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NICT、第24太陽活動サイクル初の大型フレアを確認

2011-02-21

太陽活動が再び活発に

〜第24太陽活動サイクル初の大型フレアを確認〜


 情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:宮原秀夫)は、2011年2月15日(火)10時44分(日本時間)に大型の太陽フレア現象(*1)を確認しました。このような大型の太陽フレア発生は約4年ぶりであり、数年間にわたって静穏であった太陽活動が活発化に転じたことを示唆しています。太陽活動が活発化することで、今後は数年間にわたり、通信衛星放送衛星などの人工衛星の障害、GPSを用いた高精度測位の誤差、短波通信障害などの発生確率が高くなっていくと予想しています。今回の太陽フレアの影響は2月17日(木)〜18日(金)未明頃に到来すると予想されます。

 NICTは、2011年2月15日(火)10時44分(日本時間)に、大型の太陽フレア現象(*1)を確認しました。今回の太陽フレアに伴うX線強度は通常時の100倍以上(最大時)であり、この規模の太陽フレア発生は、2006年12月以来となります。

 一般に、大規模な太陽フレアが発生した場合には、それに伴う様々な環境変動が地球近傍の宇宙空間で生じます。これらの宇宙環境変動には、フレア発生直後(数分程度)に確認される変動と、数日かけて地球に到来してから確認される変動があります。前者については、NICTの観測により、太陽フレアによる太陽電波バースト現象(*2)と電離圏および地磁気変動を確認しました。後者については、2月17日(木)〜18日(金)未明頃に地球に到来すると予想しています。


1)本日までに確認された現象

・太陽フレアに伴う太陽電波バースト現象
 NICTの太陽監視望遠鏡により、大型の太陽フレア現象(図1参照)が確認されました。また、NICTの電波望遠鏡により、太陽フレアに伴うコロナ質量放出現象(*3)、及びその前面の衝撃波から発生したと考えられる電波を観測しました。

・太陽フレアに伴う電離圏現象(デリンジャー現象(*4))
 太陽フレア発生に伴い、稚内、東京、沖縄を含む日本全域上空の電離圏において、NICTの電離圏観測装置がデリンジャー現象を観測しました。


2)本太陽フレアに伴い、今後発生が予想される現象

・磁気嵐現象
 地球周辺の宇宙環境が大規模に変動し、これに伴う地磁気の乱れや地球周辺の高エネルギー粒子の到来により、通信衛星放送衛星などの人工衛星に障害が発生する可能性があります。また、オーロラ活動が活発になることがあります。

・電離圏嵐現象
 電離圏の状態が変動し、短波通信等の無線通信への障害や、GPSを用いた高精度測位の精度が一時的に劣化する現象が生じる可能性があります。

 NICTでは、太陽活動や宇宙環境変動の情報提供を長年にわたり行ってきました。2008年1月頃から始まった第24太陽活動サイクル(*5)は、これまでの太陽サイクルと比べ静穏でした(図3参照)が、今回の現象により、今後の太陽活動は活発化に向かうと考えています。活発化に伴い、今回の現象のような宇宙環境が乱れた状態が発生しやすくなると考えています。今後の宇宙環境の状態については、NICTの宇宙天気予報ポータルサイト( http://www2.nict.go.jp/y/y223/sw_portal/sw_portal.html )で随時提供していきます。


 ※ 用語解説・図説は、関連資料参照

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