 平成4年度厚生省アレルギー総合研究事業研究報告書、p166−168(1993)
※2 スギ花粉アレルゲンCryj1とCryj2の発芽花粉における局在性.日本花粉学会会誌、p15−22(2004)
*以下の資料は、添付の関連資料を参照
【2種類のアレルゲンからなるスギ花粉の構造】
■実証結果
【ご参考資料】