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JAXA、全球降水観測計画主衛星が取得した画像を公開

2014-03-29

全球降水観測計画主衛星(GPM主衛星)の初画像について


 宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び米国航空宇宙局(NASA)が共同開発し、平成26年2月28日に種子島宇宙センターから打ち上げられた全球降水観測計画主衛星(GPM主衛星)が、別紙のとおり初画像を取得いたしました。

 全球降水観測計画(GPM計画)は、JAXA及びNASAが進める国際共同ミッションで、GPM主衛星と他の協力機関の副衛星群によって、一日に複数回、地球全体の降水(雨や雪)を観測するものです。GPM計画の要となるGPM主衛星は、JAXAが情報通信研究機構(NICT)と共同で開発した二周波降水レーダ(DPR)と、NASAが開発したGPMマイクロ波放射計(GMI)の二つのミッション機器を搭載しています。

 DPRは3月9日より、GMIは3月5日より、それぞれ初期チェックアウトを開始しており、本チェックアウト中に取得したデータから試験的に処理を行い初画像として公開いたします。

 初期チェックアウトに引き続き、今後ミッション機器の校正、観測データの精度確認を行った後、GPM主衛星が観測するデータを、打上げ約半年後から世界中の利用者へ提供いたします。

 ※日付はいずれも日本時間


<別紙>

 ■概要
  これらの図は、平成26年3月10日22時39分頃(日本時間)に、GPM主衛星が捉えた、日本の東海上(北緯40度、東経167度付近)にある発達した温帯低気圧による降水の強さの分布です。図1は、DPRによる降水の三次元分布、図2はGMIによる地表面付近の降水の強さです。また、図3は、同じ時刻の静止気象衛星の雲画像にGMIの観測範囲を重ねたもの(左)と、気象庁が発表した平成26年3月10日21時の実況天気図(右)です。図4はDPRを構成する2つの周波数それぞれによるレーダ反射因子の鉛直分布、図5はGMIの13周波数チャンネルによる輝度温度です。
 DPRは、GMIに比べると観測幅が1/3程度しかありませんが、GMIが降水を平面的に観測するのに対して、雲の中の降水の構造を三次元で観測できる「雨雲スキャンレーダ」であるという利点があります。DPRとGMIの二つのミッション測器のそれぞれの長所を組み合わせることで、GPM主衛星では、熱帯から高緯度までの範囲のさまざまな降水システムの構造を観測することができるようになりました。
 今回観測された温帯低気圧は、3月8日に沖縄近海で発生し、その後、3月9日から11日にかけて日本の南海上を北東方向に進みました。GPM主衛星が観測した3月10日夜頃には、中心気圧が976hPaと、台風に匹敵するほど発達していました。このときの気圧配置は、西高東低の典型的な冬型であり、この温帯低気圧の影響で、3月9日から10日にかけて、日本の広い範囲に非常に強い寒気が入り込んだために全国的に冷え込みが強まり、3月にも関わらず全国的に真冬並の寒さとなったほか、北海道にも大雪をもたらしました。


 *図と「初画像の解説」などは添付の関連資料「リリースの詳細」を参照


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