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ヨコオ、一体構造を有する「バックライト用LEDマルチLTCCパッケージ」を開発
一体構造を有する
『バックライト用LEDマルチLTCCパッケージ』を開発
■要旨
(株)ヨコオはこのほど、LCDバックライト市場をターゲットに、高発光効率、高放熱特性を有し、煩雑な組み立て工程を不要とした『バックライト用LEDマルチLTCCパッケージ』を開発しました。
■従来技術と当社の取り組み
現在のLCDバックライトは、LED光源モジュールが主流であり、このようなモジュールには、複数個のLEDが搭載された絶縁樹脂基板を金属板に接合し両側壁に反射板を貼り付けたタイプ、あるいは樹脂パッケージに金属フレームを組み込んだ筐体にLEDを搭載したタイプ等があります。
前者については、部品点数が多く、かつ反射板を取り付けるという組み立て工程があるため総合的にコスト高となる、後者においては放熱特性に課題があるため昨今のハイパワー系のLEDには適合しない、という問題点がありました。
こうした状況に着目し、当社では、LTCC一体構造にした長尺パッケージを採用することで上記問題点を解決した『バックライト用LEDマルチLTCCパッケージ』を、このほど開発しました。
■『バックライト用LEDマルチLTCCパッケージ』の製品概要
当製品は、複数個のLED光源を備え、高熱伝導率Ag導体による内部配線と、キャビティを具備した長尺線形一体構造を採用することにより、高反射率(94%)と高放熱特性を達成するとともに、モジュールの組み立て工程を不要とし、従来品に対し大幅なコスト削減を可能としたものです。
《特徴》
(1)Ag反射膜が不要で高反射率を有するLTCC材料の採用により、高発光効率を達成
(2)パッケージ内層部に高熱伝導率材(Ag導体)配線を施し、LTCC長尺一体構造とすることで高放熱特性を発揮
(3)キャビティ構造を有するLTCC一体構造により、従来品のような反射板の組み付け等の組み立て工程が不要となり、大幅な低コスト化を実現
《主な仕様》
*添付の関連資料を参照
■今後の事業展開
『バックライト用LEDマルチLTCCパッケージ』は、大手LEDメーカーからのサンプル評価も終了し、本年10月より「(L)35×(W)3.5×(t)0.4mm」サイズにて、月産5万個の生産を予定しており、2015年度には、月産100万個の生産体制の構築を計画しています。
今後、さらに長尺化した製品を開発するとともに、生産プロセスの改善を進めることにより、低コスト製品の提供を推進する計画です。
《用語について》
※:LTCC:Low Temperature Co‐fired Ceramics(低温同時焼成セラミックス)
LTCCは積層セラミックスと銀導体を同時焼成したものであり、セラミック内外部に低損失、低抵抗の配線、実装電極等のベタ電極を配置できる。