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帝国データバンク、「駆け込み需要」に対する企業の動向調査結果を発表

2014-03-19

特別企画:駆け込み需要に対する企業の動向調査

消費税増税が迫り、駆け込み需要を実感する企業が増加
〜業種別では、「自動車・同部品小売」が86.0%で最多、
 「家具類小売」「家電・情報機器小売」が続く〜


<はじめに>
 2014年4月の消費税率引上げを控えて、駆け込み需要の動向次第で企業の業績が大きく変わる可能性がある。また、業種により駆け込み需要を実感し始めたタイミングには違いがあり、住宅などの高額商品からはじまり、今後は日用品へと駆け込みが移行していくと考えられる。
 駆け込み需要はその取り込みに加えて、反動減による影響も懸念されており、その規模がどの程度になるかは政策的にも大きな関心事となっている。
 そのようななか、帝国データバンクは、2013年5月から3カ月ごとに企業が感じる駆け込み需要について定点観測を行ってきた。

 ※直近の調査期間は2014年2月18日〜28日、調査対象は全国2万2,862社で、有効回答企業数は1万544社(回答率46.1%)。なお、駆け込み需要に対する調査は毎月実施しているTDB景気動向調査内で2013年5月、8月、11月、2014年2月に行った。
 ※本調査における詳細データは、景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com/visitors/)に掲載している。


<調査結果(要旨)>

 1. 2014年2月時点ですでに駆け込み需要を実感している企業は28.6%となり、前回調査(2013年11月)から13.6ポイント増加した。消費税増税までには半数を超える企業が駆け込みを見込む。

 2. 駆け込み需要を業種別にみると、「自動車・同部品小売」が76.0%で最多。さらに、「家具類小売」「家電・情報機器小売」「各種商品小売」「医薬品・日用雑貨品小売」などでは、消費税増税の時期が迫るにつれて駆け込み需要が急激に顕在化した。

 3. 駆け込み需要は、はじめに住宅関連で現れ、建材や家具などに広がった。しかし、徐々にスーパーやドラッグストア、家電小売店といった生活用品関連へと移行している。駆け込み需要は建設関連から小売にシフトしている。


1.企業の約3割がすでに駆け込み需要を実感、消費税増税までには半数超の企業が駆け込み需要を見込む
   自社の事業において、現在、駆け込み需要と思われる需要の変化がみられるか尋ねたところ、「すでに駆け込み需要がある/あった」と回答した企業は28.6%となった。前回調査(2013年11月)と比較すると13.6ポイント増加しており、11月以降、消費税増税の時期が近づくにつれ、急速に駆け込み需要が高まっていたことが明らかとなった。
   業界別では『建設』が半数近くに達しているほか、『不動産』も3割を超えた(4ページ参考表参照)。また、『製造』『卸売』『小売』『運輸・倉庫』はいずれも2013年11月より15ポイント以上増加しており、11月以降の急速な駆け込み需要の高まりはこれらの業界を中心に起こっていたことがわかる。最も早いタイミングで駆け込み需要が始まった『建設』では、「消費税増税に対する駆け込みが一段落した」(建築工事、東京都)など建築・土木関連では駆け込み需要のピークが過ぎている一方、「消費税増税前の駆け込み需要が増加している」(内装工事、東京都)など設備・内装・塗装工事等では依然として駆け込み需要が継続しており、同一業界でも職種により状況が異なる様子がうかがえる。
   また、企業の半数以上は「駆け込み需要がある(今後の見込み含む)」とみているが、11月時点と大差はなく、多くの企業が昨秋の段階で駆け込み需要の有無に目途を付けていた。なかでも、『小売』は6割を超える企業が見込んでおり、長期間にわたり駆け込み需要の影響を受けている『建設』を3月末までには上回るとみている。
   企業からは「消費税増税前の駆け込みもあり受注・引き合いともに増加している」(金属工作機械製造、愛知県)や「年度末を控えて駆け込み需要と思われる荷動きが活発になっている」(一般貨物自動車運送、愛知県)、「4月以降の太陽光の買取価格引き下げと、消費税増税の駆け込み需要がある」(産業用電気機器卸売、大阪府)など、各規模・業界でさまざまな駆け込み需要がみられている様子がうかがえる。

  *グラフ資料は添付の関連資料を参照


2.「自動車・同部品小売」の企業の76.0%がすでに駆け込み需要を実感
   「すでに駆け込み需要がある/あった」とする業種では、「自動車・同部品小売」が最も高く76.0%であるが、2013年5月時点3.7%、8月時点4.9%、11月時点20.8%と推移してきており、9月以降に急速に駆け込み需要が発生したことがうかがえ、中古車販売を中心に3月末まで駆け込みが継続するとみられる。さらに、「家具類小売」「各種商品小売」「医薬品・日用雑貨品小売」は5月時点で駆け込み需要を実感する企業はなかったが、住宅建設の進展でインテリア需要が拡大した「家具類小売」は8月時点で第3位へと上昇した。一方で、スーパーなどの「各種商品小売」や家庭用品を含む「医薬品・日用雑貨品小売」は消費税増税が迫るにつれて駆け込み需要が急激に顕在化した。
   今後の見込みを含んだ駆け込み需要が最も多いのは、「自動車・同部品小売」で86.0%であった。次いで、「家具類小売」、「家電・情報機器小売」、「各種商品小売」、「医薬品・日用雑貨品小売」が上位に挙がり、上位5業種はすべて小売が占めた。また、昨年5月時点で第1位だった「建設」は最終的には6割弱で第10位となった。さらに建設需要に関連して早い段階から駆け込み需要が現れていた「建材・家具、窯業・土石製品卸売」と「建材・家具、窯業・土石製品製造」は最終的に6割程度になると見込まれる。

  *参考資料は添付の関連資料を参照


<まとめ>
 2014年4月の消費税増税を控えて、駆け込み需要は住宅などの高額品から、自動車や家具、家電製品、そして日用品へと対象が広がってきた。駆け込み需要は早期に現れた建設関連から消費税増税が近づくに従い徐々に小売関連へとシフトしてきたが、最終的には企業の半数超が駆け込み需要を見込んでおり、特に「自動車・同部品小売」では9割近くに達する。一方、企業の間では駆け込み需要の反動減を懸念する声も多い。2月28日に経済産業省が発表した1月の鉱工業生産指数は2008年10月以来の高い伸びを示しており、消費税増税前の駆け込み需要向け生産が本格化したことがうかがえるが、今後は反動減に対応し生産を徐々に抑える動きとなるであろう。消費税増税前の3月末に向けてはスーパーやドラッグストア、家電小売店などでの駆け込み需要が高まってくるとみられる。

 *「参考表」、「調査先企業の属性」は添付の関連資料を参照


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