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JFEスチール、ブラジルの油田開発プロジェクト向け高耐腐食性継目無鋼管を受注
ブラジル・ペトロブラス社向け油井管280トンを受注
〜高耐腐食性継目無鋼管『JFE−UHP−17CR−110』初受注〜
当社は、ブラジル国営石油会社Petroleo Brasileiro S.A.(以下、「ペトロブラス社」)がブラジル沖合で展開する油田開発プロジェクト向けに、ケーシングパイプ(*1)用油井管『JFE−UHP−17CR−110』 280トンを、株式会社メタルワン(本社:東京都港区、社長:戸出巌)と共同で受注し、このたび全量を出荷しました。耐腐食性に優れた継目無鋼管『JFE−UHP−17CR−110』の受注は今回が初めてです。管厚13.84mm、外径9.625インチ(244.4mm)の鋼管を知多製造所で製造、出荷しました。
同プロジェクトは、ブラジル沖合の海底盆地の海底下3,000m〜4,000mにあるプレソルト(*2)と呼ばれる層から原油を産出するプロジェクトです。プレソルトは高腐食環境であり、従来は耐腐食性に優れた二相系ステンレス鋼(*3)と呼ばれる超高級材が多く使用されてきました。当社が独自に開発した『JFE−UHP−17CR−110』は、高強度で高温特性に優れた耐腐食性鋼管である『JFE−UHP−15CR』よりもさらに耐腐食性を高めた鋼材で、二相系ステンレス鋼に比べてコスト面・納期面でのメリットが見込まれます。
また、パイプ同士の接続部には、シール形状に特徴がある最新特殊ネジの『JFELION(TM)』が使用されます。
本件は『JFE−UHP−17CR−110』の初受注案件です。当社の長年にわたる世界の様々な油田・ガス田開発プロジェクトへの高級鋼管の供給実績、およびそれを支える最先端の鋼管製造技術と品質への高い信頼性が評価され、今回の初受注に至りました。
当社は今後とも、鋼管をはじめとする高機能・高品質な鋼材商品の提供を通じて、世界の資源・エネルギー開発に貢献してまいります。
(*1)ケーシングパイプ:石油・ガス井の掘削作業において、油井管を外圧から守る強固な外殻として地中(海底含む)に埋設する鋼管。
(*2)プレソルト:地中の岩塩層の下にある、炭酸塩からなる岩石。
(*3)二相系ステンレス鋼:高クロム(Cr)に適量のニッケル(Ni)を添加してオーステナイトとフェライトの二相組織とした高強度・高耐食性ステンレス。
※UHPは日本におけるJFEスチール株式会社の登録商標です。
【ペトロブラス社の概要】
1953年創立。
ブラジルの国営エネルギー会社で、南半球最大の規模を誇る事業会社。
本社 :ブラジル/リオデジャネイロ
売上高:約1,414億米ドル−2013年
純利益:約108億米ドル−2013年
【地図】
・添付の関連資料を参照
【写真】製造中の『JFE−UHP−17CR−110』
・添付の関連資料を参照