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東京商工リサーチ、2010年の企業倒産における破産動向調査結果を発表

2011-02-14

2010年「企業倒産における破産動向」調査

年次倒産に占める破産の構成比過去最高の71.9%


 2010年の企業倒産は2年連続で前年を下回った。しかし、企業の解体・消滅である破産件数は、年次倒産に占める構成比が過去最高を記録した。破産を申請した企業は、負債5,000万円未満、従業員数5人未満が中心で、業績不振や過剰債務で事業継続の見通しが難しい小・零細規模の企業が破産を選択するケースが多いことがわかった。
  
2010年の破産の構成比過去最高の71.9%
 2010年の破産件数は、前年比511件減、5.0%減の9,579件だった。だが、3月には月次ベースで過去4番目に多い949件を記録するなど、件数が減少するなかで前年(1万90万件)に次ぐ過去2番目の高水準となった。

 この結果、年次倒産に占める構成比は前年(65.2%)より6.7ポイントアップ、過去最高の71.9%に達し、倒産全体の7割を占めた。破産が増加した背景には、2000年12月に東京地裁が企業の破産手続きを大幅に簡素化した「法人少額管財手続き」が、全国の地裁でも実施されるようになったことが大きい。さらに、長引く景気低迷で業績不振に陥ったり、借入金などの過剰債務が経営の重荷となり解消メドがたたない中小企業が多いこともあるとみられる。

目立つ小規模企業の破産
 2010年の倒産のうち、破産の負債総額は前年比23.0%減の1兆6,893億3,500万円だった。
 減少したのは、負債10億円以上の大型倒産が同27.6%減の257件にとどまり、最近10年間で最も少なかったことが影響した。これに対し、負債5,000万円未満は同2.0%増の5,228件(前年5,125件)で、年次倒産に占める構成比は39.2%(同33.1%)を占めた。
 また、従業員数別では、5人未満が同0.3%減の6,799件(前年6,824件)ながら、年次倒産の構成比は同7.0ポイントアップの51.0%(同44.0%)と半数を占めた。負債や従業員数でも破産を申請した企業は小・零細規模の企業の多さを裏付けている。
  
 2010年の破産件数は高水準で推移した。民事再生法など再建型の法的手続は前年比2ケタで減少する一方で、事業再建を断念する企業が多いことを浮き彫りにしている。破産した企業の従業員は失業に直結するだけに、破産の増勢は地域経済や景況マインドへの影響が大きい。現状は、小・零細規模の企業が中心だが、景気回復の展開次第では中堅クラスまで広がる可能性も否定できず、事業再生に向けた弾力的な支援策が早急な課題になっている。


 年次倒産に占める破産件数の構成比
  ※ 関連資料参照

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東京地裁 中小企業 地域経済 借入金 地裁

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