Article Detail
日立、統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia」を今秋から販売開始
需要家向けエネルギーマネジメントサービス事業を強化
多拠点・異業種のエネルギー、機器保守、設備管理データを一括管理する
統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia」を開発、販売開始
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、法人需要家向けエネルギーマネジメントサービス事業を強化します。具体的には、これまで各種エネルギー管理システム(以下、EMS)で培ってきたノウハウやサービスを体系化した統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia(エミリア)」を開発し、新しいサービスコンセプトに基づき、需要家の省エネ・業務効率向上・BCPなどを支援する経営課題解決型サービスとして事業展開していきます。
「EMilia」は、2014年10月から日本国内向けに販売を開始し、2015年4月からは東南アジア向けに販売開始する予定です。日立は、国内外のビジネスパートナーの持つ販売チャネルを活用することで、2015年度までに10,000事業所での「EMilia」稼動をめざします。
近年、社会全体として、エネルギー使用を低減する取り組みが求められる中、EMSを活用した需要家の省エネルギー施策に注目が集まっています。しかし、これまでのEMSでは、オフィスビル向け、工場、プラント向けなど管理対象が異なる場合には、別々のEMS製品が必要でした。そのため、一つのEMSで複数拠点を統合管理するというニーズには対応できず、導入コストはもちろんデータ統合・分析・活用など運用面にも課題がありました。さらに、一つの機器に対するエネルギーの利用管理と、故障・保守点検などの設備管理が別々に分かれてしまうためデータ活用が困難といった事例や、収集したエネルギーデータを分析・診断できる人材の不足により、見える化したデータを有効活用できていない事例など、さまざまな課題が浮き彫りになってきています。
今回、日立が開発した「EMilia」を利用すれば、複数拠点に分散するさまざまな施設・設備・機器のエネルギー情報や設備情報を一つのEMSで統合管理することが可能になります。さらに、統合管理データの分析・活用による省エネルギー施策の導入支援サービスにより、エネルギーの全体最適運用を実現します。
日立は、これまでに、スマートグリッドや、ビル、工場、エリア向けなどのエネルギーマネジメントシステム事業に関する豊富な実績があります。また、空調機器や蓄電池、太陽光、ガスコージェネレーションなどの発電設備、工場やプラントに設置される産業機械などに関するノウハウも有しています。こうした実績やノウハウを体系的に整備し、さらにクラウドやビッグデータ分析といった新しい技術を融合させることで、お客様の省エネ・業務効率向上・BCP対応などの経営課題解決に貢献できるサービス商品を開発・投入し、エネルギーマネジメントサービス事業を強化します。事業の中核となる、統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia」は、「サービスモール」という新たなサービス概念に基づいてサービスを提供していきます。「サービスモール」では、「必要なサービスが容易に見つかる」、「関係者が情報やノウハウを持ち寄り、新たな価値を生み出す」などを実現します。
「EMilia」の主な特長は、以下のとおりです。
※参考画像は添付の関連資料を参照
(1)多種多拠点のエネルギー・設備情報を統合管理できるサービスプラットフォームの提供
ビル、工場、店舗といったさまざまな施設に、エネルギー生産や消費に関わる太陽光発電、蓄電池、計量メーター、空調・照明設備などが設置されています。こうした多拠点に設置されるさまざまな設備や機器のエネルギーデータと稼動データについて、「EMilia」は、業種・規模・対象設備・製造メーカーを問わず、同一プラットフォーム上での統合管理を可能とします。
(2)「サービスモール」を通じたパートナー参画とサービスメニュー拡大
「サービスモール」のアプリケーションやデータは、アクセス権限に従って、お客様自身だけではなく設備メーカーや分析・コンサル会社も利用することができます。オンラインでタイムリーにデータを提供することが可能なため、専門家による設備運用・更新計画立案・省エネルギー診断サービスをより効率的に実施することができます。こうしたさまざまなサービスメニューは、エネルギー管理における4つの基本サイクルである、「見る」⇒「知る」⇒「抑える」⇒「続ける」の機能に分類し、提供します。経営者からパートナーまで、どのような方が利用した場合でも、利用者はそれぞれ必要な情報だけを確認できます。また、インターフェースは、利用者が直感的に操作できるものとなっています。
(3)リーズナブルで柔軟なシステムモデル
「EMilia」は、1つの機器やオフィスといった小規模な管理から、拠点あたり最大50,000点(*)、最大30,000拠点までのエネルギー情報や設備情報を扱う大規模な管理まで、多種多様な対応が可能です。利用者は、クラウドサーバー型、ローカルサーバー型、ハイブリッド型、のいずれかから、管理点数の規模や運用形態に応じリーズナブルかつスケーラブルなシステム構成を選択できます。
日立は、「EMilia」を中核製品として、エネルギーマネジメントサービス事業の強化を図るとともに、エネルギーや機器稼動データなどの活用によって、企業の経営課題解決に向けたトータルソリューションを、グローバルに提供・拡大していきます。今後は、2015年4月の東南アジアでの販売開始を皮切りに、欧米・中東など順次海外への展開を図ります。また、国内外のビジネスパートナーの持つ販売チャネルを活用しながら「EMilia」を拡販することで、2015年までに10,000事業所、2018年までに100,000事業所以上の拠点での「EMilia」サービス利用契約をめざします。
*監視・計測項目、または、制御項目ごとに1点と数えます。
■サービス機能分類
見る(監視と操作):現在や近未来の状態・状況、および、これらの予測を把握します。必要に応じて設備を操作します。
知る(分析とシミュレーション):過去にさかのぼってデータの分析・比較、または、データを利用したシミュレーションを行います。
抑える(制御予約):設備を目的に照らして最適に運転するために、制御方法や制御パラメーターを決定し、システムに予約します。システムは予約に従って自動運転・自動制御します。
続ける(報告と保全):改正省エネ法他の規定に従う定形報告書の作成を支援します。また、故障実績、保全実績、保全計画なども合わせて管理し、計画的な設備更新に役立てます。
■「スマートコミュニティ JAPAN 2014」での紹介について
日立は、2014年6月18日(水)〜20日(金)に東京ビッグサイトで開催される「スマートコミュニティ JAPAN 2014」において、統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia」を紹介します。
スマートシティ:イベントに関するWebサイト
http://www.hitachi.co.jp/products/smartcity/event/index.html
■関連情報
本システムに関する日立のWebサイト
http://www.hitachi.co.jp/products/infrastructure/product_site/emilia/index.html
以上