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富士経済、国内ペット関連市場の調査結果を発表
猫関連商品が好調
国内ペット関連市場の調査を実施
■国内ペット関連市場 2013年 4,013億円(前年比0.6%減)
●キャットフード 同 1,090億円(前年比1.5%増)―ウェットタイプの多様な新製品が拡大に貢献―
●カー用品 同 3.5億円(前年比2.9%増)―自動車メーカーによる「ペットとドライブ」提案が後押し―
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、ペットフード、ペットケア用品、ペット生活用品などの市場規模や販売チャネルの最新動向を調査すると共に、ペットオーナーへのアンケートにより飼育環境やオーナー動向を集計した。その結果を報告書「2014年 ペット関連市場マーケティング総覧」にまとめた。
この報告書では、ペットフード10品目、ペットケア用品10品目、ペット生活用品10品目、注目ビジネスとしてペット保険、ペット用脱臭・消臭機/空気清浄機、カー用品の3品目について、市場の現状を分析し今後を予測した。また、ペットオーナーに対して飼育状況やペットフード、ペット用品需要に関するインターネット調査を実施した。
<調査結果の概要>
■国内ペット関連市場
※表資料は添付の関連資料を参照
2013年のペット関連市場は、前年比0.6%減の4,013億円となった。ペットビジネスの根幹となる犬猫を主体としたペット飼育頭数の伸び悩みが要因である。ペット関連メーカーにとっては、売れ筋商品の類似品だけではなく、新たな価値をペットオーナーに提案し新規市場を開拓することが課題となっている。
ペットフードの市場は、前年比0.7%減の2,913億円となった。ドッグフード市場は、飼育の人気が大型犬から小型犬へ移行したことによるフード消費量の減少や、飼育頭数の減少が大きな要因となり、前年比3.6%減の953億円となった。一方、キャットフード市場は、飼育頭数が安定しているのに加え、レトルトパウチ商品などが好調で、前年比1.5%増の1,090億円となった。小鳥・観賞鳥、観賞魚、小動物のフード市場は微減となった。また、サプリメントは、ペット用品専門のインターネットショップがオリジナル商品を展開するなど取り扱い企業が増加し、市場は拡大を続けている。
ペットケア用品の市場は、前年比0.7%増の699億円となった。猫砂やトイレ用シーツは、消耗品であるため需要は安定している。PB商品の増加や大容量パックの投入により価格競争が激化しているものの、香りを付与した商品の投入など新たな切り口による展開が注目される。また、オムツはペットの高齢化を背景とした介護用途だけでなく、外出時のマーキング防止用途での需要が創出され、今後も成長が期待される。
ペット生活用品の市場は、前年比2.7%減の401億円となった。生体販売の伸び悩みや買い替え需要の低迷により今後は市場活性に向けた新たな取り組みが求められている。特に、生体と同時に購入するケースが多い首輪/胴輪/引紐や、ケージ/サークル・ゲートが、カー用品などで新たな需要を獲得しているものの全体では苦戦しており、各メーカーはデザイン性や機能性の向上により、買い替え需要の喚起を図っている。一方、マットや玩具、ソフトキャリーは、季節商材として定期的に新商品が投入されるため、安定した需要を獲得している。マットは、ジェルやアルミ素材を使用した夏用商品や、ファー素材や遠赤綿を使用した冬用商品など、電気を使用せずに快適性を保つ商品が好調である。玩具では、猫用のモーター内蔵でリアルに動き猫の狩猟本能をかきたてる商品や、デンタルケア商品が新たに投入され需要を開拓している。また、食器・給水器は、自動給水器の参入メーカーが増加し、製品普及が進んだことで市場が拡大した。
<注目市場>
●キャットフード
2013年 前年比 2014年見込 前年比
ドライタイプ 593億円 101.2% 604億円 101.9%
ウェットタイプ 498億円 102.0% 501億円 100.6%
合計 1,090億円 101.5% 1,105億円 101.4%
