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日清製粉グループ、男性更年期障害に関する研究成果を発表
日清ファルマ 男性更年期障害に関する研究成果を発表
タマネギの有効成分タマネギアリインのテストステロン低下抑制作用メカニズムを解明
日清製粉グループの日清ファルマ株式会社(社長:白神 俊典)は、男性更年期障害の緩和作用を有するタマネギアリイン(※1)に関する研究を行い、このたび精巣細胞を使った実験で、テストステロン(※2)低下抑制作用メカニズムを明らかにしました。また、老化にともなう性行動の減少改善効果や、寿命との関係を示唆する結果も確認しました。
これらの研究成果は、3月27日(木)〜30日(日)に開催される「日本薬学会第134年会(熊本)」および「日本農芸化学会2014年度大会(東京)」で発表します。また、「日本農芸化学会2014年度大会(東京)」では、北翔大学学長・東海大学名誉教授の西村弘行氏によるランチョンセミナー「ネギ属含硫アミノ酸摂取でテストステロン(男性ホルモン)増!」でも研究成果が紹介されます。
(※1)タマネギアリインについて
当社では、ネギ属に多く含まれる含硫アミノ酸(アリイン類)のうち、タマネギに多く含まれるイソアリイン、シクロアリイン、メチインを総称してタマネギアリインとしています。これらの成分は、テストステロンの低下抑制作用を持つ食品成分として2006年に東海大学で発見されました。当社はこのユニークな機能性に着目し、2010年から自社で工業的な製法の検討に着手するとともに、新しい機能性の発見に向けて静岡県立大学と共同研究を進め、このたびの研究成果発表に至りました。
(※2)テストステロンについて
テストステロンは、男性ホルモンの一つで、加齢やストレスの影響で減少することが明らかになっています。男性の加齢によるテストステロン低下と関連して起こる抑鬱や筋力低下、疲労感、性機能低下などは男性更年期障害(LOH症候群 Late−onset hypogonadism)と呼ばれ、日本での潜在患者数は600万人で、成人男性の9人中1人の割合で発症していると言われています。
■学会に先駆け男性更年期障害に関する情報提供WEBサイト開設
当社は、本年3月26日(水)からWEBサイト「男性更年期NAVI」を新たに開設し、男性更年期障害に関する研究成果など様々な情報提供を行います。
<URL:http://www.loh.jp>
<参考資料> 学会での発表概要
※以下、「含硫アミノ酸」は「タマネギアリイン」を指します。
■「含硫アミノ酸含有タマネギエキスの機能性評価(1) −アンドロゲン増加と抗老化作用−」
・発表者 :静岡県立大学
・発表学会:日本薬学会第134年会(熊本)
・発表日程:2014年3月28日(金)
・発表内容:
老化促進マウスにタマネギエキスを投与したところ、老化にともない減少する血中テストステロン濃度が3.2倍増加し、その精巣細胞のテストステロン分泌能力は、若齢マウスと同等レベルにまでに回復していることが確認されました。更に、タマネギエキス投与群は生存率が高かったことから、テストステロン増加と生存率の間には何らかの関係があることが示唆されました。
■「含硫アミノ酸含有タマネギエキスの機能性評価(2) −老齢ラットの性行動に対する効果検討−」
・発表者 :日清ファルマ株式会社
・発表学会:日本薬学会第134年会(熊本)
・発表日程:2014年3月28日(金)
・発表内容:
老齢ラットにタマネギエキスを投与したところ、老化にともない減少する性行動(射精潜時および全乗駕行動中射精頻度)が改善する効果が確認されました。
■「S−1−Propenyl−L−cysteine sulfoxide を含有するタマネギエキスの製造」
・発表者 :日清ファルマ株式会社
・発表学会:日本農芸化学会2014年度大会(東京)
・発表日程:2014年3月29日(土)
・発表内容:
タマネギに含まれる含硫アミノ酸の一つであるS−1−Propenyl−L−cysteine sulfoxide(PeCSO、イソアリイン)はテストステロン回復作用を有する成分ですが、その安定性の低さから、PeCSO を含有するタマネギエキスの安定的な製法は確立されていませんでした。本研究では、タマネギ品種の選定と精製処理を検討し、安定的かつ安全性の高いタマネギエキスの製造方法を確立しました。
以上