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武田薬品、米バイオ医薬品企業と自己免疫疾患治療薬で提携

2014-06-02

自己免疫疾患治療薬に関するMacroGenics社との提携について


 MacroGenics,Inc.(本社:米国メリーランド州ロックビル、以下「MacroGenics社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、このたび、MacroGenics社が有する新薬候補物質であるMGD010について、開発・販売に関するオプション契約を締結しましたのでお知らせします。MacroGenics社は、癌および自己免疫疾患に対するモノクローナル抗体をベースとした新規の治療薬の創製・開発に注力するバイオ医薬品企業です。また、MGD010は、MacroGenics社の基盤技術であるDual−Affinity Re−Targeting(DARTR)を活用することでB細胞表面タンパクのCD32BおよびCD79Bを同時に標的とする二重特異抗体の新薬候補物質であり、現在、自己免疫疾患を対象に前臨床試験が実施されています。

 本契約に基づき、MacroGenics社は、15百万米ドルの契約一時金を武田薬品から受領するとともに、武田薬品は、あらかじめ合意された臨床第1相前期試験終了後にMGD010の全世界における独占的開発・販売権を獲得するオプション権を取得します。したがって、当該試験終了までは、MacroGenics社が本薬に関する全ての開発活動を行います。武田薬品がオプション権を行使した場合、武田薬品が本薬の開発を行うとともに、MacroGenics社は武田薬品から一時金と早期開発マイルストンの合計33百万米ドルをオプション行使料として受領します。さらに、MGD010の開発・販売が成功した場合、MacroGenics社は468.5百万米ドルを上限とした開発・販売等のマイルストンを受領します。上市後、MacroGenics社は、本薬の全世界の売上に応じた2桁の料率のロイヤリティを受領するとともに、米国において武田薬品とコ・プロモーションを実施するオプション権を有します。また、MacroGenics社は、北米のプロフィット・シェアを受領する代わりに臨床第3相試験の費用の一部を負担するオプション権も有します。

 武田薬品の医薬研究本部長 丸山哲行は、「本来備わっている免疫システムの力を利用するという方法での自己免疫疾患などの難病治療法開発に高い専門性を有するMacroGenics社との提携を大変嬉しく思います。二重特異性抗体は、患者さんに新たな治療選択肢を提供しうる革新的な医薬品であると確信しており、今後、同社と戦略的な協力関係を長期にわたって築いていくものと期待しています」と述べています。

 MacroGenics社の社長兼CEO Scott Koenigは、「武田薬品と契約締結したことを大変嬉しく思います。本提携はDARTに関する5つめの提携であり、MGD010は、臨床開発を計画している最初の自己免疫疾患関連のDARTプログラムです。医薬品業界のリーディングカンパニーとして、武田薬品は、自己免疫疾患領域において新薬を開発し、患者さんにお届けすることができる高い専門性を有しています。本提携により、当社は、DARTを活用した画期的な研究開発パイプラインの強化に努めてまいります」と述べています。


以上


<MGD010について>
 現在承認されているB細胞標的療法は、B細胞の枯渇により感染の危険性が高まるため使用が限定的であったり、作用発現に時間がかかったり、幅広い患者層での有効性は限定的だったりと、十分ではありません。こうした制限に対処するため、MacroGenics社はCD32BとCD79Bを同時に標的とするヒト化DART化合物のMGD010を開発中です。
 臨床試験では、MGD010は、B細胞を枯渇させることなくヒトB細胞の機能を調節することが認められました。正常な状態では、B細胞は主要な負の調節因子の1つとしてCD32Bを利用することで自己免疫寛容を維持し、自己免疫疾患は発症しません。MGD010はこの作用機序を利用し、抑制性の「免疫チェックポイント」機構をオンにすることにより、自己免疫過程を促進する病原性抗体を産生する活性化B細胞を選択的に阻害すると考えられます。全身性エリテマトーデス(SLE)患者のB細胞およびヒト化マウスモデルを用いた研究では、MGD010はB細胞を枯渇させることなくその活性化を阻害できるということが明らかとなりました。この開発プログラムを臨床段階に進めるために、MacroGenics社はヒト以外の霊長類モデルを対象に試験を行い、MGD010が好ましい安全性プロファイルを有し、標的とするB細胞に対し、好ましい薬理作用を有するということを明らかにしています。

<DARTについて>
 MacroGenics社の「Dual−Affinity Re−Targeting(DARTR)」プラットフォームでは、抗体と類似した構造を有する1つの分子を用いることによって複数の抗原または細胞を標的とすることを可能にするものです。同社はDARTをベースとした分子(DART)を100種類以上作成し、癌、自己免疫疾患、感染性疾患の治療の可能性を広げました。これらのDARTは薬物動態を短くしたり長くすることが可能であり、安定性に優れ、製造工程も魅力的であることが明らかとなっています。同社は複数の候補分子についてin vitroおよびin vivoでの非臨床proof−of−concept試験を終了しており、2014年には、最初の2種類のDARTについて、臨床開発段階に進める予定です。

<MacroGenics社について>
 MacroGenics社はバイオ医薬品企業で、癌および自己免疫疾患の治療を目的とした、モノクローナル抗体をベースとする革新的な治療法の発見および開発に注力しています。同社は独自の次世代抗体技術プラットフォームから新薬候補のパイプラインを構築しています。これによってモノクローナル抗体および抗体由来分子の性能改善が期待されます。同社では、癌を標的とする新規分子だけでなく、既存の治療薬の改良を目指した「バイオベター」医薬品の開発にも取り組んでいます。同社の技術プラットフォームと抗体工学の専門的知識を組み合わせることで、将来有望な新薬候補を生み出し、世界的な製薬企業およびバイオテクロジー企業と複数の戦略的協力関係を築いております。詳細についてはhttp://www.MacroGenics.comをご覧ください。

<武田薬品について>
 武田薬品は、研究開発型の世界的製薬企業を目指して、自社研究開発を強化するとともに、ライフサイクルマネジメントの推進、導入・アライアンスの積極展開を通じて研究開発パイプラインの充実を図り、ミッションである『優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する』の実現に努めています。詳細についてはhttp://www.takeda.co.jp/をご覧ください。



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