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富士経済、製造・非製造業向けロボットの世界市場の調査結果を発表

2014-06-03

製造・"非"製造業向けロボットの世界市場を調査

―2020年予測―
 製造業向けロボット市場は2013年比53.9%増の6,502億円
  ・・・中国でのロボット生産推進で、価格低減や導入シーン拡大に期待
 "非"製造業向けロボット市場は2013年比2倍の4,679億円
  ・・・国際規格発行、基準策定で本格スタート


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、2013年12月から2014年3月にかけて、製造業向けロボットと非製造業向けロボットの市場を調査した。その結果を報告書「2014 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望」にまとめた。
 この報告書では製造業向けロボット4カテゴリー15品目と非製造業向けロボット6カテゴリー15品目の世界市場、加えて製造業向けロボット構成部材6品目と非製造業向けRT(ロボットテクノロジー)搭載機器9品目の国内市場(日系メーカーの海外販売実績含む)を調査・分析し、将来を予測した。


<調査結果の概要>
■製造業向けロボット市場
 2013年    2020年予測  13年比
 4,225億円  6,502億円  153.9%

 2013年の製造業向けロボット市場は、自動車、スマートフォン・タブレット関連の設備投資や、中国、タイ、インドネシア、米州での需要により、前年比6.2%増の4,225億円となった。最大の需要地であるアジアは市場の43%を占め、そのうちの半数が中国である。中国では人件費の高騰や労働条件が厳しい中での労働力確保、中国のローカルユーザーの品質要求の高まりにより、ロボットを活用した自動化が急速に進められている。
 この需要に対応すべく大手ロボットメーカーは続々と中国生産を開始している。中国でも人件費が高騰していることから大幅なコストダウンは期待できないが、納期や為替の面では優位であるとみられる。また、大手メーカーが中国に進出する一方で、中国のロボットメーカーも台頭しつつある。中国メーカーは現在アクチュエータ系ロボットを中心に廉価製品を展開しているが、これにより中国市場において価格要求が厳しくなっており、日系ロボットメーカーは現地販売拠点やサポート体制の構築などこれまで以上にきめ細やかなサポートが求められている。
 2014年以降は、引き続き中国を中心に拡大し、インドネシア、アルゼンチン、ブラジル、インドなどの新興国での需要拡大も予想される。中国生産の推進による価格低減が進み、導入シーンがさらに拡大していくことで、2020年の市場は2013年比53.9%増の6,502億円が予測される。
 日本では産業用ロボット向けモータの80W規制が撤廃された。これまで産業用ロボットに採用するモータが80W以上である場合、柵などで人と分離する必要があり適用が制限されていた。しかし、2013年12月より、リスクアセスメントに基づく適切な安全対策を講じることで安全柵の設置は必要なくなった。同規制の撤廃で、これまで柵のスペースが確保できず、導入が進まなかった中小企業での産業用ロボット導入促進につながるとみられ、ロボットユーザーのすそ野が広がると期待される。

■■小型垂直多関節ロボット市場
 2013年 415億円/2020年予測 640億円[13年比154.2%]
 2013年は中国や台湾のEMSを中心に需要が拡大し、前年比9.5%増となった。新規参入に加え、これでOEM供給を受けてきたメーカーが自社製品の発売を開始するなどの動きがみられた。
 今後中国をはじめとするアジアで、ローカルユーザーの需要拡大が期待され、2020年に640億円が予測される。特に自動車関連では日系自動車メーカーが進出しているタイ、インドネシア、インド、メキシコ、ブラジルなどでの需要が期待される。
 日本や欧米のユーザーは自社で高度なロボットシステムを構築できるが、アジアのローカルユーザーにはその技術力がない場合が多く、SIerを活用したシステム構築が必要となる。しかし、現地SIerの技術力も未熟であるため、市場拡大のためには現地SIerの教育や技術サポートが必要になるとみられる。

■■次世代多関節ロボット(双腕・上肢)市場
 2013年 46億円/2020年予測 310億円[13年比6.7倍]
 現状は日本での自動車分野を中心とした市場であるが、今後は人件費が高い日本や欧米で人の感覚に頼っていた組立て工程での導入が進むと予想される。しかし、人が行っていた複雑な作業を代替するためには新たにアプリケーションを開発する必要があり、市場拡大は緩やかである。
 2014年にはKUKA Roboterが本格展開を開始し、2015年にはABBやセイコーエプソンの参入も期待される。アプリケーションの開発が進み導入シーンが広がることで市場も拡大し、2020年は310億円が予測される。

■非製造業向けロボット市場
 2013年    2020年予測  13年比
 2,346億円  4,679億円  2.0倍

 2013年の非製造業向けロボット市場は、前年比0.6%増の2,346億円となった。新規参入が活発化している掃除ロボットと、患者への負担が少ないというメリットがある手術ロボットが市場をけん引している。
 2014年には生活支援ロボット向けに国際安全規格「ISO13482」が発行され、2015年には具体的な安全設計手順や基準が策定される見通しである。新規参入メーカーの増加、安全基準の担保による新たな市場形成が期待され、本格的な非製造業向けロボットビジネスがスタートし、2020年の市場は2013年比2倍の4,679億円が予測される。
 今回の調査品目の中で国際安全規格によりさらなる展開が期待できるのは、パワーアシスト・増幅スーツ(ロボット)、手術ロボット、荷役・搬送ロボット、移乗ロボット、ヒューマノイドロボット、コミュニケーションロボットなどである。また、国際安全規格以外にも、Google、Apple、Amazonなどの異業種によるロボット開発メーカーのM&A、東日本大震災や福島原発事故などで注目された原発ロボットや災害ロボットの開発が加速するなど、市場は急激に変化している。

■■パワーアシスト・増幅スーツ(ロボット)市場
 2013年 9.5億円/2020年予測 200億円[13年比21.1倍]
 市場は先行するサイバーダイン「ロボットスーツHAL」がけん引している。現状では10億円に満たないが、2014年よりイノフィス、2015年にはパナソニックの参入も期待され、2015年に30億円が予測される。参入メーカーが増えることで、流通ルートやメンテナンス体制が充実していくと考えられる。
 現状では医療施設でのリハビリ用や介護者のアシスト用が中心である。安全性や有用性に対する認知が規格化によって高まり、介護医療保険が適用されれば、潜在需要が大きい一般家庭などへ広がっていくとみられる。

■■コミュニケーションロボット市場
 2013年 2.9億円/2020年予測 10億円[13年比3.4倍]
 市場は1999年にソニーが「AIBO」を投入したことで形成され、以降大手、ベンチャー問わず参入しているが、撤退したメーカーも多い。また、製品販売は行っていないものの、レンタル事業を行うメーカーもみられる。
 コミュニケーションロボットによる認知機能向上、抗疲労、癒しなどの効果が認められ、介護施設やシルバーマンションなど法人向けの需要が拡大している。しかし、技術的な課題も多く、顔認識や音声認識などのセンサ精度向上、バッテリーの駆動時間を長くするなどの実用性の向上が求められる。


<調査対象>

 ※添付の関連資料を参照


<調査方法>
 富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体等への直接面接取材と文献調査


<調査期間>
 2013年12月〜2014年3月


以上


 資料タイトル:「2014 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望」
 体裁:A4判 277頁
 価格:書籍版 120,000円+税
     PDF版 120,000円+税
     書籍版・PDF版セット 140,000円+税
 調査・編集:株式会社 富士経済 大阪マーケティング本部 第一事業部
        TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030
 発行所:株式会社 富士経済
      〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
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      この情報はホームページでもご覧いただけます。
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