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奈良先端大とCTC、ビッグデータを効率的に処理する情報基盤・計算機環境を強化

2014-06-30

ビッグデータを効率的に処理する情報基盤・計算機環境を強化
全学の統合システムでインテリジェント・キャンパス実現
〜遠隔地とのデータバックアップ、被災時のネット環境確保も考慮〜


 奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市、学長:小笠原 直毅、以下:奈良先端大)は、平成25年度に情報基盤・計算機環境を強化し、災害時の事業継続も考えたシステム構築のための調達を行い、平成26年度から逐次、新たなシステムの本格運用を始めています。
 新たに導入したシステムは次の4つです。

 1.全学情報環境システム
 2.高度統合情報基盤ネットワークシステム
 3.遠隔拠点間データバックアップシステム
 4.アドホック型衛星インターネット通信システム

 1〜3については、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:菊地 哲、略称:CTC)が、4については、スカパーJSAT株式会社(東京都港区、代表取締役 執行役員社長:高田 真治)が受注し、奈良先端大との協力体制のもとシステム構築を実施しました。

 奈良先端大は平成3年に創立、現代社会の基盤的な研究分野である情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学をテーマにした3つの研究科からなる国立大学院大学です。こうした先端分野の研究・教育活動を推進していくために必要な最新の情報処理環境を整備し、学内に提供し続けてきました。

 今回の調達では、まず「高度統合情報基盤ネットワークシステム」をネットワークの基盤にしたうえで、連携する「全学情報環境システム」により個々の研究者、学生、職員に対して先端的な研究環境と充実した大学院教育環境を提供することで、インテリジェント・キャンパスを実現しています。また、沖縄科学技術大学院大学と接続した「遠隔拠点間データバックアップシステム」や、被災してもインターネットが使える「アドホック型衛星インターネット通信システム」により、災害時でもネット環境が途絶えることのないように配慮しています。
 システムの詳細は下記の通りです。


1.全学情報環境システム
 全学情報環境システムでは、国内の教育機関としては初めてオラクルのビッグデータ専用Hadoop(*1)実行基盤システム「Oracle Big Data Appliance」を大容量データ処理ノードとして導入しました。大規模データを分散し並列して効率的に処理することで処理速度を速めるシステムです。他にも、データ保存に関しては国内で初めてオラクルの統合ストレージ製品「Oracle ZFS Storage ZS3−2」を採用。汎用分散ファイルシステムである「GlusterFS」による広帯域分散ファイルサーバ、ヒューレット・パッカードの超低電力・高密度型カートリッジサーバの「HP Moonshot System」(4.3Uのシャーシに45カートリッジを搭載。1Uは1.75インチの高さ)を3シャーシ・135ノード分でたった13Uのスペースに導入、更に15.8TFLOPS のGPGPUを搭載した超並列演算ノード「HP ProLiant SL6500 Scalable System」も導入しています。これらのシステムを、国内の教育機関としては初めての導入となる、オラクルのI/O仮想化コントローラ「Oracle Fabric Interconnect」により信頼性が高いネットワーク技術のInfiniBand(*2)と仮想的に作成されるイーサネットにて相互接続し、途絶えることがないシームレスな有効活用を実現します。

 ◇図1は添付の関連資料を参照


2.高度統合情報基盤ネットワークシステム
 ネットワークの主要な部分は100Gbpsの帯域で相互に接続される「コアスイッチ」、キャンパス内全域のフロアに20Gbpsの帯域を提供する「フロアスイッチ」を設け、これらを中心としたキャンパスネットワークシステム「曼陀羅ネットワーク」を更新しました。
 コアスイッチにはジュニパーネットワークスの「EX9200シリーズ」を教育機関では国内で初めて導入し、障害を回避する対策として二重化されたスイッチを核に3研究科棟間を100Gbpsの帯域で接続します。IPv4/IPv6によるIPスイッチング、MPLS(*3)(Multi Protocol Label Switching)、VPLS(*4)(Virtual Private LAN Service)によるソフト上の仮想ネットワークを使用することで、広帯域・高可用性・高機能を備えたサービスを提供します。また、二重化された10Gbpsでコアスイッチと接続されるフロアスイッチを学内の各建屋に設置し、複数の端末やOSが混在した状況でも確実にユーザーを認証できるトリプル認証(*5)や複数の装置を仮想的にひとつの筐体として扱うVirtual Box Core(*6)を利用して、安定性、安全性に優れたサービスを提供しています。
 更に、複数の組織がリソースを共用するための環境を提供するVXLAN(*7)、管理者がネットワークの制御方法を自由に設計できるOpenFlow(*8)などの仮想化ネットワーク技術に対応したサーバネットワークスイッチ、40Gbpsで学外接続する境界ルータなども導入し、大容量のデータアクセスが必要となる先端的な研究をサポートします。

 ◇図2は添付の関連資料を参照


3.遠隔拠点間データバックアップシステム
 遠隔拠点間データバックアップシステムでは、地震対策が施されたコンテナ型データセンターを活用して、ジュニパーネットワークスの「SRX3400シリーズ」によるIPsecVPNという暗号通信方式で沖縄科学技術大学院大学と接続し、最新の統合ストレージ製品「Oracle ZFS Storage ZS3−2」によりデータ保管して、BCP(事業継続計画)対策を実現しました。また、ストレージは沖縄科学技術大学院大学と共有するため、ホスト側でデータの暗号化を行います。CPUへの負荷が大きい暗号化処理を軽減するため、「Oracle SPARC T4−1」サーバに搭載のSPARC T4プロセッサに内蔵された暗号化アクセラレータという装置を活用します。

 ◇図3は添付の関連資料を参照


4.アドホック型衛星インターネット通信システム
 アドホック型衛星インターネット通信システムでは、被災地やデジタルデバイド(情報格差)地域において簡易な操作でインターネット接続を確保することを目的とする世界初の自律式車載型衛星通信システムを導入しました。地震・津波等で地上系通信インフラが損壊した場合でも、地上系の通信網に依存することなく、通信衛星を介したインターネット環境を構築することができます。本システムは、ハイブリッド車による運搬・電源供給が可能で、電源投入後、ワンタッチ操作だけで目的の衛星を自動的に捕捉できます。

 ◇図4は添付の関連資料を参照


 昨今、大学では情報環境システムに学外のクラウドサービスを利用する傾向にありますが、奈良先端大では、最先端システム構築の知見を蓄積し、そのノウハウを情報発信していくために、あくまで使用者が管理する設備内で使用する「オンプレミス」でのシステム構築による学内へのクラウドサービス提供を実現していきます。更には、学外へのサービス展開も視野に入れ、現存する問題点の抽出・課題の明確化を実施し、災害に強い事業継続も考慮したシステム導入・構築を進めていきます。


 ◇用語説明は添付の関連資料を参照


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