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米GM、シカゴモーターショーで「シボレー カマロ ZL1」を発表

2011-02-16

シボレー カマロ ZL1、ハイパフォーマンスカーの領域へ

シカゴモーターショーでお披露目されたカマロZL1、2012年北米市場に投入予定


 ・推定出力550hp(410kW)のLSA 6.2Lスーパーチャージャーエンジンと、ツインディスク・クラッチ搭載の6速マニュアル・トランスミッション
 ・マグネティック・ライド・コントロール、ダクト付エンジンフード&カーボンファイバー製インサートなど、一連のパフォーマンス技術や高度素材。ハイパフォーマンス・ドライビングのための徹底的な空気力学的アプローチ
 ・現在開発が続けられており、2012年初頭に北米市場に投入予定


 2011年2月9日 イリノイ州シカゴ−2012年モデルのシボレー カマロ ZL1が本日、シカゴモーターショーで初披露となった。新型カマロは最高のハイパフォーマンスを誇り、同クラスで最も先進的なテクノロジーを採用。カマロの勢いを受け継ぎながら、最先端のパフォーマンスカーとして全く新しい領域へと進化した。北米市場では2012年初頭の投入を予定している。

 従来ZL1の称号は公式な車種名ではなかったが、その最新で最も技術的に進歩したカマロは、かつて生産を目的とされて来なかった最も高級で精粋のカマロからその名前を取った。ZL1は1960年代にコルベットのレーシングカーのために開発された大型エンジンのコードネームで、1969年製の一部のカマロにも使用された。ZL1の伝説はここから生まれたのである。

 推定出力550hp(410kW)のV型8気筒スーパーチャージャー付エンジンで駆動するZL1は、歴代のカマロの中で最速となる。その性能はパワーにとどまらず、先進技術による高度なシャシーやサスペンションシステムによって、サーキットにも対応するバランスの取れたハンドリングとブレーキ性能を実現し、高出力エンジンをサポートする。ZL1の開発は現在進行中で、詳しい性能については2011年後半、試験の完了とともに発表される。

 シボレー マーケティング担当副社長、リック・シャイトは、「先進のパフォーマンスと設計に基づくカマロZL1は、このセグメントでこれまでにないタイプの車だ。史上最高の技術を駆使したカマロであるため、ZL1という最も優れたカマロの名称を受け継いだ」と述べている。

 ZL1の名称は、過去のオールアルミ製レーシング用エンジンに由来している。このエンジンは、1960年代後半に開発され、1969年の一般向けモデルのカマロ69台にのみ搭載されたもので、熱狂的なファンの間では伝説的なステータスを獲得し、カマロの最盛期を築いた。2012年モデルのZL1はカマロにとって大きな躍進となり、このセグメントにおけるパフォーマンスの新基準をもたらすことになるだろう。

 カマロの開発は常に「新しさ」を追求し、サーキットでは最速のラップタイムをたたき出し、一般道では優れたダイナミックなドライビングを実現するようなクルマを目指している。このようなカマロを実現するため、エンジニアは既存のカマロに採用されている数多くのシステムを進化させるとともに、電動パワーステアリングや世界で最高のレスポンス性能を誇るサスペンションシステムのマグネティック・ライド・コントロールなどの新たな技術を取り入れた。

 カマロZL1のデザインには、ハイパフォーマンスを実現するための変更が加えられた。ZL1の外観は現行のカマロと異なるが、それは装飾的に意図したものではなく、車両の性能向上に欠かせないデザイン要素によるものである。

 グローバル設計担当副社長のエド・ウェルバーンは、「ZL1のデザインはすべてテクノロジーや本格的なパフォーマンス、特に空力特性に直接関係している。当社の設計者が目指すのは、機能を主体とした設計を美しいフォルムで実現し、堂々とした力強いモデルを作り上げることだ。機能が美となる。スタイリングに見合う機能を実現する車を目指す」と述べている。