*数字は四捨五入して億円単位にしているため必ずしも合計と一致しない。
2013年のキャットフード市場は、前年比1.5%増の1,090億円となった。猫は飼育頭数が安定しているのに加え、ドッグフードのように飼育生体の小型化による消費量の減少もみられず、今後も堅調な成長が期待される。缶詰を中心に価格競争が激化していたが、原料の価格上昇などの要因により、参入メーカーは2013年秋頃から価格改定や容量変更を行っている。
ドライタイプは、上位メーカーが好調で、2013年は前年比1.2%の増加となった。ウェットタイプは、スープやジュレ、ペーストなどの新カテゴリー商品の投入、また低価格と手軽なパッケージの形状が支持されるレトルトパウチが好調で、市場が拡大している。加えて、下部尿路疾患対策としてウェットタイプでの水分摂取を促す商品も投入されている。
キャットフードのトレンドとしては、グルメ志向と健康に配慮した機能性があげられる。グルメ志向では、鮮度管理がしやすい分包タイプが増加しており、近年好調なスープやレトルト商品では買い求めやすく使いやすい低価格の食べきりサイズが中心である。一方、機能性としては、毛玉ケア、避妊・去勢後の体重ケア、下部尿路の健康維持などを訴求した商品が主流である。
<注目ビジネス>
●ペット保険
2013年 前年比 2014年見込 前年比
契約件数 840,000件 114.5% 955,500件 113.8%
*件数はそれぞれ12月末時点。
ペット保険は、ペットが病気や怪我により動物病院などで医療行為を受けた際、その医療費を補填するサービスを対象とする。
2013年のペット保険の契約件数は、前年比14.5%増の84万件となった。ペット保険は、生体購入時に加入する場合が多く、主な販売チャネルはペットショップである。2013年は生体販売が伸び悩んだため、ペット保険の契約件数も前年の成長率をやや下回った。
飼い主のペットに対する健康意識が年々高まっているのに加え、日本のペット保険加入率は4%程度と欧米と比較して低いため、今後も拡大が期待される。ただし、新規飼育頭数が伸び悩んでいるため、新規オーナーだけでなく、既存オーナーの取り込みや、一度加入したオーナーの契約継続率を高めることが今後の課題である。
●カー用品
2013年 前年比 2014年見込 前年比
3.5億円 102.9% 3.7億円 105.7%
*キャリー、ケージ、首輪/胴輪/引紐は各市場の内数。
カー用品は、動物病院への通院や旅行などでペットを自動車に乗せる際に、安全に配慮しペットをシートベルトで固定するためのキャリー、ケージ、首輪/胴輪/引紐、また、車内を清潔に保つため座席を覆うシートカバーなどを対象とする。
カー用品は年々市場を拡大させており、2013年の市場は前年比2.9%増の3.5億円となった。今後はペットの高齢化により、動物病院への通院などでペットを自動車に乗せる機会が増加し、カー用品の需要増加に貢献すると想定される。また、ペットを車に乗せる際の安全管理についての啓発活動により、キャリーや引紐・胴輪などの需要が拡大するとみられる。自動車メーカーが、「ペットとドライブ」をコンセプトにホームページ上での情報提供や販売店でのイベントを行っており、自動車メーカーによる利用促進のプロモーションも市場の拡大を後押しすると期待される。
<調査対象>
※添付の関連資料を参照
<調査方法>
富士経済専門調査員による業界関連企業、団体へのヒアリング調査と一部文献調査。ペットオーナー調査はインターネット調査を行った。
<調査期間>
2013年12月〜2014年3月
以上
資料タイトル:「2014年 ペット関連市場マーケティング総覧」
体裁:A4判 324頁
価格:書籍版 130,000円+税
PDF版 130,000円+税
書籍版・PDF版セット 150,000円+税
調査・編集:株式会社富士経済 大阪マーケティング本部 第一事業部
TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030
発 行 所:株式会社富士経済
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