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JAXA、新型基幹ロケット開発と打上げ輸送サービス事業に三菱重工を選定

2014-03-29

新型基幹ロケットの開発及び打上げ輸送サービス事業の
実施事業者の選定結果について>


 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、新型基幹ロケットの開発及び開発したロケットを用いた打上げ輸送サービス事業の実施を担う民間事業者(プライムコントラクタ)の選定について、平成26年2月27日より公募型企画競争を実施し、応募資格要件の確認及び提案にあたっての要求事項への適合性を評価した結果、プライムコントラクタとして三菱重工業株式会社を選定いたしました。
 今後は、平成26年度当初より三菱重工業株式会社を中心とする民間事業者と協力して、新型基幹ロケットの開発に着手する予定です。

 新型基幹ロケットについては別紙をご参照ください。


別紙

<新型基幹ロケットの概要>
新型基幹ロケットは、現在の日本の基幹ロケットであるH-IIA、H-IIBロケットを刷新し、打上げ費用を半減させることなどによって、使いやすさを大幅に向上させ、2020年代以降の日本の宇宙輸送を担うとともに、高い国際競争力をもって衛星打上げ市場への本格参入を目指す新しいロケットです。

【特徴】

・全シリーズに亘って中央の液体ロケットは共通仕様とし、製造や運用を効率化
静止トランスファ軌道(GTO)への打上げにあたっては、固体ブースタを装着(装着本数を6本までの間で調整)することで、多様なニーズに柔軟に対応

【開発スケジュール】
 平成32年度の試験機打上げを目指し、平成26年度当初から開発に着手予定

【開発内容】

・機体開発(構造系、電気系、推進系、衛星フェアリング
・エンジン開発(1段エンジン、2段エンジン)
・固体ブースタ開発
・射点/射場設備開発

 ※参考画像は添付の関連資料を参照

●なぜ今、新型基幹ロケットの開発が必要か?
 人工衛星等による宇宙空間の利用が様々な分野で欠かせないものとなっている中で、人工衛星等を他国に依存することなく打ち上げる能力を保持すること(自律性の確保)は重要で、日本政府の宇宙政策の基本方針でもあります。
 現在の基幹ロケットのH-IIAロケットはその前身であるH-IIロケットの設計思想を汲んでおり、当時の考え方に基づき設計・整備された設備を多く使用しています。H-IIロケットから通算して30年以上が経過した旧式の設備を用いているため老朽化が進んでおり、その維持に必要な経費は年々増加する状況にあります。また、H-IIAロケットの開発以来約15年間大型ロケットの開発が無かったため、実際に開発を経験した熟練技術者の高齢化が進んでおり、このままでは日本がロケットを開発し、打ち上げる能力を将来に渡り維持するのが困難な状況です。また、商業打上げ市場において、我が国の基幹ロケットは技術面では高く評価されていますが、我が国政府衛星のみならず海外衛星の打上げも受注できるよう、打上げ費用の低価格化等が必要です。これらの課題を克服し、日本の宇宙輸送システムを持続可能なものとしていくためには、打上げシステム全体を刷新し、国際競争力ある新型基幹ロケットの開発が必要です。

●どんなロケットになるのか?
 日本が得意としてきた液体水素を燃料とする高性能ロケットエンジンに更に磨きをかけた低コストで信頼性の高いエンジンを第1段と第2段に採用し、これにイプシロンロケットなどで培われた技術を基にした固体ロケットを補助ブースタとして取り付け、その本数によって幅広い打上げ能力に対応できるようにします。ロケットの基本的構成は実績のあるH-IIAロケットに似ていますが、随所に最新の技術を取り入れ、低価格と高い信頼性を両立します。

●JAXAと民間事業者との役割分担は?
 JAXAは、これまでのロケット開発で得られた知見を活かし、自律性の確保及び国際競争力の獲得にかなう新型基幹ロケットの開発全体をとりまとめ、ロケット機体と射場等とを一体として最適なシステムとして構築するとともに、自律性を確保するためのキーとなる技術の開発を行います。
 一方、民間事業者(プライムコントラクタ)は、国際競争力の獲得の観点から、ロケット機体の開発及びロケット開発後の打上げサービス事業を担います。
 今後、JAXAはプライムコントラクタを中心とする民間事業者と協力し、新型基幹ロケットの開発を進めます。

<これまでの経緯>

・平成25年6月4日:
 平成26年度宇宙開発利用に関する戦略的予算配分方針(経費の見積り方針)(平成25年6月4日 内閣府特命担当大臣(宇宙政策)から関係閣僚に対して通知)において、新型基幹ロケットの開発着手を決定

・平成26年1月15日(金)〜27日(月):
 JAXAにてミッション定義審査(MDR)を実施

・平成26年2月6日(金)〜17日(月):
 JAXAから民間事業者に対し、プライムコントラクタの選定基準や基本協定(案)等に対する意見招請(RFI)を実施

・平成26年2月21日(金):
 JAXAにて経営審査を実施し、プライムコントラクタの選定とそれに続く検討作業の準備ができていることを確認

・平成26年2月27日(木):
 プライムコントラクタの選定に係る公募型企画競争の公告を発出

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