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奥村組、建設機械の低周波音に対応した「アクティブ消音システム」を開発し効果確認

2014-07-28

建設機械の低周波音対策に「アクティブ消音システム」を実適用


 株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、社長:奥村太加典)は、建設機械から発生するさまざまな低周波音に対応した「アクティブ消音システム」を開発し、実工事に適用して低周波音の低減効果を確認しました。


【背景】
 建設現場における騒音対策としては、防音塀や防音パネル等を敷地境界に配置し遮音する手法が多く採用されていますが、鋼材同士の接触音など周波数の高い音に対しては有効であるものの、主に建設機械から発生する周波数の低い音に対してはあまり効果が期待できませんでした。
 低周波音の音圧低減技術としては、人工的に作成した打ち消し音を低周波音に放射するアクティブ・ノイズ・コントロール(図−1)があり、空調ダクトの消音等で利用されています。しかしながら、建設機械の場合、作業内容に応じてエンジン回転数が変動し、同じ低周波音であっても卓越周波数(音圧が最も大きい周波数)が変化するため、その変化に応じて打ち消し音を機動的に作成・放射することが難しいという課題がありました。


【概要】
 当社が開発した「アクティブ消音システム」は、低周波音を感知する‘参照マイク’、感知した低周波音の卓越周波数に応じて打ち消し音を作成する‘制御装置(PC)’、作成した打ち消し音を放射する‘スピーカ’で構成されており、音源の近くに設置して使用します(写真−1、図−2)。
 制御装置には、参照マイクで感知した卓越周波数の音の特性を瞬時に判読し、最適な打消し音をスピーカから放射するプログラム(フィードフォワード制御による)が組み込まれており、低周波音の卓越周波数が変化した場合にも迅速かつ効果的に対応することができます。


【実工事への適用】
 市街地での立坑掘削工事において、水中掘削用のグラブバケットを搭載したラフテレーンクレーン(最大揚重能力:50t)に本システムを適用して、低周波音の低減を図りました(写真−2)。
 主にクレーンの排気筒から発生する低周波音は、クレーンの作業状況[バケット巻下げ、掘削(バケットの開閉)、バケット巻上げ、ダンプトラックへの掘削土の積込]に応じたエンジン回転数の変動によって卓越周波数が30〜60Hzの範囲で頻繁に変化しました(図−3)。
 本システムを構成する参照マイクとスピーカをクレーン排気筒付近に設置した結果、敷地境界(音源より15m離れた地点)において、最も大きな音圧を示したバケット巻下げ作業(63Hz帯域)で10dB以上の音圧の低減が図れ、本システムの有効性が確認できました(図−4)。

 今後、市街地での建設現場において、建設機械から発生するさまざまな低周波音の有効な低減対策のひとつとして、積極的に展開していく予定です。


 ※以下の資料は添付の関連資料「参考資料」を参照
  ・図−1 アクティブ・ノイズ・コントロールの原理
  ・写真−1 「アクティブ消音システム」の構成機器
  ・図−2 「アクティブ消音システム」の概要
  ・写真−2 ラフテレーンクレーンへの適用例
  ・図−3 ラフテレーンクレーンから発生する卓越周波数の変化(1サイクル作業:排気筒近傍)
  ・図−4 システム適用効果(バケット巻下げ時:敷地境界)



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