 ZL1のデザインの特徴は、一新されたフロントエンドと、ハンドル操作を補助するべく空力ダウンフォースを生み出すダクトを備えたエンジンフードである。中央部は、象徴的なカーボンファイバー製のサテンブラック仕上げとなっている。新型のサイドパネル、ワイドタイヤ、20インチホイール、マフラーカッターが、このクルマのハンドリング性能とパワーを物語る。ZL1のエンブレムは、グリル、エンジンフード、ブレーキキャリパーに取り付けられる。


■技術概要
 サーキットや一般道におけるZL1のダイナミックなパフォーマンスをサポートするのは、推定550hp(410kW)の出力と550 lb.−ft. (677Nm)のトルクを実現する、カマロ専用LSA 6.2Lスーパーチャージャーエンジンだ。GMの伝説的なオールアルミ製スモールブロックV8アーキテクチャーに基づくLSAは、インタークーラー付スーパーチャージャーシステム、高品質の耐熱アルミニウム合金製シリンダーヘッド、その他並外れたパフォーマンスをスムーズかつ正確に提供するための設計が組み込まれている。LSAのパフォーマンスを支えるコンポーネントや設計上の要素には以下のようなものがある。

 ・バランスのとれた軽量のレシプロエンジン
 ・軽量の高剛性ピストン
 ・4ローブローター付第6世代イートン社製スーパーチャージャー
 ・ピストン クーリング オイル ノズル

 カマロZL1は電動パワーステアリングを採用しているため、エンジンは従来の油圧パワーステアリングポンプを駆動系アクセサリーに組み込んでいない。ステアリングポンプのプーリーを回転させるためにエンジンパワーが利用されないため、パフォーマンスが向上する。

 カマロZL1はパワーが向上しただけではなく、完璧なハイパフォーマンスカーとして生まれ変わった。主要な技術概要は以下のとおり。

 トランスミッション −トレメック社製の高性能6速マニュアル・トランスミッションTR−6060をLSAエンジンと組み合わせた。トルク容量が向上した「MG9」バージョンのトランスミッションで、デュアルマス・フライホイールとツインディスク・クラッチと合わせて使用し、容易な操作とスムーズなシフトを可能にする。ギアチェンジは新しいショートシフターで操作する。

 排気−ZL1はデュアルモード排気システムを搭載し、エンジンの回転数に応じて排気サウンドの音量と音質を変化させる。コルベットで初めて採用されたこのデュアルモード排気システムは、今回カマロZL1用にチューニングされており、特徴的なサウンドを生み出す。

 ドライブトレイン−より強力なドライブシャフトとリアアクスル・システムに刷新され、強化された大型の鋳鉄のディファレンシャルハウジング、より強固なアクスルとLSDを搭載。特許申請中のこのシステムは、ZL1の驚異的なパワーがスムーズに路面に伝わるよう設計されている。

 サスペンション−サスペンションはチューニングが一新され、このセグメント専用のマグネティック・ライド・コントロールを搭載している。ZL1のマグネティック・ライド・システムでは、ツーリングとスポーツの2モードが設定され、好みのドライビングスタイルを選択できる。先進的な磁性流体技術により最高水準の精度でショックを吸収し、日々のドライブやサーキットにおいて優れた車体制御を可能とする。このテクノロジーは世界でも最高級のパフォーマンスカーにのみ搭載されている。その他のシャシー部分もZL1のパフォーマンス限界をサポートするべく設計を一新している。リア・スタビライザーバーにはドロップリンクを制御アームの外側に移動して装着。これによりバーがより効率的にコーナリング時の車体ロールを制御し、ドライバーの操作に対し軽快なレスポンスを提供する。

 ブレーキ、ステアリング− カマロZL1は、ブレンボ社のエキスパートと共同で開発した高度なサーキット対応ブレーキシステムを搭載している。14.6インチ(370mm)の大径ツーピース フロントローターは6ピストンキャリパーを、14.4インチ(365mm)のリアローターは4ピストンキャリパーを装備。新たに電動パワーステアリングシステムをカマロで初めて採用した。ハイパフォーマンスなドライビングのため操舵力により大きな変動性を持たせるなど、正確な制御とフィードバックをドライバーに提供できるよう開発が進んでいる。

