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三井住友建設、「橋梁地震時モニタリングシステム」を開発し実橋での試験運用を開始

2014-05-10

「橋梁地震時モニタリングシステム」を開発し、実橋での試験運用を開始
―地震時における橋梁の損傷状況をリアルタイムに把握―


 三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 則久 芳行)は、地震時における橋梁の損傷状況をリアルタイムに把握する「橋梁地震時モニタリングシステム」を開発し、橋長740mの大型道路橋に設置して試験運用を開始しました。
 このシステムでは、橋梁に設置した加速度センサーを常時モニタリングしながら地震発生時には高速衛星通信を使って加速度データを自動的にデータセンターに送ります。送られたデータは、本社で一括管理し、地震時の橋梁の損傷度を短時間で判定します。
 今回、実橋試験として現在施工中の橋梁に設置し、通信状況の確認およびデータの収集を行っています。

 ※参考画像は添付の関連資料を参照


■技術開発の背景
 地震や洪水などによる災害発生時において、緊急輸送道路を確保するため、経路上にある橋梁の供用の可否や損傷度をできるだけ速やかに判定することが必要となります。
 当社ではこれまで地震発生時に、被災地区にある自社施工の橋梁の被災状況調査を行っています。しかしながら、調査対象の橋梁が多く、また、遠隔地の橋梁も存在することから、迅速かつ効率的な調査には多大な労力を費やしています。
 しかし、今回開発した「橋梁地震時モニタリングシステム」を使用することで点検の優先順位を把握でき、効率的な地震発生後の点検が可能となります。

■橋梁の地震時モニタリングシステムの概要
 本システムは、2つの要素から成り、その概要は以下の通りです。
 (1)モニタリングシステム
   このシステムは、当社が開発し国土地理院で実績のある地殻変動観測システムを基本に拡張したものです。橋梁に加速度センサーを設置し、常時計測を行います。センサーの計測データは総合制御装置(データ収集、蓄積、通信制御)に送信され、設定閾値(データ送信トリガー)以上の値を感知した場合、その前後所定の時間分のデータを自動的に高速衛星通信を介してデータセンターに送ります。高速衛星通信を使用することで、通信システムが混乱する地震時のデータを確実にリアルタイムで把握することができます。必要な電源として基本的には太陽電池を利用します。今回の実橋試験では、総合制御装置部には商用電源から供給していますが、太陽電池を利用した供給も可能です。

 (2)損傷判定システム
   予め当該橋梁の設計計算値をデータベース化しておき、計測データから得られた実測値と設計計算値の比較対照を行うことで、当該橋梁の損傷度を短時間で判定するものです。このシステムでは複数拠点からもデータを取得することは可能で、仮に本社機能が損なわれた場合でも他の拠点においてシステムの継続運用が可能です。

 ※システム概要図は添付の関連資料を参照


■今後の展望
 国土強靭化の大きな課題である大規模地震発生時の円滑な避難路の確保のためには、地震発生時の橋梁の損傷状況の把握が不可欠です。また、各種センサーでの情報収集だけでなく、迅速かつ適切な解析・診断、そして応急処置対応など、一連の作業があってこそ、安全・安心が提供可能となります。
 一般供用中の橋梁への設置、長期計測、設置箇所の拡大を図るため、モニタリングシステムの設置や維持管理に要するコストを軽減し、システムの安定性を向上していくための方策を検討していきます。そして、橋梁の設計・施工が社内で完結する当社の利点を活かし、重要な橋梁の地震時モニタリングをビジネスとして展開し、強靭な国土形勢の一翼を担うことを目指します。


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