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三菱日立パワーシステムズと日本特殊陶業、固体酸化物形燃料電池の円筒セルスタックの量産で業務提携

2014-06-26

固体酸化物形燃料電池(SOFC)の円筒セルスタックで業務提携
価格競争力のある量産体制の構築を目指す


 三菱日立パワーシステムズ株式会社(MHPS)と日本特殊陶業株式会社(NTK)は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電要素である円筒セルスタックの量産に向けて業務提携することで基本合意しました。両社がそれぞれ得意とする技術・ノウハウや経営資源を融合することで、価格競争力のある円筒セルスタックの量産体制の構築を目指します。

 具体的には、両社の技術・ノウハウを持ち寄って円筒セルスタックの少量生産体制を構築、これをベースに本格的な量産のための生産技術を共同で確立して、2018年4月までに年産数十万本規模の円筒セルスタック量産ラインの構築を目指します。
 両社は、MHPSが長年の研究開発により培った円筒セルスタックの開発・設計・製造技術と、NTKが保有するセラミックスの量産技術を融合させることで、この計画を実現する方針です。

 ※参考資料は添付の関連資料を参照

 今回対象となるSOFCは、900℃レベルの高温で作動するセラミック製の燃料電池です。都市ガスを改質して取り出す水素および一酸化炭素と、酸素を反応させることで高効率の発電が可能です。また、その際、SOFCから排出される未反応燃料をマイクロガスタービン(MGT)による発電に使うことで省エネ・高効率を実現します。さらに、MGTからの高温排気を、温水・蒸気といった熱供給に利用することで、コージェネレーション(熱電併給)も可能です。

 MHPSの円筒セルスタックは、セラミックスをベースとした基体管の外表面に、発電反応を行う素子(燃料極/電解質/空気極の積層体)を複数形成し、インターコネクタで素子間を直列に接続した構造(円筒横縞形セルスタック)です。燃料電池の更なる普及に向けては、この量産化と低コスト化が大きな課題となっています。今回の両社の提携は、このような課題克服を目指すものです。

 MHPSは、三菱重工業と日立製作所の両社が持つ総合力と製品事業を継承し、火力発電システム分野全般にわたってトータルソリューションを提供できることが強みで、グローバル市場において、ガスタービン、蒸気タービン、ボイラー、石炭ガス化発電設備などの火力発電システム事業を中心に、地熱発電、環境装置、燃料電池などの事業を手掛けています。
 このうち、SOFCの円筒セルスタックは、MHPS(当時は三菱重工)にて1985年より研究に着手し、2004年度から独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究としてMHPS長崎工場(長崎造船所)で開発・設計を進めてきました。

 NTKは、スパークプラグをはじめとする内燃機関関連製品やICパッケージ、切削工具、人工骨、産業用セラミックといったセラミックスをコアとする多様な製品を手掛けるメーカーです。なかでも、スパークプラグ、車載用酸素センサーは世界シェアトップを誇っています。
 新規事業創出の取り組みにおいては、環境・エネルギー分野で家庭用電源として期待されるコージェネレーションシステム用の平板形SOFCや水素センサーなどの研究・開発に鋭意取り組んでいます。(平板形SOFCは今回の業務提携の対象ではありません。)

 両社は今回の業務提携を機に、一層良好な関係を維持・発展させながら、エネルギー・環境問題解決の切り札の一つである燃料電池の普及に貢献していきます。

 ※参考資料は添付の関連資料を参照


以上



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