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日立、英国都市間高速鉄道計画向け車両追加受注と27年半の保守事業で契約締結

2014-04-22

英国都市間高速鉄道計画向け車両の追加受注等に関する正式契約を締結


 株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原敏昭/以下、日立)は、このたび、英国運輸省(DfT:Department for Transport)の都市間高速鉄道計画(IEP:Intercity Express Programme)につき、日立と英国ジョン・レイング(John Laing)社が主要株主である特別目的会社アジリティ・トレインズ(Agility Trains)社を通じ、East Coast Main Line(ECML)向け車両497両(Class800シリーズ65編成)の納入ならびに27年半に渡る保守事業の正式契約を締結しました。具体的には、2012年7月に一括受注した車両596両(92編成)のうち、既に融資契約(Financial Close)を締結しているGreat Western Main Line(GWML)向け369両(57編成)を除く商務契約(Commercial Close)済みの227両(35編成)と2013年7月に追加受注を内定したECML向け270両(30編成)に関する融資契約の締結になります。今後日立は、アジリティ・トレインズ社向けに、合計866両(122編成)の車両製造、ならびに27年半に渡る保守事業を行っていきます。
 なお、本プロジェクトは英国運輸省が主導するPPP(Public Private Partnership)スキームで実施されており、株式会社国際協力銀行および、独立行政法人日本貿易保険による金融支援を受けています。

 現在、日立では、IEP向けClass800シリーズの設計を進めており、既に多くの部品の調達先の選定を完了しました。先行生産車両3編成の製造を、今年中に笠戸事業所(山口県下松市)で行う予定であり、英国には2015年前半に発送する予定です。
 また、日立は、英国ダーラム州ニュートン・エイクリフにおいて、日立レールヨーロッパ社の鉄道車両工場の建設を進めています。約8,200万ポンドの費用で建設される同車両工場は、2015年半ばに竣工し、2016年中からClass800シリーズの生産を開始する予定です。既に、同車両工場に勤務する従業員の採用活動を開始しており、最終的に研究開発施設も含め約730名のスタッフを採用する見込みです。
 さらに車両の信頼性に対する厳しい要件を満たすために、日立レールヨーロッパ社では、英国西部サウス・ウエスト・イングランドのブリストル(ストーク・ギフォード)に最先端の保守拠点を設置する予定です。また、ロンドン西部にあるノースポール車両基地の改修や、ウェールズ南部のスウォンジーにある保守施設の増強も行うほか、中北部サウス・ヨークシャードンカスターでは、新しい車両基地の建設を開始する予定です。


<幹部コメント>
 ・日立製作所 執行役社長兼COO 東原敏昭
  「今回の正式契約締結により合計866両の日立の車両が鉄道発祥の地である英国を走ることになったことを大変嬉しく思います。本プロジェクトの実現にあたり、強力にご支援ご尽力いただいた日本国政府、英国政府をはじめ関係者の皆様に、心から感謝申し上げます。日立は、世界トップクラスの生産設備を備えた新拠点の設立を通じて、高信頼・低環境負荷かつ快適な旅客サービスを提供していきます。」

 ・日立製作所 交通システム事業グローバルCEO アリステア・ドーマー(Alistair Dormer)
  「日立にとって、本正式契約締結は、IEPにおける新たなフェーズを迎えるきっかけとなります。IEPによって、英国で最も混雑する鉄道路線のうちの2路線を利用する旅客の利便性は大幅に改善されるでしょう。現在、英国ダーラム州に鉄道車両工場を建設中であり、Class800シリーズ車両が、北東イングランドの日立レールヨーロッパのスタッフ730名により生産されることを楽しみにしています。」


<IEPについて>
 IEPはDfTが主導する英国都市間高速鉄道の車両置き換えのためのプロジェクトです。本プロジェクトは、27年半にわたるGWML、ECML向けの車両122編成に対する資金調達、設計、生産、納品から日々の修理、保守が含まれます。アジリティ・トレインズ社の主要サプライヤである日立レールヨーロッパ社が、車両の設計、製造、保守を行なう予定です。


<納入する車両について>
 日立では、電気・ディーゼル併用車両であるClass800と電車のClass801を納入する予定です。電気・ディーゼル併用車両は、電化区間で使用する駆動動力に加えて、非電化区間における駆動動力として、床下にディーゼル発電機を装備しています。ディーゼル発電機は取り外しが可能となっており、電化区間が拡大された際の移行を円滑に行うことができます。
 GWML向けに9両編成電車21編成、5両編成電気・ディーゼル併用車両36編成(合計369両、57編成)、ECML向けに5両編成電車12編成、5両編成電気・ディーゼル併用車両10編成、9両編成電気・ディーゼル併用車両13編成、9両編成電車30編成(合計497両、65編成)がそれぞれ投入される予定です。
 Class800シリーズの投入により、GWML、ECMLの両幹線における旅客鉄道輸送能力を大幅に向上します。両幹線で現在走行している列車と比較して、座席あたりの重量が大幅に削減されており、所要時間の改善に加え、エネルギー使用量も削減します。
 Class800シリーズによる旅客鉄道輸送サービスは、GWMLでは2017年中から、ECMLでは2018年中から開始する予定です。


以上


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