 外観− ZL1の前方部分は、新しいデザインのフロントエンドとカーボンファイバー製インサート部分が盛り上がったアルミニウム製エンジンフードが特徴的だ。フロントエンドにはフロントスプリッターと新しい縦型フォグランプが搭載されている。フォグランプ部分にはブレーキ冷却用のエアインテークが備え付けられている。エンジンフードには、空気を正確に車の上部に導く通気口が前面に取り付けられている。視覚的には、この中央部分がサテンブラックのカーボンファイバーで外装色によるコントラストがハイパフォーマンスカーの風格を醸し出す。機能的には、通気口がエアフローを車体と密接に関連付け、ダウンフォースを生み出す重要な役割を果たす。またカーボンファイバー製の中央部は、エンジンフードの軽量化にも貢献している。HID キセノン ヘッドランプとフォグランプは標準装備となる。リアにはディフューザー、スポイラー、その他ZL1の空力特性を向上させる機能を搭載する。

 ホイール、タイヤ−新設計の20インチ鍛造アルミホイールは、カマロSSの20インチホイールより軽量で、タイヤにはZL1専用に開発された新しいグッドイヤー社製Supercar F2を採用している。

 内装−ハイパフォーマンスなドライビングにふさわしく、フロントシートはスウェード調マイクロファイバーインサートが施されている。また、一新されたステアリングホイール、アルミペダル、独自のパフォーマンス表示機能搭載ヘッドアップディスプレイ、ブースト計を搭載した4種類の補助計器などを装備。


■生産モデルについて
 カマロで提供されている外装色はすべてZL1で提供されるが、内装色はブラックのみとなる。ユニークな外観は、エンジンフードの中央部分の黒がアクセントとなる。内装は、マイクロファイバーインサートの入ったヒーター付レザーシートを装備し、フロントシートのヘッドレストにはZL1のロゴの刺繍が施される。スウェード調のマイクロファイバーはインストルメントパネルでもアクセントとして使用され、贅沢な内装を一層引き立たせる。現行の2SSパッケージと同様の内容に加え、次の新機能や独自の機能が提供される。

 ・運転席および助手席に6ウェイパワーシートを採用
 ・独自のインストルメントパネルとドアパネルインサート、及びシルプレートにZL1のロゴ
 ・ステアリングホイールにBluetooth機能付オーディオコントロール機能を搭載
 ・ワイヤレスPDIM、USBポート
 ・Boston Acoustics社製高級オーディオシステム
 ・リアパーキングアシスト
 ・リアカメラシステム(室内バックミラーに表示)

 エンジニアはすでに米国およびドイツの過酷なコースでカマロZL1のプロトタイプの走行試験を重ねており、最終テストは2011年内の完了を予定している。


 日本においてシボレー カマロは、2011年モデルとして、V6 3.6Lエンジン搭載のカマロLT RSと、V8 6.2Lエンジン搭載するカマロSS RSの2モデルとなっており、2011年中にカマロ コンバーチブルの導入を予定している。


■シボレーとは
 1911年にアメリカで誕生し、2011年に記念すべき100周年を迎えたブランドで、アメリカの「パッション」と「実用性」を兼ね備えたシボレーは幅広い層からの人気を集め、アメリカを代表するブランドへと成長してきた。自動車のラインナップも豊富で、カマロやコルベットといったシボレーを象徴する自動車だけでなく、シボレー ベルエア、インパラ、サバーバンといった特徴的な車種も数多く輩出している。
日本での歴史も古く、1920年代から30年代にかけて、大阪でシボレーが製造されていた。当時の製造と販売に携わったメンバーは、その後の日本国内自動車産業の礎を築いている。

 シボレーは、2010年の世界販売台数426万台を記録し、世界のトップ5ブランドの中で唯一シェアを伸ばすなど、世界中で支持されているブランドとなっている。

 また、先日の北米国際自動車ショーにおいて北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した航続距離延長型EV 「シボレー ボルト」は2010年に市場に導入され、量産自動車の中でも最も先端の自動車技術を取り入れており、自動車の電動化を目指すGMにとって象徴的な商品になっている。また、エネルギーと環境技術として注目されている燃料電池自動車においても、
シボレー エクイノックスで世界最大の燃料電池自動車のフリートを実証してきた。


以上 

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