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三菱総研とNEC、「平成26年度 二国間クレジット制度の構築に係る実現可能性等調査」を受託

2014-07-11

平成26年度 二国間クレジット制度の構築に係る実現可能性等調査を受託
〜情報通信技術を活用したREDD+事業実施の効率化〜


 株式会社三菱総合研究所(以下 三菱総研)および日本電気株式会社(以下 NEC)の2社(注1)は、環境省の委託により公益財団法人 地球環境センター(以下 GEC)が公募した「平成26年度 二国間クレジット制度(注2)の構築に係る実現可能性等調査委託業務」に、昨年度に引き続き「情報通信技術を活用したREDD+(注3)事業実施の効率化に資する調査」(以下 本調査)の提案を共同で行い、このたび採択されました。

 本調査では、昨年度調査において開発・検討した温室効果ガス削減量の測定・報告・検証(MRV)方法論(注4)の精度を高めるため、バイオマスの推定評価に基づく、高精度の森林分類手法の開発を行います。

 具体的には、インドネシア東カリマンタン州にあるオランウータン保護のための森林において、現地サンプリング調査結果と、高分解能の衛星画像を組み合わせて解析することにより、バイオマス分布の推定マップを作成し、これをもとに、森林の一次林/二次林の分類を行います。この手法では、現地サンプリング調査の作業負荷を低減し、より効率的でかつ高精度の分類結果を得ることを目指します。

 また、森林に生計を依存する地域社会や、先住民のコミュニティの発展を支援し、違法伐採による森林劣化を抑制する取り組みとして、エコツーリズム(注5)の開発・実施に関する検討も併せて行います。


 本調査における各社の役割は次のとおりです。

<三菱総研>
 ・プロジェクト全体の取り纏め
 ・MRV方法論の運用支援
 ・テクスチャ解析技術等を用いた衛星画像解析
 ・エコツーリズムに関する動向調査など

<NEC>
 ・ハイパースペクトルセンサ(注6)の将来的な利活用を視野に入れた衛星リモートセンシングデータの処理、解析
 ・タブレット端末「LifeTouch B」を活用し、調査現場における森林資源や生物多様性に関するモニタリングデータの収集を支援するシステムの整備
 ・プロジェクトの運営方針策定
 ・現地カウンターパートナーであるBOS財団(注7)との調整
 ・現地調査の統括


 三菱総研は、REDD+プロジェクトにおける温室効果ガスの削減量について、高精度の解析結果が得られるMRV方法論の構築に関する検討を行うとともに、本プロジェクト全体の取り纏めを行います。さらに、他地域のプロジェクトにも適応可能な汎用性の高い方法論を構築することにより、インドネシア国内でのREDD+事業実施の促進に貢献することを目指します。

 NECは、ICTを活用して高度な社会インフラを提供する「社会ソリューション事業」を通じて気候変動対策や生物多様性保全に貢献することを目指しています。NECは、本調査を今後の二国間オフセット・クレジット支援システムの開発や生物多様性貢献ソリューション分野の拡大に向けたモデルケースのひとつと位置づけ、今後ビッグデータ技術を活用した各種データ解析の実施などについても検討してまいります。


以上


(注1)株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大森京太)
 日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:遠藤信博)

(注2)二国間クレジット制度:
 途上国への温室効果ガス削減技術・製品・システム・サービス・インフラなどの普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価し、日本の削減目標の達成に活用するものです。GECが公募した調査は、二国間クレジット制度の下での実施が見込まれるプロジェクトを対象として、当該プロジェクトに適用可能な方法論を開発することや、そのプロセスで得られる知見・経験を集約することを目的としています。

(注3)REDD+:
 途上国での森林減少・劣化の抑制や森林保全による温室効果ガス排出量の減少に、資金などの経済的なインセンティブを付与することで排出削減を行おうとする取り組み。森林減少ないしは劣化の抑制を対象とするREDD(Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation)に対し、森林減少・劣化の抑制に加え、森林保全、持続可能な森林経営および森林炭素蓄積の増加に関する取り組みを含む場合にはREDD+と呼ばれています。

(注4)MRV方法論:
 温室効果ガスの排出削減の実施状況を測定(Measurement)し、国際的に報告(Reporting)し、その削減状況を検証(Verification)する方法論。

(注5)エコツーリズム
 環境資源・生物資源を観光に用いる活動であり、クリーン経済の発展と、環境資源・生物資源の保全に寄与する活動。

(注6)ハイパースペクトルセンサ:
 計測対象物の性質・物性を示す光の波長を細かく分けて捉えることができ、地上の物質の同定、土地被覆や植物の分類などを高精度に実施することが可能なセンサ。

(注7)BOS財団(Borneo Orangutan Survival Foundation):
 カリマンタン島(ボルネオ島)のオランウータンの保護と、その棲みかである熱帯雨林の保全・再生、オラウータンを自然に還すことを活動理念とする、国際的なNGO。






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